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アジアのお坊さん 番外編
ホームページ「アジアのお坊さん」の番外編です!!

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 日本の僧侶が妻帯していることは世界的に見ても異例で、他国の仏教徒の非難の的になっていることはよく知られている。日本人の中にも日本のお坊さんの妻帯や世襲について批判している人はたくさんいるのだが、ちょっと気になる点があるので列挙してみる。

・まず重箱の隅を突付くようだが、数は微々たるものだけれど、妻帯している僧侶というのは日本以外にも存在する。
 日本同様、結婚して家庭があり、衣に着替えて所属のお寺に出かけるという形態のラマ僧がモンゴルなどに多少いるし、チベット・インド・ネパール方面で妻帯しているラマ僧は、自分のことを「タントリスト」と呼んでいたりする。
 韓国などに妻帯の僧がいるのは、日本統治下の日本仏教の影響だということだが、私も有髪で洋服を着た韓国人に僧侶の法名を記した名刺をもらったことがる。
 ただし、結婚しているのは日本のお坊さんだけではないから、結婚してたっていいじゃないかと言ってるわけでは勿論ない。

・テラワーダ仏教を信奉している人などに多い間違いだが、「テラワーダ仏教のお坊さんは大乗仏教僧のように結婚したり、お酒を飲んだりしない」などと書いてあったりする。
 だが戒律を守っていないのは基本的に日本仏教だけの問題であって、チベット系のお坊さんでも中国・韓国・台湾などでも、日本以外の大乗仏教僧は厳格な戒律を守っている。ただ、戒律の系統が違うのでテラワーダ仏教徒の多くが大乗仏教僧を正式な比丘だと認めていないだけだ。

・日本仏教が堕落したのは伝教大師最澄が比丘戒を破棄して大乗戒だけを僧侶の戒律としたことに始まる、と言う人が少なからずいる。
 確かにテラワーダ、大乗を通じて多少の系統の違いは別にして、堅く守られてきた比丘戒を破棄したことは、どんなに深い意味があるにしろ、仏教史的には大事件だ。だが大乗戒にも不淫戒すなわち異性との交渉を禁じる戒律を初め、お坊さんが守るべきような条項は全て含まれている。大乗戒が悪いのではなく、日本のお坊さんが大乗戒すら守っていないことが問題なのだ。

・ついでに書いてしまうと、お坊さんの妻帯という問題を論じる時、性を肯定する真言立川流の話を持ち出してくる人が余りに多い。はっきり言って、そんな素人の豆知識は問題をいたずらに複雑にして本質を見失わせるだけで、百害あって一利も無い。

 で、私としては日本仏教界がこのような現状であるならば、結婚している僧侶は衣を着ていても一仏教教師として、特に海外の仏教徒と交流する時は世界の事情をよく弁えて一歩下がり、共に仏法の興隆を目指せば良いと思うのだが、プライド高い日本のお坊さんたちには無理な話だろうかなあ。

アジア仏教と戒律もご覧ください。

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