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最近、レナード・コーエンの15年ぶりのツアーを収録した2種類のDVDを手に入れてず〜っとそればかり見ています、そして涙しています。 2008年74歳のロンドン公演のDVDをYou Tubeにまるごとアップしている勇気のある人が居るのでこの記事に貼った動画はみんなそこからです。 いつ消されるかわからないので見ておいたほうがいいかもしれないな(笑)でも、この公演のライブは手にしても絶対損はないのでオススメしますよ。 まずは信じられないくらい小走りの軽い足取りで登場するオープニング・ナンバーから。 コーエン爺の輝くような笑顔にもう完全にやられました。 それでいきなりこの曲ですもの。 Leonard Cohen/Dance Me To The End Of Love 世界中にいる熱心なファンの多さや、彼をリスペクトするアーチストの多さというのは日本では本当にわかりずらいですね。 やはり、日本人には陰鬱で、気難しそうで、また難解なイメージのある歌詞も災いして、コーエンの楽曲はちょっと取っ付きずらいかもしれない。 ましてやあのダークな歌声(ファンにとってはゴールデンボイス)を聞いたらなおさらかもしれないです。 しかし、その楽曲の良さというのはカバー・バージョンなどを聞くとかえってよくわかるかもしれませんよ。 たとえばバンクーバー・オリンピックでk.d.ラングが熱唱した「HALLELUJHA」など無数にカバーされていますがちょっと聞き比べしてみましょうか。 k.d. Lang/Hallelujah k.d.ラングの歌唱はもちろん圧倒されますがちょっと大袈裟かな?という気もするね。 次はダークさでは負けていないこの人。 Jeff Buckley/Hallelujah こんな人もやっています。 Sheryl Crow/Hallelujah ギターも含めさすが上手いよね〜で、真打登場です。 ちなみにオルガンは二ール・ラーセンなんだよ。 Leonard Cohen/Hallelujah レナード・コーエン本人のあまりに抑揚のない囁きのような朴訥とした歌声というのは、唯一無二の個性(ことに夜聞くと危険です)であり、曲にさらに深みのある表情を与えているのだと思います。 それに彼の作る曲って実はものすごくシンプルで美しい誰でも口づさめるようなメロディーが多いのですよ。 そこに歌詞が乗るともう魔法のようですね…アーチストなら誰もが歌いたい欲求に駆られるのではないかと思います。 You Tubeなど見ていてもとにかく、彼の楽曲をカバーするアーチストがロック・ポップフィールドに限らず多岐に渡っているのに驚かされる。 この「HALLELUJHA」という曲はタイトルからして主を讃えるようなイメージの曲で、You Tubeでもクワイアがいくつもカバーしていたりしますが実際歌詞は複雑です。 長いので3番まで抜粋してみます。 「ハレルヤ」 三浦久訳 ダビデ王が弾いた秘密のコードがあって 主を喜ばせたいと聞いたことがある あなたは音楽にあまり興味はないだろうが そのコードは4度、5度、そして マイナーに移り、メジャーに戻る 当惑した王はこのようにしてハレルヤを作曲した ハレルヤ、ハレルヤ、ハレルヤ、ハレルヤ あなたの信仰は強かったが、証を必要とした あなたは屋上で水浴する女を見た 彼女の美しさと月光があなたの心を乱した 彼女はあなたを台所の椅子に縛りつけ あなたの王座を壊し、髪を切り あなたの唇からハレルヤを引き出した ハレルヤ、ハレルヤ、ハレルヤ、ハレルヤ 多分、天には髪がいるかもしれない でも私が愛から学んだことはただ 自分より早く抜く男をいかに撃つかということ しかし今夜聞こえてくるのは叫び声ではない 光を見たと主張する巡礼者ではない そうじゃない、それは冷たい、壊れたハレルヤ ハレルヤ、ハレルヤ、ハレルヤ、ハレルヤ… 歌詞に関しては宗教的とも捉えられるし、何やら深い意味を考えてしまうけれど、世界中でプレイしたライブ映像などを見ていて思うのはこの曲で観客がひとつになって「ハレルヤ」と歌うときに政治や宗教をも越える愛と力を感じてしまう。 私自身はそういうものには本来懐疑的なんだけれど、ひょっとして歌の力で世界はひとつになれるのではないかというような思いを描いてしまいます。 次はセカンドからの代表曲。 電線の上の一羽の鳥のように 真夜中の聖歌隊の酔っ払いのように 私は私なりのやり方で自由になろうとした…と歌うこの曲を。 Leonard Cohen/Bird on the Wire なんとなくラブ&ピースの時代を思い浮かべてしまいます。 コーエン爺は1934年生まれと言うからもう私の父親の世代ですね。 詩集、小説などをすでに何冊か発表してある程度の地位を築いて、30代半ばにしてのレコードデビューですからかなり異色の存在です。 作家の余技と考えればそうしたレコードはいくらもありそうですが、決してそんな趣味的なレベルの作品では無かった。 実は当時の作家業では食えないのでやむを得ず音楽活動を始めるため、大好きなカントリーの聖地ナッシュビルに向かったなんて話しもあります。 やはり同じカナダ人のジュディ・コリンズがいち早くこの曲を取り上げてレナード・コーエンの名が高まったのが始まりでしょうか。 ファーストの1曲目に収録されたナンバー。 Leonard Cohen/Suzanne 冒頭に書いたように15年ぶりのツアーのライブDVDを手に入れて繰り返し見ているのですがこの爺さんにはほんとびっくりしました。 この老人は観客に「私の音楽を長い間生かし続けてくれてありがとう」と語り、歌うことの幸せに満ち溢れているように見えるのです。 とにかく全編に渡って笑顔と感謝のコーエン翁。 観客には繰り返し何度も何度も「サンキュー・ソー・マッチ・フレンズ」と語ります。 また、観客や演奏者すべてがレナードに敬意を持っているのが伝わるような愛情に満ち溢れたライブパフォーマンスでした。 恋愛、セックス、宗教、政治と過去には苦悩の日々もあったろうけれど、彼自身禅の修業を熱心にしていましたが、それこそ今や何かを悟った老僧のようでもあります。 ただ、どんなものに対しても情熱が冷めることは無かったのでしょう…コーエン翁の笑顔を見ていてそう感じました。 真実だかジョークだかは定かじゃありませんが、老後の生活資金をマネージャーに持ち逃げされて、そのために重い腰を上げてツアーに出たとのこと(笑) たとえそうだとしても、おかげでコーエン爺の元気な姿が見られたのだから、マネージャーに感謝しないといけないのかもしれませんね。 この曲もリリース当時と今とではずいぶんと違うかもしれない…若い頃やんちゃだった爺さんが懐かしい思い出を語るような…勝手だけどそんなイメージもします。 Leonard Cohen/So Long, Marianne 世界で最も愛されている老人のひとりですね。 コーエン爺を見ていたらなんだか年を取るのも悪くないように思えて来ました。 2010年現在76歳になるコーエン爺のツアーはまだ続けられています。 3年もツアーやっているのに日本に来る予定が無いなんて!(またまた涙) 本当は全曲貼りたい位なんだけど、締めくくりはもちろんこの曲で。 3時間にも及ぶステージを終えバックステージに下がるラストのコーエン爺のスキップを見よ!! Leonard Cohen/Closing Time
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