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TPP敗戦の総括

TPP敗戦の総括
~米中両国の「遊泳許可区域」内を泳ぐ安部外交
 
青木直人さんの御話し
●先日のライブトークでもお話ししたのですが、安倍総理が任命した黒田東彦前アジア開発銀行総裁は過去の経歴や発言を見る限り、果たして信頼のおける人物なのかどうか疑問は尽きません。彼は次のような主張をしているからです。
 
●「いまだに完全な国際通貨になりきれていない円と、将来は国際通貨になりうる人民元が協力して、東アジアにドルやユーロと共存できるような共通通貨をつくる必要がある」
これは黒田氏の著書「通貨の興亡」(中央公論新社)の一節です(カッコ内は文章の一節または要約)。彼のアジア開発銀行総裁就任が2005年2月、ちょうど同じ月に発売されたのがこの「通貨の興亡」。つまりここには開発銀行総裁としての彼の哲学が反映しているのです。
 
●彼は東アジア共同体論者であることを隠しません。黒田氏はEU統合を参考にして、本書のなかで、こう続けるのです。
「アジアにおける金融市場、労働市場の統合が必要であり、それは共通通貨、単一通貨に進む場合、不可欠である」
「そして最後の段階では各国の通貨を一挙に相互に固定して引き返さない」。堂々たるアジア経済共同体の提唱です。
 
●さらに、次の箇所は衝撃的です。
「参加各国の通貨はひとつの通貨になり、地域ごとにある現在の中央銀行の金融政策も一つになる」
「そうなるためには国家主権の一部を永久に放棄することが必要となる」「アジア共通通貨実現の可能性は今世紀(=21世紀)中にかなりの確率がある」。
これが大蔵省国際金融局長からアジア開発銀行のトップに上り詰めた黒田氏の発言なのです。「一部ではあれ、日本の主権の永遠の放棄」。彼はそこまでしてアジア共通通貨を実現したいと言うのです。
 
●黒田氏は中国、韓国、日本の三か国はまずFTAの締結を実現せよ、為替レートの安定を追求せよとも言っています。
彼がここで主張している文脈に即して言えば、アジア共通通貨が実現するためには「現在の中央銀行」即ち黒田氏が新総裁に就任したばかりの日本銀行と中国政府の中央銀行・中国人民銀行の金融政策が「一つになる」ことが求められる。
もういいでしょう。
もはや多くの説明は不要です。黒田アジア開発銀行はこういう総裁の経済統合構想をベースに中国に対して膨大なマネーを供与し続けてきたのです。
 
●私の黒田氏への疑問は日本政府外務省が中国向け円借款の受注対象から交通インフラへの援助を外し、中止してからも、アジア開発銀行はそれに逆らうように、インフラ投資を増やし続けていることでした。面妖な話です。アジア開発銀行は「日本財務省の植民地」とまで揶揄されるほど、日本政府の影響力が強い国際金融機関です。にもかかわらず、日本政府・外務省が今後は円借款融資の対象にはしないという中国国内の道路空港、鉄道建設になぜ今も総裁職にいる財務省の高官らは膨大な資金を提供しつづけているのでしょうか。
 
●黒田総裁時代、中国は日本を脅かすほどの軍事大国に成長していき、いまや我が国固有の領土尖閣諸島すらも、「日本が中国から奪い取った核心的利益の場所である」と言い放つほどになったのです。その間、黒田氏の対中感は一貫して「中国は覇権国家ではない」というものだったのです。
 
●こんな体たらくでは日本政府の対中援助姿勢には何の哲学もなく、露骨な二面性を帯びていると批判されてもやむを得ない。ですが、もっと唖然としたのは、私のこうした疑問と質問にアジア開発銀行から帰ってきた回答は「そうした政治的問題には回答できません」というそっけないものだったことです。読者の皆さんの感想はどうでしょうか。
 
●安倍政権の閣僚の方ならどなたでも結構です。
黒田アジア開発銀行が行っていた対中援助前のめり政策と日本外交の整合性を説明していただけないものでしょうか。
TPP交渉参加表明に次いで、安倍総理が日本の中央銀行総裁に任命したのは「アジア共通通貨実現のためには日本の国家主権の一部を永遠に放棄する」と明言するような「国際派エコノミスト」だったのです。
 
●このままなら、安倍「保守本格」政権のもと、黒田日銀と中国との経済統合に向けた動きに拍車がかかるのは間違いないでしょう。黒田日銀総裁就任で、日中韓FTA交渉への障害も民主党時代よりもハードルは下がったとも見ていいでしょう。
 
●これが総選挙最終日、熱狂する善意の若者たちが、秋葉原で日の丸の旗をふりながら、「救世主」安倍晋三に涙ながらにエールを送ってから3か月目の光景なのです。
「おまかせ定食」のメニューは支援者の方々の希望通りのものだったのでしょうか。教訓にすべきは単なる思いこみではなく、事実を直視するということではないのでしょうか。
そして、願望ではなく、客観的で正確な情勢動向の分析なしにいかなる社会活動も成功は期し難いということなのです。
主観的な願望や楽観はいともたやすく事実と言う客観性に報復されてしまう。
 
●自画自賛するようですが、NLCの読者で安倍総理のTPP交渉参加や日中韓FTA交渉の進展、さらに対中援助復活に疑問を持っていた、あるいはもっている読者はひとりもいません。日本に対する中韓の傲慢無礼な振る舞いに正当な怒りを感じてきた多くの日本人はTPPに次いで、今度は「中国に強い」はずの安倍外交にもう一度裏切られることになるのでは、とそんな予感をもつのです。
 
 
プロ野球の動画をたまに見ます
 
テレビの方は数年前から一切見ておりませんので、久しぶりに見ると以前と変わっている部分に気付きます。それは画面の端にあるストライク、ボール、アウトを表示する部分。その部分の表示の順が以前はストライク、ボール、アウトであったのに、私がネット上でたまたま見た最近のものにはボール、ストライク、アウトの順に書かれていました。
 
これは何故でしょうか。ひょっとして米國のメジャーリーグに合わせた結果なのでしょうか。詳しくは知りませんが。そして元々野球は米國から輸入されたスポーツではありますが、一旦我が國式に工夫してストライク、ボール、アウトと表示していたものを何で態々また米國式に戻すのか。
 
これこそ現在の我が國がおかしい本来の我が國の状態ではないことを示すものかも知れませんね。何故ならば、本来我が國では外つ國から何らかのものを取り込む時には必ず我が國に合う様に工夫がなされて来た。にも拘らず、です。その本来行ってきたことが、例え野球というスポーツの中の1要素だとはいえある意味完全に逆行している。我が國が自主独立した國であり、我等民が我が國の民として自立できているならば、ちょっとしたことではありますがこういった部分においても米國のスポーツ文化を安易にまるまる真似ていく様なことはしなかったのではないでしょうか。

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