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アジアのお坊さん 番外編
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エコと気づきと節電と

 日本のお寺での修行中、風呂の湯ひとつ使うのにも気をつけるように、洗面器一杯の水で洗顔のすべてを済ます禅僧に比べれば、我々はまだ贅沢なのだからと教えられた。戸の開け閉め、廊下の歩き方、食材を隅々まで無駄にしないこと、それこそ箸の上げ下ろしに至るまで細かく躾けてもらったが、戸を静かに閉めること自体は徳の高い行為ではなく、その瞬間、瞬間に気をつけること(sati)が大事だと理解できたのは、それよりずっと後のことだ。

 地球の温暖化が急速に進む中で、エコという言葉を耳にしない日はないが、たとえばごみを分別し、エコバッグを持参し、水道の栓を小まめに閉めることが、温暖化にとって何ほどの抑止になるのかという意見は根強い。

 同じように原発事故後の今、節電が叫ばれる中、コンセントから小まめにプラグを抜くような個人の小さな努力や心がけが、何ほどの節約になるのかと考える人もまた、後を絶たない。

 だがエコロジーすなわち地球の生態系が、もはや人間の社会を抜きにしては存在し得ないのならば、小さな気づきの一つ一つ、人間の意識の改革こそが温暖化防止の重要な要素でなくて何だろうか。

 そしてまた、私たちの気づきに基づいた小さな節電の積み重ねが、電力を始めとするいろんなエネルギーを含めた自然環境をきっと改善し、同時にまた私たちの気づきをも増幅させるのだから、正に我ら人間は、禅の修行の如く、satiの瞑想の如くにごみを分別し、コンセントからプラグを抜き続けるべきなのだ。



※2008年11月19日の記事を改稿しました。

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