ショートショート 彼のつぶやき

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一秒のため息

 
 
ため息は・・・・
気にしなくてもいいよ・・・・
それは、自分に言い聞かせるためのものだから・・・・
 
きっと誰にでも、、、、やりきれない瞬間ってあるものさ
きっと誰にでも、、、、どこかに逃げ出したいっていう瞬間があるものさ、、、、
 
そう
 
ため息をつくのは、、、そんな自分に言い聞かせるためだから、、、
 
よくあることだと。。。。。
 
そう
 
ため息をつくのは、、、、自分を慰めるためなんだ・・・
 
何処へ行っても同じだと、、、、、、
 
そして、、、、
 
ため息をついたとしても、、、、、
 
そして、、、、
 
空は青いことを
 
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「それで・・・しばらく僕は旅行に出ますから、安心してください、国内ですよ・・・だから・・・
ええ・・・来週にはソウルに戻りますから・・・はい・・・はい・・・憶えています、わかっていますから安心してくださいそれじゃはい・・・」
僕は、携帯を閉じるとポケットに押し込み・・・その代わりにタバコを取り出した。
一本取り出して、口にくわえ再びポケットを探るとライターがないことに気づいた。
・・・しょうがないな・・・車の中だろうか・・
くわえていたタバコをケースに戻そうとすると突然目の前にライターが差し出された
僕が驚いた顔をすると、ライターの主は
「どうぞ・・ライターがないんでしょ?」
と微笑んだ。
「あ・・・ええ・・・ありがとうございます」
僕は、ライターを受け取りタバコに火をつけ・・・その主に返した。
「いいえ」
ライターの主は屈託のない笑顔を僕に投げかけた・・・・
「ウネ!」
そう、呼ぶ声にその主は振り返りそれじゃ・・・と離れていった。
彼女は・・・そう・・・彼女は、自分の名前を呼ぶその男の元に駆け寄り腕を取って
自分たちの車の元に歩き始めた・・・
僕は、急におかしくなった・・・
・・・なんだ・・・
突然に現れた彼女に、若干の戸惑いと・・・一瞬のときめきを覚えた自分がおかしかった。
旅は、突然のハプニングを求めるらしい。
そんな、ハプニングが・・・僕の前にも現れたかと・・・らしくもない期待が一瞬横切った
自分がおかしかった。
僕は、タバコをふかし二人の後姿を眺めて、自分の車へともどった・・
車に乗り込み助手席の足元に目をやると、そこにはライターが落ちていた。
・・・こんなところに・・・
僕は手を伸ばし・・・ライターを手にとり眺めた・・・
・・・・お前が、こんなところにいるから・・・・
再び、脳裏にライターを差し出す彼女の顔が浮かんだ・・・
・・・・きっと、明日になったら顔も覚えていないさ・・・
僕は、エンジンをかけるとハンドルを握り・・・・
ドライブインの駐車場を出た・・・・・。

目的地の港町までは、あと2時間はかかるだろう・・・きっと、その頃には暗くなっているだろうな・・
僕は、ソウルに仕事を残し・・・思い立ったように、車を飛ばしてここまできた。
いくつかの文章を書いて・・・生活をしている日々に息苦しさと疑問を感じ思わず出てきてしまったが
心のどこかでは、締め切りを気にしている自分もいた。
文章を書くことが、嫌なわけではない・・・思いもかけず・・・それで生活をしていくことができているのだから・・・。だけど、本当にやりたかった仕事なんだろうか・・・時間に追われて・・・
惰性のように文章を書き・・・それでも、相手はそれを待っている。
僕は、本来はカメラマンだった・・・たまたま、ライターがいなかったために文章を書いたらそれが評判になり・・雑誌社から、写真より文章のほうが才能があると言われ・・・
若干の不満も感じながら・・・それでも、提示された金額に心が動き・・・
・・・結局僕は、志のない男なのか・・・・
そんな、息苦しさから逃れるために・・・飛び出してきたが・・・
ふと・・・昔訪れたことがある港町に行ってみようと思いたった・・・・・そう、何年もほったらかしに
している相棒と共に・・・
僕は、助手席に座っている相棒に目をやった・・・ふるいバッグに入った・・・・カメラ・・・
何年・・・写していないだろう・・・

そう・・・僕が連れ出したのは・・毎日原稿を書くために使っているPCではなく・・・
何年もほったらかしにしているこいつだった・・・
こいつを僕はほったらかしにしていたのだろうか・・・
いや・・・僕は・・僕自身をほったらかしにしてきたのかもしれない・・・・・
僕が・・・僕自身の求めるものを・・・置き去りにしてきたのかもしれない・・・・

そして・・・再び・・・彼女の顔が目の前に浮かんだ・・・・


そして、2時間も車を走らせると・・・目的地の港町についた・・・
古めかしい食堂で食事をして・・・
民宿でも探そうかとおもったが・・・車の中で夜を明かすことも悪くないと思い
車を埠頭近くに止めた・・・
もう・・・あたりはすっかり暗くなってしまっており・・・僕は、車の中で
仮眠することにした。

いつもは・・・寝つきが悪い僕だけど・・・なぜか、熟睡をしてしまい・・・気づいて時計をみると
夜明け前の時間になっていた。
僕は、相棒を取り出し・・・車の外に出て海を見つめた・・・水平線が少しずつグラデーションをかけて
変わりはじめた瞬間・・・シャッターを切った
「カシャ」その音が、僕の心の中に響き・・背筋に何かが走った・・・
そう・・僕はこの瞬間・・・この音を聞きたかったんだ・・・・
忘れていたときめきを思い出したように僕の心は躍った・・・
そして、しばらく我を忘れてシャッターを押し続けた・・・・

ふと・・・埠頭の先に目をやると・・・誰かが座っている姿が見えた・・・
僕は思わず、その姿を写真に収めた・・・
そして・・・近づいていくと・・・その人はバッグから・・・
タバコを取り出して・・・そして・・・・ライターを探しているようだった。
僕は近づき・・・ライターを差し出した。
その人は・・・驚いたように僕の顔を見つめ・・・怪訝な顔をしていたが・・・
すぐに微笑み
「あら・・・あなたは・・・」というとありがとう、というように僕のライターを受け取り
タバコに火をつけようとした・・・
僕は、彼女がくわえたタバコをさっと取った・・・・
彼女は、少し怒ったような顔を見せ・・そして笑いながら
「どうして?」
「タバコは・・・体にわるいよ・・・」
彼女は面白そうに僕を見ると
「あなただって吸っているじゃない・・・」
「僕はいいんだ・・・女の人は・・・」
「女は吸わないほうがいい?」
僕はどうして自分がそんなことをしたのか戸惑い、取り上げたタバコを返した。
彼女は、タバコを受け取って
「ライター貸してくれたくせに」
といい、再びくわえようとしたが・・タバコをケースに戻して・・・
「あなたの言葉を尊重してやめておくわ・・・別に常習しているわけじゃないのよ」
そして・・・僕にライターを差し出した。

「憶えていた?」
僕が照れくさそうに聞くと彼女は
「ええ」と微笑み
「ここで何をしているの?」と言い僕が手にしている相棒に気づくと
「あなた、カメラマン?」
と聞いた
「いや・・・そういうわけじゃ・・」
彼女はフーンという顔で相棒を見つめると・・・すっかり日が昇った海をみつめ
「ここ・・・素敵でしょ」
「君は・・・何をしていたの?彼は?」
「彼?」
彼女は不思議そうに僕を見つめると、気づいたように笑い
「彼じゃないわ・・・」
と言った。
僕は、なぜか気恥ずかしくなり・・・タバコをすおうとポケットに手をやったが・・思いとどまり
「そうなんだ・・・」
「私・・・この近くに住んでいるのよ・・・いえ・・・今は住んでいないけど・・・
久しぶりに帰ってきたっていうほうが正しいかな?」
「へえ・・・」
「さ・・・帰るわ・・・兄さんが心配している」
「兄さん?」
彼女はそうよ!というように笑い手を振った。

僕は思わず。
「待って・・・僕の名前は・・」
「私・・・又、あなたと会う気がするからその時に聞くわ」
・・・・
「僕は、君の名前を知っているよ、ウネさんだろ・・」
「どうして知っているの?」
「あ・・・そう呼ばれていたから・・」
彼女はああ・・・って顔をして
「それじゃ・・・又ね」

僕は、彼女の朝日に照らされた後姿をながめながら・・・・
振られたかな・・・と、思い・・・なぜか甘酸っぱい気分になった。
そして・・・僕は、何日かをこの港町ですごしたが・・・・
この近くに住んでいるという彼女に再び会うこともなく・・・・
ソウルに戻った・・・・

そして・・・1年の時が流れ・・・・
僕は、タバコをくわえるたびに・・・彼女のことを思い出している・・・・
すぐに忘れてしまうと思ったその顔も・・・今でもはっきりと覚えている・・・
そして今、僕はPCと過ごす時間より相棒と過ごす時間が長くなり・・・少しずつだが
相棒との仕事も増えてきている・・・・

雑誌社から・・・出て、空を見上げ・・・また・・・あの港町に行ってみようか・・・
そう、考えながら・・・タバコをくわえ・・・
ライターの火をつけようとすると・・・・

すっ・・・とライターが差し出された・・・あの日のように・・・
そして、ライターの主は・・・
「ほらね・・・又会ったでしょ・・・」
と・・・笑った。

A lie・・・・<詩>

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君を抱きしめても
何故、心がこんなにも冷たく感じるの?
僕の腕の中のその瞳の向こうで・・・君は誰を見つめているの?
僕のそばにいてくれるだけでいい・・・そう思っていた
僕の手に触れる場所にいてくれるだけでいい・・・そう思っていた
だけど・・・
そばにいる分だけ
手に触れる場所にいる分だけ・・・
君の心が遠く感じる

僕の愛が、そんなにも君を寂しくさせるの・・・
僕の思いが、そんなにも君をつらくさせるの・・・・

僕は嘘つきだ・・・そばにいてくれるだけでいいと言ったのに・・・
君の心が欲しくなる・・・・
僕の手に触れる場所にいてくれるだけでいいとい言ったのに・・・・
僕だけを見つめて欲しくなる・・

どうすればいい・・・・
僕はどうにかなってしまいそうだ
どうすればいい・・・・
君を責めたくなってしまう・・・・

どうすればいい・・・
だけど・・・腕の中の君を決して・・・離したくはない・・・

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「どうするの?」
この言葉を言うときの女はとても強いまなざしをする・・・・。
付き合いだして、ある期間を過ぎると必ず・・・・。
「どうするの?」
正直こんなときは
「何を?」
と返したい衝動に駆られる・・・・答えはわかっているが
俺にとって、女がこの言葉を口にしだすと・・・妙に冷めた気持ちになってしまう
自分勝手だと責められたり・・・・
責任感がないと責められたり・・・・
将来が見えないと責められたり・・・・

そう・・・安定の欲求が強い理解はしている。
だけど、そう簡単に踏み切れない男の気持ちもわかって欲しいと思う。
ただ、それは人それぞれかもしれない久しぶりに夕べ飲んだ大学時代の友人は
彼女が、ナカナカ結婚に踏み切ってくれないと嘆いていた・・・・・
そんな男もいるのだ
「その先に何があるんだ?」
「何って・・・・家庭だろ・・・・」
「その先には?」
奴は、呆れたように笑って
「相変わらず、難しいこと考える奴だな・・・」
と焼酎ロックを口に含んだ
「普通考えるだろう、いい女がいて好きになって・・・ああこの女と暮らしていけたらな・・・なんて
そしたら先に何がある?結婚だろ、子供ができるだろう、家庭ってものができるじゃないか」
それを言うなら・・・・お前も、相変わらず保守的な奴だ・・・・
そんなこと、考えないわけじゃない。
男と女は夫となり妻となりそして父親となり母親となり・・・・・
普通のことだろう、俺の親だって自分の息子がそんな風になっていくことを望んでいるはずだ。
それでも
「どうするの?」
女のその言葉が耳元で聞こえるたびに・・・・・冷めていく
「あなた、逃げているのよ・・・」
確かに・・・・そうなっていって、見えなくなっていくもの・・・いや、見えないふりをしなければならなくなる俺。
そうなって、見えてくるもの・・・見えなくていいものまで見てしまう俺・・・・。
そんな自分が恐いのかもしれない。
「確かにな・・・・逃げてるかも」
そんな俺の言葉は、ただの居直りにしか聞こえないのかもしれない・・・・。
いつか、そんなことを考えなくてもいい相手に巡り合うのだろうか・・・・・
そんなことを待っていたら、一生このままかもしれないな・・・・。
男と女の終着点って何だろう・・・・
いっそ、終着点なんてなくて・・・・このまま手探りで行くほうが自分を捨てなくても
いいかもしれない・・・・。
「あなた、責任取るのがいやなのよ・・・」
よくもまあ、責める言葉が出てくるものだ。
言うしかないじゃないか
「そうだな・・・・・・」

きっと、彼女とも終わりになるだろう・・・・。

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