アジアのお坊さん 番外編

ホームページ「アジアのお坊さん」の番外編です!!

全体表示

[ リスト ]

般若心経に「五蘊皆空」(ごうんかいくう)という言葉がある。「五蘊」とは「色受想行職」のことで、「行」は「意志」などと解説されるが、サンスクリットでは「サンスカーラ」、パーリ語では「サンカーラ」で、英語はこの場合、 volitions などと訳される(繁雑になるので、サンスクリット、パーリ語のローマ字表記は省きます)。

日本の仏教書はサンスクリット語主体で書かれていることが多いが、テーラワーダ(上座部)仏教ではパーリ語を使うので、お経の中でも「サンカーラ」という言葉が、よく出て来る。

「諸行無常」は、パーリ語で「サッベー・サンカーラ・アニッチャ」だが、この場合の「行」は「この世の全ての存在」などと解説され、英語では、conditioned things などと訳される。

「サンカーラ」という言葉は、大変に広い意味を持ち、その概念が日本人には、なかなか掴みにくいが、「佛教語大辞典」(中村元 監修・東京書籍)の「行」の項目には、大変に詳しい説明がある。

「行」は、形成力、および形成された物という2つの意味を併せ持ち、「意志」と訳される場合も、「意志的形成力」というニュアンスだとのこと。

ちなみに、私はこの辞書を、三橋ヴィプラティッサ比丘から譲り受けたのだが、三橋師が訳された「観息正念」(プッタタート比丘著)PDF版34頁において「サンカーラ」を解説している箇所を見ると、三橋師がこの辞書を参考にしながら「形成力」という日本語を使って翻訳を進められた苦心の跡が、よく伺える。

また、同じく三橋師が訳されたプッタタート師の「仏教人生読本」PDF版41頁以降に「五蘊」の解説があるが、ここで「行」は「意志」ではなく、「活動的思考」と訳されているから、その意味するところを、何とか自然に汲み取れるようにと工夫されたのだと思う。

インターネットなどを見ると、一般の方の仏教ブログでも、よくこんな繁雑な教理を勉強しておられるなあと思うほど、詳しく勉強しておられる方が多いことに、いつも感心するのだが、私などはいまだに「サンカーラ」の周りをうろうろだ。
 
その言葉のニュアンスが掴めないと、折角の仏教の修学が、受験勉強と同じで、ただの丸暗記になってしまうから、「サンカーラ」一つでも、意味を体得するには、絶え間ない学習と瞑想が必要だと思って、自分の心の整理のために、こうして覚え書きを書かせて頂きました。


※お知らせ※
タイの高僧プッタタート比丘の著作の
三橋ヴィプラティッサ比丘による日本語訳CD、
アーナパーナサティ瞑想の解説書「観息正念」、
並びに仏教の要諦の解説書「仏教人生読本」を入手ご希望の方は
タイ プッタタート比丘 「仏教人生読本」「観息正念」改訂CDーR版 頒布のお知らせをご参照下さい。

ホームページ「アジアのお坊さん」本編も是非ご覧ください!!

この記事に


.


みんなの更新記事