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南出喜久治「塾長通信」 平成25年5月26日より
あづさゆみ ひくますらをの たまふるひ にはをはらひて のりにかへらむ (梓弓引く益荒男の魂奮ひ祓庭復憲) ... 【祓庭復憲】 いつの世でも政治家が発した言葉によつて、政局となつたり、自らが辞任に追ひ込まれたりすることがある。 今もさうだが、最近は、政治的に計算された強かな言葉ではなく、不用意で軽率なものが目立つ。本心をそのまま言へばよいものではない。 猪瀬のイスラム発言、橋下の風俗発言、西村のウヨウヨ発言などなど。 これらの発言は、詳しく吟味すればすべて正鵠を得てゐる。しかし、政治家は学者や評論家ではない。政治家の発言を誰も学問的に受け止めない。あくまでも政治的に受け止め、政治的に批判し、そして利用する。 批判されて撤回するのであれば、初めから言ふな! 政治家が、発言の影響について、二目先、三目先を読めずに発言すると、圧力に負けて謝罪したり撤回したりするやうな失態を晒す。 殆どの場合、謝罪したり撤回するのは「本心」からではない。「保身」からである。所属政党の方針と自己主張とを天秤に掛ければ、前者が重い。「義理と人情を秤にかけりゃ、義理が重たい男の世界」(唐獅子牡丹)である。 それでも自己主張を撤回しないとすると、離党しかない。さういふ意味では、発言の不用意さはあつても、結果的には西村の身の処し方は潔い。だから支持するのである。 ところが、橋下はそれができない。結局済し崩し的に撤回してしまつた。当初は橋下商店だつた維新の会が、石原平沼商店と合併したために、自己主張を通せば離党しかなくなる。これまで橋下は発言を撤回しない人間だつたが、やつと世俗にまみれた政治家らしく保身によつて撤回することになつた。これで橋下は早晩墜落する運命である。 オスプレーよりもコスプレーの方が早く墜落するとの予言が当たりそうである。 また、安倍自民党も、96条の先行改正を自民党の参議院選挙公約に明記できなくなつた。これは公明党との関係に配慮したといふよりも、そもそもこれを公約に盛り込むことによる選挙への悪影響を懸念してゐるからである。 占領憲法が憲法として有効であれば、違憲無効か違憲状態の衆議院選挙の結果によつて成立した国会と安倍内閣には、占領憲法に基づく正当性がない。「違憲国会」と「違憲内閣」の下で改憲手続するといふ行為は、占領憲法の適正手続の保障(13条、31条)の具体的内容とされる「クリーンハンズの原則」(汚れた手で法廷に入ることは出来ない。自ら法を守る者だけが法の尊重を求めることができる)」や「禁反言(エストッペル)の原則」(自己の行為に矛盾した態度をとることは許されない)に反するからである。 だから、「一票の格差」問題といふ占領憲法の自己矛盾にも似た極めて瑣末な徒花が咲き続ける限り、理論的にも占領憲法の改正はできないのである。 このことを知つて知らずか、安倍らは、占領憲法96条改正を言ひ続けてきたが、結局は憲法学的な見地からの二目先、三目先が読めなかつたといふことである。 占領憲法の96条を改正した後に、その他の条項の、どこをどう改正するのかの議論を深めない。自民党が改正案を発表したのであれば、それについて本格的な議論をすればよいのに、とりあへずは96条だけとする姑息なことをしてゐる。これは、前の安倍内閣のときの国民投票法(日本国憲法の改正手続に関する法律)を成立させたこととよく似てゐる。 喩へてみれば、これは、離婚するか否かの話し合ひも合意もできてゐないのに、相手方に離婚届だけに書面押印を求めるやうなものである。誰だつて、離婚の意思を強く仄めかす相手方から、とりあへず離婚届に署名押印をしてくれと求めてくれば警戒するのは当然である。政治家の感性よりも世論の感性の方がまともなのである。 いづれにせよ、政治家が発言するときは、少なくとも「政治力」を基礎付ける憲法学や政治学などの知識が不可欠である。ところが、今の政治家はその知的レベルが低く政治力に乏しい。小学校か中学校程度で、しかも洗脳された憲法知識しかない。そして、やたらと実務的知識や歴史的知識だけを得ようとする。歴史オタクが多いが、憲法オタクは少ない。憲法オタクでも、その殆どが占領憲法オタクである。占領憲法業者の学者ができない効力論争を政治家が行ふことに、政治家の政治家たる矜持がなくてはならないし、そこに政治力のある真の政治家の真骨頂がある。憲法業者の保身学者に教へ請ふてゐるやうではダメである。学者の見解を政治主導で変更させることが真の政治力である。政治家は学者の上を行かねばならないのである。 昨今の政治家の無様な光景を見てゐると、我々は、既存の政党や政治家に頼つてゐては祖国の再生ができないことが判る。 我々には、「祓庭復憲」を掲げ、宮廷(庭)を被ふ占領典範、東京裁判法廷(庭)で歪んだ歴史観、家庭を蝕む個人主義など、汚された「庭」を祓つて齋庭(ゆには)とし、さらに、正統憲法に復元して祖国を立て直して、全世界に自立再生社会を実現する使命がある。 そのための運動論としては、議員資格のある政治家としての立場とそれ以外の者の立場とでは、発信する発言内容が同じであつてはならないし、多くの個人や団体との連携によつて方向性を同じくする様々な発言と行動を同時多発的に展開し、國體護持を誓ふ者が魂を奮ひ立たせて重層構造的に祓庭復憲運動を推進して行く必要があるのである。 |
政治団体 國體維新あづさゆみ
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