アジアのお坊さん 番外編

ホームページ「アジアのお坊さん」の番外編です!!

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 中学校の時の教科書に、童話作家・秋田雨雀の代表作、「老僧と三人の弟子」が載っていました。まさか自分が将来、お坊さんになるなんて、思いもしていなかった頃の話です。

 あるお寺に、老僧が三人の弟子と一緒に住んでいて、寺の近くに、そこで修行を完成すると、飛び降りても落下することなく、天に昇ることができるという、切り立った崖がありました。

 一番目のお弟子は、まじめなお坊さんでしたが、一生懸命、修行に励み、ふっと慢心が起こったのか、今ならもう大丈夫だろうと崖から飛び降りて、死んでしまったということです。

 二番目のお弟子は目から鼻に抜けるタイプで容姿も美しく、何でも要領よくこなすお坊さんで、おれはもう大丈夫だと、崖から飛び立ちました。そしてその死体が見つからなかったので、あの人ならきっと天に昇ったのに違いないと、村人たちは噂し合ったということです。けれど老僧は、一番弟子がいなくなった時も、二番弟子がいなくなった時も、「馬鹿なやつだ」と一言だけ、つぶやいたのだということです。

 そして三番目のお弟子さんは、不器用で物覚えも悪く、いつも兄弟子たちから馬鹿にされていたそうです。崖の上から飛び立つことも、そこで修行しようという気もさらさら起こさず、ただ不器用に、こつこつとできるだけのことをして年を取りました。そして老僧は亡くなる前に、その三番弟子の手を取ると、たった一言、「おまえはよく、ここに居てくれた」と仰って、息を引き取ったということです。

 中学生の頃は、何でもできて、格好よくて、修行もできる、二番目のお弟子さんがいいなと思ったものです。けれどそれから本当にお坊さんになり、なにがしかの修行もさせていただき、わずかながらの経験も積んだ今となっては、やっぱり三番目のお弟子さんが、一番すばらしいと思います。

「アジアのお坊さん」本編の最新ページ、韓国坊主頭紀行 3を是非ご覧下さい!!

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