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アジアのお坊さん 番外編
ホームページ「アジアのお坊さん」の番外編です!!

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・アジアのトイレ事情についての記事を何度か書かせて頂いたことがあるのだが、これをお寺のトイレの話に特化したら「ホームページ アジアのお坊さん本編 」の新しいテーマになるのではと思って、メモを作ってみることにした。

・禅語が禅宗より古い宗派に逆輸入される例はしばしばあるが、お寺のトイレを東司(とうす)と呼ぶのは禅宗だけで、他の宗派では使わないようだが、「東司」という言葉の由来を調べてみると、なかなかに面白い。

・日本の各宗派のトイレの男女の区別の表示に、「善男子」「善女子」と書いてあるところがある。また、お寺のトイレ内の「清潔に使いましょう」という表示には、どんなものがあるか、気になって、あちこちの本山などをわざわざ訪ねて行って確認したことがある。いくつか採集したデータを整理してみたい。

・海外の寺院の例。タイのお寺のトイレには、水浴び(アップ・ナム)ができる個室の付属している所が多い。台湾でも法鼓山桃園別院の斎明寺のトイレには、シャワーがあった。
また、苗栗県の九華山には多数の参拝者が利用できる巨大なトイレがあったので、これらの写真もホームページには入れたい。

・その他、インド由来のテーラワーダ仏教における、用を足す時の戒律、中国由来の日本の天台宗や禅宗におけるトイレに入る際の作法、プラユキ・ナラテボー師が副住職を務めるタイ・チャイヤプーム県のワット・パー・スカトー寺院で私がお手洗いを借りた話など、色々なネタを1ページにまとめて仕上げらればと思っていますので、どうぞ気長にお待ちくださいます様、よろしくお願い致します。

バックパッカー気質

旅行人掲載「バックパッカーのためのアジアお坊さん入門」を全面リニューアルした「リニューアル版 ホームページ アジアのお坊さん本編 」も是非ご覧ください!

ここにおりました一人の男、アジアのあちこちを旅している内にインドに住みとうなって、小さな日本食レストランを開いたという日本人でございます。知り合いのインド人に名義を借りて、ビザの関係で日本とインドを往復する結構な暮らしなんですが、どういうわけかやってまいります客にややこしい奴が多い。大体がバックパッカーの中にはどんだけ長いこと旅してるかとか、少ない荷物や所持金で旅してるかとか、つまらんことを自慢するやからが多いんやそうですが、近頃はまあ、昔のことを思たらごく普通の若者がアジアを旅するようになってまいりました、それでもまだまだこの世界にはくせもんが多いようでして。
客A「こんにちは」
店主「いらっしゃい、何しましょ?」
客A「うん、ちょっとメニュー見せてんか。うん、わしも長いこと旅してるやろ。自分から日本人らしさ、いうもんがどんどん消えて行くねんなあ、これが」
店主「長いって、どれくらい旅行してはるんですか?」
客A「旅行やないねんなあ、これが。旅やねん。わしはツーリストやのうて、トラベラーやねんから、一緒にせんとってほしいねんなあ、これが」
店主「へえへえ、ほんでお宅はどれくらい旅してはるんですか?」
客A「かれこれ3ヶ月になるかなあ、中国からチベットからみな越えて来たやろ? 陸路でチベットからネパールへ抜けた時いうたら、そらもう…」
店主「なんや、たったの3ヶ月かいな、もう我慢でけへん、お客さん、そんなしょうもない話どうでもええさかい、はよメニュー選んどくなはれ!」
客A「こら、客に向かって何ちゅう言い種や、それでもあんた日本人か!」
店主「なんや、話に一貫性がないやっちゃで、出て行け、どあほ! 塩撒いたろ、塩。あれ、また誰か来たで。今度の日本人は自転車に乗って来たで」
客B「こんにちは、ぼく、コルカタから自転車で来たんで今日泊めてくださいね」
店主「何です? ここは食堂で宿泊設備はおまへんねん」
客B「しゃあけど、ぼく、自転車なんですよ」
店主「いや、自転車やろうがスケボーやろうが、泊まられへんもんはしょうがおまへん」
客B「あかんねんなあ、日本人は。ぜったい日本人的感覚、捨てられへんねんなあ。タイの商社マンとかもみんなそうやったからなあ。インド人は自転車で巡ってるいうたら、どこでもめちゃめちゃ親切やったのになあ」
店主「こいつも塩撒いた方が良さそうやな。出て行け出て行け。人のお情けに頼らな旅でけへんねんやったら、自転車でアジア旅行なんかすなっちゅうねん」
客C「すんません、開いてますか?」
店主「あれ、ちょっとまともな奴が来たかいな。はい、いらっしゃい」
客C「このカツとじ定食ください。へえ、チキンカツの卵とじですか。焼きシイタケが添えたある。コルカタの中華街で干しシイタケが売ってますのん? おいしいなあ。おいしいけど、今日はもうここを出ていかなあかんねんなあ」
店主「出ていかなあかんって、あんた、一体どないしはったんですか?」
客C「いやね、そこに仏教のお寺があるでしょ? 私、境内で煙草吸うてたインド人に、こんなとこで煙草吸うなって、下手な英語で注意したんですわ。そしたらその男、ここはわしのおやじが毎日掃除しとる、わしらの国のことを日本人がえらそうに言うなって言い返して来たんです。野次馬はいっぱい来るし、怖なってここまで来たんです。でもね、その中でインド人の乞食のおじさんがね、私の顔見て何とも言えんやさしい顔で笑ったんです。きっとお前は正しい、わしはわかってるって言ってくれたと思うとそれだけが救いで…」
店主「いやあ、たぶん馬鹿にされてただけで…あ、あかん、この人、目に涙ためてはる…しゃあから境内で煙草吸うのがええか悪いかよりも、あんたが自分の行動を思い出して、格好よかったなって思えるか、格好悪かったなって何べん思い出してもイィーってなるか、いうだけのことで…」
客C「そうなんですよね。それなんですよね。あのおじさん、それが言いたかったんですよね。それがわかっただけでもインドに来た甲斐がありましたよね。おつりはいりません。ありがとうございました。さよなら」
店主「あーあ、行ってまいよった。いっこもわかっとらんようやな。あれ、あそこ通るのん、日本のお坊さんやな、お坊さん、どうぞお茶でも」
坊主「いやあ、お宅も大変ですな、いや、のどは渇いてませんので、どうも、おおきに」
店主「いや、お代はいりません、まあどうぞ、あ、それともお宅もインドに来たら日本食は絶対食わんというバックパッカーの奴らみたいに…」
坊主「いやいや、遣唐使 後は茶漬けを 恋しがり、いう川柳があるぐらいでっさかい、日本のもんが日本人の口に合うのは当然ですわ。ふうー、おいしいお茶で。ほな、私はこれで」
店主「あ、ちょっと待っとくなはれ。いや、お坊さんやからええ人ばっかりやないのはわかってます。団体でも個人でも日本の坊さんはやっぱり日本人でんな。こないだもここに日本の坊主が短パンにTシャツで訪ねて来て、ああ君はぼくがこんな格好やから坊さんやと信じられへんのやな、って言うから、そんな格好してるのが日本の坊主やという何よりの証拠やって言うたったら、その坊さん、筆ペンで紙にくるっと丸描いて、これを壁に貼っとき、君にもいつかわかるやろって言うて帰りましたが、どないですやろ?」
坊主「ああ、これですか、わしはまた子供の落書きかと思った。そうですな、禅坊主 無ゥーと言うては 丸を書き、いう川柳があるぐらいで、丸なら字が下手な坊主でも描けますさかい…その前の子ヤギに食わしてやりなはれ、ちょっとはその紙も世の中のお役に立ちますやろ」
店主「そうでっか、あ、ほんまにむしゃむしゃとよう食いよる。何や晴れ晴れしてきたな。いやね、私も元はバックパッカーやから皆の気持ちはわかるんですが、日本人にしろ、外国人にしろ、ええ人はええ人やし、悪い人は悪い人やと思いつつも、つくづく日本人はぱっとせんなあと…あ、もう行くんでっか、お代はよろしい言うのに、ああ、行ってしまわはった」
 この坊さん、物陰まで来たらため息ついて、
坊主「ふうー、やれやれ、今日は日本人に話しかけられたん、これで3回目や。ほんに日本人いうのは、うるそうてかなん」
                       おしまい。

                                               
      
改元に際して、「三種の神器」という言葉を耳にすることが多いのだが、例えば「平家物語」の「能登殿最期の事」によれば、壇ノ浦で海中から引き揚げられた、神器を納めた唐櫃を敵方が開けようとしたところ、「忽ちに目眩れ鼻血たる」という有様で、時忠が「凡夫は見奉らぬ事ぞ」とたしなめたとのことなのだが、かくの如く、神器の神威というものは、他に類のない強力さであると考えられた。

皇位の象徴である三種の神器と、伊勢の神宮の御神体である鏡や、熱田神宮の御神体である剣との関連については煩雑になるので、ここでは省くけれど、その意味合いはそれぞれ違えども、神器や御神体の神威、及びそれを成り立たせる人々の畏怖という点に関しては、どちらもその特質は同種の物だ。

例えば、熱田神宮から草薙の剣を盗み出そうとした新羅僧・道行が、難波の浦で暴風雨に合って剣を手放さざるを得なかったという伝説(ちなみにその地は「放出」(はなちて)と呼ばれ、現在、大阪難読地名として有名な放出(はなてん)の由来となった)や、石川五右衛門が水無瀬神宮の神剣を盗もうとして動けなくなり、目的を果たせなくなったという伝説も、御神体や神宝の威力を語るものだ。

八咫鏡や草薙の剣のように、非常に有名な神器が御神体になっている神社は日本にたくさんあるので、何例かを以下に列挙する。

・八咫鏡が鋳られる前の試作品の鏡が、和歌山の日前国懸神宮の御神体。

・八岐大蛇退治で大蛇を斬ったオロチノアラマサという剣は岡山の石上布都之御霊神社の御神体。ちなみにこの時、大蛇の尾から出て来たのが草薙剣。

・国生み神話に出て来る天沼矛(アメノヌボコ)は龍田大社に祀られている。

・大国主命の国譲り神話に出て来るクニムケシホコは奈良の大和神社に祀られている。

・奈良の石上神宮の神剣フツノミタマが祀られている。

・出石神社にはアメノヒボコ由来の八種神宝(やくさのかんだから)が祀られている。

ニギハヤヒノミコト由来の十種神宝(とくさのかんだから)の行方には諸説あり。

・海幸山幸神話の潮満つ珠・潮干る珠のその後の行方は定かではないが、神功皇后が海中の精霊、安曇の磯良から献上されたという干珠・満珠は、宇佐の高良神社に祀られている。


例えばキリスト教には、モーゼの十戒を納めた契約の箱(これに関する伝承は、様々な点で神器を納めた唐櫃の伝説を連想させる)や、聖遺物と呼ばれる、先日のノートルダム寺院の火災で難を逃れたイエス・キリストの荊冠、処刑後のキリストをくるんだトリノの聖骸布、磔刑のキリストを刺したというロンギヌスの槍などの信仰が存在するが、いずれも神威や信仰を成り立たせるものは、人々の崇敬や畏怖であるという点に関しては、共通だと思う。



坊主川柳 海外編

ブッダ
釈迦如来 まあまあまあと 施無畏印

インド 四大仏跡

誕生…ルンビニ
這えば立て 立てばと願う 暇もなく
(ブッダは生まれるとすぐに七歩あるいて「天上天下唯我独尊」と言ったそうだ)

成道…ブッダガヤ
おかわりを したい時分に 菩提樹下
(苦行をやめたブッダは尼蓮禅河で供養された乳粥を食べてすぐ、近くの菩提樹の下で悟りを開いた)

初転法輪…サルナート
真言も 弥陀も法華も 説かぬまま
(悟りを開いたブッダはヴァラナシ近郊の鹿野苑で最初の説法をした。大乗仏教が生まれる遥か以前のことだ。ここに仏教は始まり、そして後には世界中に広まった)

入滅…クシナガラ
西行の 願い涅槃に 程遠く
(自分もブッダ入滅の日に死にたいと思った西行法師は「願わくば 花の下にて 春死なん その如月の 望月の頃」と詠んだのだが、果たしてそれは是か非か)

ネパール カトマンズ クマリの館
いつまでも 斎(いつき)の宮の 御稜威(みいつ)かな
(荒廃した斎宮の館跡を詣でた西行法師の「いつかまた 斎(いつき)の宮の 斎かれて 注連の御内に 塵を払はむ」という歌を踏まえて)
 
タイ 安居入り(カオパンサー)
スコールの 滝に籠るや 夏の初め
(芭蕉の「しばらくは 滝に籠るや 夏の初め」という句は夏安居(雨安居)入りを踏まえているが、その原型であるインドや東南アジアの雨安居入りは本当に雨期の到来と共に始まる)


「タイ佛教修学記」というホームページの管理人のI氏から、タイで出版された不浄観に関する図版入りの書籍を送って頂いた。

タイでの出家経験もあるI氏は、現在は還俗し、テーラワーダ仏教の布教や瞑想会の開催に勤めておられる有徳の仏教者の方であり、折に触れ、私のような一介のスタスタ坊主のささやかな法務を、何かと応援して下さる真の意味での善友だ。

さて、タイでは不浄観の瞑想はごく日常的で、死体そのものや、死者の写真などを目前に観察することは、諸行無常の真理を体得する有効な手段として、今も頻繁に活用されている(詳しくはI氏の「タイ佛教修学記 不浄観についての追記」をご参照ください)。

プラユキ・ナラテボー師の単著処女作である「気づきの瞑想を生きる」や、同じく日本人上座部僧である落合マハプンニョ師の「テーラワーダ仏教の出家作法」などにも詳しく解説されている通り、不浄観はブッダ以来の由緒ある修行方法だ。

プラユキ師は「気づきの瞑想を生きる」の中で、「不浄観」という言葉自体はちょっと微妙であるけれど、という点についても述べておられるが、それはともかく、I氏が送って下さった書物のカラー図版を眺めつつ、なるほど、一見特異な方法に見えるこの修行方法が、確かに明らかに、心を安らかに平らげることを実感させて頂いた。

タイの不浄観のことを知識や情報として知っていただけの私に、そのことを気づかせて下さったI氏に感謝申し上げると共に、この件を人に伝える連絡メールを、誤ってプラユキ師に送信してしまい、「間違いだったかな?」 という慈悲に溢れたご返信を下さったことで、師と久々にご連絡できたことも却って嬉しく思い、プラユキ師、I氏という貴重な善友のお二人と新たなご縁が生じたことに、改めて感謝させて頂いている次第です。

                          合掌


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