全体表示

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全5ページ

[1] [2] [3] [4] [5]

[ 次のページ ]

  日中友好・アジア諸国と連帯へ…歴史の歪曲を正す五族協和を夢想した石橋湛山
         (原題「歴史教科書・戦争美化の系譜」)
侵略戦争を美化する歴史教科書の系譜と作為
                        木下 眞治
       郡内近代史研究会報  №49 2009.10
 
第三章、藤岡氏の「自由主義史観」と石橋の戦時資料  

◇はじめに……………………………………………………………………‥… 11

1、戦前の「自由主義思想」をめぐる石橋湛山との急接近………………11

2、「モザイク史観」が取り持つ「大東亜戦争肯定史観」………………12

3、「昭和の戦争」に触れない「司馬史観」批判は本当か?……………13

4、石橋の「国体護持」の主張に共鳴した藤岡氏の信念…………………13

5、現代の視点から「数量データー」利用は失敗の例……………………14

6、石橋の「数量データー」から侵略戦争善政論は生まれない…………14

7、藤岡氏の「数量データー」利用の真意と国家戦略……………………15

8、「リベラリスト・石橋」の真意はどこにあるのか…………………16

9、大正期・「小国主義」の源流、石橋の思想とマルクス評……………16

10、「つくる会」教科書は国民不在、3国共同編集の「歴史」に学ぶ……17

 
・・・・・・・まえがき・・・・・・・・
 
200212月、中国残留孤児が「人間回復」を願って全国で訴訟を開始。以来、支援活動を通じて残留孤児の皆さんと交流してきました。ある日、餃子を囲んでの食事会のあと「日本に帰ってきて、心から笑ったのは初めてです」と話していました。
また、ある孤児婦人は「周りは死んだ大人たちの血の海で泣いていました」と養父母の愛情に感謝しながら「日本では戦犯といわれた人が政治家になっている。戦争を『濡れ衣』という人までいる。分からないことだらけ」と話していました。
一体、アジア太平洋戦争がなぜ起こったのか、その責任は。未解決問題が山積しています。
同じ敗戦国ドイツが戦争責任についてヴァイツゼッカー大統領(当時)が敗戦40周年の連邦議会で「過去に目を閉ざすものは結局のところ現在にも盲目となります。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、またそうした危険に陥りやすい」(1985)と演説しました。日本の戦争責任にも及ぶ教唆に富むものです。
ドイツの戦争責任の追及は「戦争犯罪に時効はない」(1968年「国連決議」)と徹底したもので、今年、ナチス政権下の「国家反逆罪」で有罪とされた人々の名誉回復の新法が制定されました。スペインで「歴史の記憶法」が制定されています。
アメリカのオバマ大統領が日本のヒロシマ、ナガサキへの原爆投下について「核兵器を使用した唯一の国として‐核兵器廃絶に向けて‐行動する道義的責任がある」(2009)と宣言しました。
被爆国・日本が為すべきことは一つしかないのは明らかだと思います。ところが、日本の政治、歴史研究分野で、この世界のうねりを嫌悪し、歴史の進歩に逆らう勢力が跋扈(ばっこ)しています。明治以来の日本の戦争の歴史を「濡れ衣」とする戦争賛美の横行を許さない活動、何よりも「戦争放棄」(9条)の憲法を、日本の政治と暮らしに生かすことを願う次第です。
                      2009101日    木下 眞治
 
第三章、藤岡氏の「自由主義史観」と石橋の戦時資料
 はじめに
「つくる会」の歴史教科書の具体的な記述、表記にもとづいて自版、扶版と他社との比較、自・版、扶・版それぞれの相対的比較を検討しました。両教科書の戦争賛美、歴史認識での変化の概略は深められたと思います。
特に、前回の歴史教科書の文科省検定及び全国的採択の結果、「つくる会」の敗北が明らかとなり、同会は分裂の事態を生みました。藤岡信勝氏らによる自由社版・教科書は、扶・版になかった「アジア解放」の戦争目的を付加し、「大東亜戦争」自体を、「日本の戦争を侵略とするのは濡れ衣」(前掲・田母神元空幕長)と同様の歴史認識へ後戻りさせました。また戦後世界の民族解放、独立の前進方向は、この世界大戦の目的のうちに具現化したものであったとする「先見性」を誇示する挙に出てきました。一体、この4年間に藤岡氏の歴史認識を中心とする思想的変遷・「心変わり」が那辺にあったのかを検討することが不可欠に思われます。
1、戦前の「自由主義思想」をめぐる石橋湛山との急接近
藤岡氏の「歴史教科書」との係わりは、前掲・山田氏の著書『歴史修正主義・・・』に詳しく紹介されていますが、藤岡氏自身は最近の文書でその動機を次のように述べています。
新しい歴史教科書をつくる会が発足したのは今から12年前(1997)でした。・・・(当時)「従慰安婦の強制連行説中学校用の歴史教科書のすべてに新たに入り込むなど、・・・「自虐史観」の横行は目に余るものがありました。 (藤岡・「日本は教科書で立ち直る」(『つくる会』HP・2009年6月)
すでに藤岡氏が中心となって結成していた「自由主義史観研究会」(1995)の「近現代史の授業改革」の実践活動として産経新聞、読売新聞などの後押しで「教科書が教えない歴史」の大々的宣伝と結んで『新しい歴史教科書』(2003年・扶桑社)を発行、この「敗北」の経験から今回の『新編 新しい歴史教科書』(自由社発行)に至りました。(「『文芸春秋』19972月号より)
藤岡氏は、歴史教科書に先立って結成した「自由主義史観研究会」の目的について、「あの戦争は避けることが出来なかった。…その可能性・現実性を追究する」に続き、「戦前の自由主義者の掲げていた方針が、相対的には日本の安全と繁栄に最も有利な政策ではなかったか」と位置づけ、「戦前の自由主義」について「具体的には石橋湛山」を指していることを明かにして、自身の思想・歴史観の立脚点を率直に語っています。(同前)
2、「モザイク史観」が取り持つ「大東亜戦争肯定論」
それでは、「自由主義史観」論者の藤岡氏と石橋湛山との接近はどこにあったのでしょう。
藤岡氏が「自由主義史観研究会」を発足させた当時、戦争観・歴史観といえば、戦前の日本軍国主義による侵略戦争、植民地支配に反対、あるいは反対しないまでも批判的な状況にありました。戦後の体制については「戦争放棄」を柱とする憲法を擁護する世論が一定の力を維持しつづけていました。教科書に関しては「家永訴訟」や「沖縄集団自決」問題、「従軍慰安婦」問題が教科書にも掲載される状況でした。一方で憲法改悪、安保繁栄論を柱に「大東亜戦争肯定史観」、「自虐史観」の攻勢も執拗に続いていました。そこへ「南京虐殺事件」に対する責任回避や歴史的事実を隠蔽する歴史認識が政府・文部省の「検定」によっていっそう歪められようとしていました。当然、中国や韓国から厳しい批判の声があがり、政府は検定の基準を次のように条件をつけました。
近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること。
しかし実際の教科書は朝鮮などの植民地支配や戦争責任問題の記述が縮小、削除される方向が強まりました。
この戦前復古の風潮の中心に歴史認識問題が浮上、「大東亜戦争肯定論」と「司馬(遼太郎)史観)を源流とする「自虐史観」論争でした。この時点で藤岡氏は、石橋湛山に傾倒しつつも「大東亜戦争肯定論」や「自虐史観」と異なる「第3の道」を模索していた状況にありました(前掲・山田氏)。    
「第3の道」といっても、藤岡氏に確たる思想や哲学などの原理的体系はなく、紆余曲折の遍歴の末に辿り着いたのが、「大東亜戦争肯定論」「東京裁判史観」「自虐史観」などを雑多に繋ぎ合わせた「モザイク史観」とでも言う他ない歴史体系でした。
この時期の藤岡氏について山田朗氏は次のように述べています。
・・・確かに藤岡氏の所論は、多くの歴史学研究者にとっては、当初より何とも怪しげに感じられた。藤岡氏の議論が、都合のよいものは、小説家・司馬遼太郎の『坂の上の雲』でも外交官・岡崎久彦氏の戦略論でも何でも使うというモザイク性と、『大東亜戦争=自衛戦争論』『南京大虐殺まぼろし論』など戦後歴史学が克服してきた戦争弁明・肯定史観の類をあたかも新しい論議であるかのように取り扱って、それらを自説に取り込んでいる点に大きな原因があった。(前掲書・『歴史修正主義の克服』)
3、「昭和の戦争」に触れない「司馬史観」批判は本当か?
藤岡氏の、この「モザイク史観」ともいえる「自由主義史観」は、この後、「自虐史観」の母体となっている「司馬史観」が明治期の戦争、国家体制を肯定的に描くのに対し昭和期の戦争には批判的、否定的であるとして表面的には「決別」することになりました。一方で、当初は全面否定でなかった「南京大虐殺」について「従軍慰安婦」問題での共同闘争の必要性から「大東亜戦争肯定論」者らに引き込まれる状況となりました。最終的には、明治時代から今日に至る対外侵略戦争、膨張戦略の連続性、「大東亜共栄圏」「満蒙生命線」論を規範とするような「国家戦略」の必要性、そしてこれらを体系だった「自由主義史観」に仕上げる方法論としての「数量データーの利用」(上田氏)に一身を預けることになりました。
この最後の「数量データー」は、石橋湛山が大正末期から昭和初期にかけて日本に紹介されたアダムスミスやケインズの近代経済学を日本流の自由主義経済理論の「体系」に仕立て上げたものです。藤岡氏が石橋の主張を「日本の安全と繁栄に最も有利な政策」と見た経済体系です。藤岡氏は、これこそこれまでの歴史観の弱点を補う集大成と見込んで、自身が主張する「自由主義史観」を体系に装う一大発見としたのでしょう。これまでの「モザイク史観」では、物足りない、裏付けとなる、時々の評価で変化しない数的、物的資料となるものを捜し求めてきたのでした。
4、石橋の「国体護持」の主張に共鳴した藤岡氏
先に述べた「自由主義史観研究会」の目的の前段で藤岡氏は次のように述べています。
近代日本がおこなった戦争の評価については、日本だけが悪かったとする『東京裁判史観』も、日本は少しも悪くなかったとする『大東亜戦争肯定史観』もともに一面的である                                       
(前掲「『文芸春秋』19972月号)
一見すれば「東京・・・史観」「大東亜・・・史観」を否定するかのようにも見えますが、それぞれの史観は、「日本だけが悪かった」「日本は少しも悪くなかった」とする藤岡氏の「戦争の評価」に対応するものでないことは明白です。都合のいい設定で対象物を否定するのは自家撞着、論理矛盾もいいところです。コーヒーを飲みながら「お茶の味がしない」と言っているに過ぎません。
しかし、藤岡氏の「モザイク史観」にとって石橋の「数量データー」は、打ってつけの最良の資料となったようです。それは、石橋自身が、戦前、戦後にわたって自らの思想体系をことあるごとに「自由主義思想」と論述、戦後になって公職追放中に「自由思想協会」を設立、「趣旨書および規約」を発表しています(1957)。藤岡氏が今回の歴史教科書発行の社名を「自由社」とし、研究会名を「自由主義史観」とした由来はこの辺りにあるのかも知れません。
石橋は、1945年、ポツダム宣言の無条件降伏を受諾、戦争終結に当たっていち早く声明を発表しました。石橋は、植民地経済と戦時経済を担う官職にあったことも忘れたとでも言うのでしょうか。次の文書は終戦から10日後に発表したものです。
(日本政府の『ポツダム宣言』無条件受諾に当たって)・・・辱(かたじけな)くも、御上一人のご聖断は神の如く、一切の論議を止揚し、戦争は終結された。而して今や万民心一にして、更生日本の建設に邁進し得るの恵に浴することになった。
(政府は)この際は仮令(たとい)一時如何なる屈辱を忍ぶも停戦の勇断に出ねばならぬ。・・・国民の苦難はとにかくとして、・・・国体護持に勇往すべし・・・。
(「社論・更生日本の針路」『東洋経済新報』1945825)
石橋が、どのような形であれ「天皇制」を残す「国体護持」を要求したことは明らかです。
藤岡氏が石橋の「数量データー」を自己の「自由主義史観」に取り入れる以上に、この「国体護持」を柱とする日本の再建の道に「前途洋々たるものもののあること必然」とする石橋の思想、歴史観に共鳴したことがうかがえます。
5、現代の視点から「数量データー」利用は失敗の例
藤岡氏は、石橋湛山に傾倒し、自らの「自由主義史観」を確立する前提に「私(藤岡)が受けてきた思想的な影響が反映」されたものとして「戦前の自由主義者・・・具体的には石橋湛山」と名前まであげて告白しています。そして「自由主義史観」の方法論の基本としたものが石橋の「数量データー」であることは前に述べた通りです。(前掲・藤岡「われを軍国主義者とよぶなかれ」『文藝春秋』19972月号より)
【歴史のQ&A】
   第次世界大戦と日本世界
    分割支配めざした3国同盟
 
 
 
 
 
 
 
 
   ナチス・ヒトラーの世界分割・制覇を
  「世界公認」と賞賛したヒトラー信奉者 の系譜
  イメージ 3
 
【靖国神社前で日独伊三国同盟条約調印の祝賀パレード・1940年】
 イメージ 2
 
ソ不可侵条約がバルト・3国とポーランド分割支配へ
第二次世界大戦の契機に 第5 1、第二次世界大戦の開始
ヒトラーとスターリンのポーランド、バルト三国など北欧分割・支配が第二次大戦の契機に
1939年9月1日、ドイツ軍がポーランドへの進攻を開始、93日に英仏は対独宣戦布告、第二次世界大戦が始まった。917日にはソ連がポーランドへ侵入し、23日にはドイツとソ連でポーランドを分割した。
独ソ不可侵条約(注①)には、独ソのポーランド分割とバルト三国のソ連勢力圏編入が書き込まれていた。独ソ不可侵条約はコミンテルン第7回大会(注②)の提起する反ファッシズム人民戦線を闘っていた人々に大きな打撃を与えた。ファッシズム国と社会主義国の同盟であったからである。**(注①:ドイツ・ヒトラー、ソ連・スターリン。この時のコミンテルン書記長・デミトロフ)(注②:コミンテルン書記長・デミトロフ)
ソ連・スターリンが「反ナチス」口実に 虐殺、暴政
ソ連は第二次世界大戦の受動的な客体でなく能動的な主体であった。さらにポーランドのカチンの森における万単位のポーランド将校の虐殺とバルト諸国におけるソ連併合反対の民族主義者の虐殺など、第二次世界大戦のソ連勢力圏において他民族の支配抑圧が存在したことがスターリン体制の罪悪として近年ソ連政権によって公式に認められた。ソ連自体も第二次世界大戦中に帝国主義といってもよい他民族への侵略を行ったのである。
出典:『日本の歴史⑳アジア太平洋戦争』(集英社1993年)
 
昨年夏(2013年)、麻生太郎副総理(財務大臣・元首相)が「ナチスに学べ」と憲法改悪への本音を口にしました。麻生氏は国民が気づかぬうちの改憲へ、歴史にない「ナチス憲法」とウソをついてナチスの手口にまで踏み込んでヒトラー・ナチスを賞賛しました。
第二次世界大戦が、当時のナチス・ドイツとスターリン・ソ連の「独ソ不可侵条約」にもとづくポーランド、バルト三国の分割占領を契機に始まったことは世界史の定説。その1年後にヨーロッパ戦争と日本の大東亜戦争を一つにして世界制覇をめざしたのが日独伊3国同盟条約でした。
1、 欧州とアジアの戦争を結びつけた3国同盟
ドイツとソ連が「不可侵条約」を結んだのは1939年、日独伊3国同盟は翌年の1940年でした。
 三国同盟条約は、ドイツ・イタリアが欧州での「新秩序建設への指導的地位を認める」(第一条)、「日本国の大東亜に於ける新秩序に関し指導的地位を認める」(2)と、日独伊による欧州、アジアでの指導権を相互に認めたものでした。第3条では3国の欧州戦争、日本の大東亜戦争へ「政治的、経済的及び軍事的に相互に援助」を協定、2つの戦争を1つの世界大戦にしたのでした。日本の対米英戦争は翌(1941)で、真珠湾攻撃の際、ナチス・ドイツは「東アジアでは日本国民がアングロサクソン(米英のこと)に打撃また打撃を加えている」と歓喜したのでした。
 
2 アジア支配権を「世界公認」と主張した言論人
国同盟が相互に認めた大東亜戦争は、日本のアジア支配のための戦争であり、柳条湖、盧溝橋事変、南京虐殺事件を含むアジア全域への戦争拡大を進めるものでした。独ソ不可侵条約を巡って「欧州情勢複雑怪奇」(平沼首相)として平沼(騏一郎)内閣は総辞職しました。日独伊3国条約の公式記録は戦後、隠滅、破棄され詳細は不明のままです。その中で独ソ接近を「ドイツとしては当然打つべき手」とヒトラーを弁護、当然視して喜んだのが戦後首相になった言論人・石橋湛山でした。石橋は、ヒトラーの世界戦略(「世界的にアーリア人種の天下形成」)をナチス登場以来一貫して賛美、3国同盟(条約)が締結されたことで「日本の東亜支配権は世界公認」(英文『東洋経済新報』)と公言したのでした。日独伊の海外侵略戦争を「世界公認」と公言したのは石橋湛山元首相だけで、大政翼賛政治に加担しました。
3、 欧米諸国から批判、石橋の「東亜支配の権利」
麻生氏が憲法改悪の意図から公言した「ナチス憲法」のウソは明白ですが、独ソ不可侵条約の前年まで駐英大使だった祖父・吉田茂(元首相)の政治経歴やナチスドイツ史を知らないはずはありません。戦後、第一次吉田内閣で石橋を大蔵大臣に招請したのも英語に堪能な吉田が石橋の「世界公認」の主張を知っていたからでした。吉田内閣の大蔵大臣に就任した石橋でしたが戦後、英文の記禄から「世界公認」の事実が発覚、GHQの指摘を受け吉田内閣は石橋を大蔵大臣罷免・公職追放処分にしたのでした。【別項・資料】  
 石橋の公職追放は、戦後の閣僚就任や対米交渉には無関係で、石橋の戦前の言論、政治的発言に限ったものでした。石橋の日独伊の侵略戦争「世界公認」論は、欧米向け英字紙に載ったため日本では公表されませんでした。石橋は同弁駁書で、「世界公認」論を、欧米各国が「不快を抱くかもしれない」と前置きして3国同盟の「大東亜に於ける新秩序に関し指導的地位を認める」(2)を繰り返しただけでした。
欧米諸国は、日本のアジア支配の指導的地位を「自然的権利」と理解
しました石橋はこの「自然的権利」については天賦人権論の「天賦」と同様に理解したのです。天賦人権論は、「人間は生まれながらにして自由、平等であり幸福を追求する権利」であり、石橋はアジア支配権を国家、民族・人種の支配・被支配の特権と論じたのでした。20世紀の時代に国家間、民族間に支配と被支配の関係があろうはずもなく、石橋は、神国日本、国家主義を体現したのです。
日独伊3国同盟から73年、麻生氏の「ナチスに学べ」は、ナチスの手口の教本にとどまらず、アジア支配の特権を現代社会に要求する国家主義思想の復活でしかありません。
イメージ 1
                      【2013年10月 記】

【特定秘密保護法 全文】 「東京新聞」2013年12月15日(TOUKYOU web)

成立した特定秘密保護法の全文は次の通り。
 第一章 総則
 (目的)
 第一条 この法律は、国際情勢の複雑化に伴い我が国及び国民の安全の確保に係る情報の重要性が増大するとともに、高度情報通信ネットワーク社会の発展に伴いその漏えいの危険性が懸念される中で、我が国の安全保障(国の存立に関わる外部からの侵略等に対して国家及び国民の安全を保障することをいう。以下同じ。)に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものについて、これを適確に保護する体制を確立した上で収集し、整理し、及び活用することが重要であることに鑑み、当該情報の保護に関し、特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定めることにより、その漏えいの防止を図り、もって我が国及び国民の安全の確保に資することを目的とする。
 (定義)
 第二条 この法律において「行政機関」とは、次に掲げる機関をいう。
 一 法律の規定に基づき内閣に置かれる機関(内閣府を除く。)及び内閣の所轄の下に置かれる機関
 二 内閣府、宮内庁並びに内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項及び第二項に規定する機関(これらの機関のうち、国家公安委員会にあっては警察庁を、第四号の政令で定める機関が置かれる機関にあっては当該政令で定める機関を除く。)
 三 国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項に規定する機関(第五号の政令で定める機関が置かれる機関にあっては、当該政令で定める機関を除く。)
 四 内閣府設置法第三十九条及び第五十五条並びに宮内庁法(昭和二十二年法律第七十号)第十六条第二項の機関並びに内閣府設置法第四十条及び第五十六条(宮内庁法第十八条第一項において準用する場合を含む。)の特別の機関で、警察庁その他政令で定めるもの
 五 国家行政組織法第八条の二の施設等機関及び同法第八条の三の特別の機関で、政令で定めるもの
 六 会計検査院
 第二章 特定秘密の指定等
 (特定秘密の指定)
 第三条 行政機関の長(当該行政機関が合議制の機関である場合にあっては当該行政機関をいい、前条第四号及び第五号の政令で定める機関(合議制の機関を除く。)にあってはその機関ごとに政令で定める者をいう。第十一条第一号を除き、以下同じ。)は、当該行政機関の所掌事務に係る別表に掲げる事項に関する情報であって、公になっていないもののうち、その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要であるもの(日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法(昭和二十九年法律第百六十六号)第一条第三項に規定する特別防衛秘密に該当するものを除く。)を特定秘密として指定するものとする。ただし、内閣総理大臣が第十八条第二項に規定する者の意見を聴いて政令で定める行政機関の長については、この限りでない。
 2 行政機関の長は、前項の規定による指定(附則第五条を除き、以下単に「指定」という。)をしたときは、政令で定めるところにより指定に関する記録を作成するとともに、当該指定に係る特定秘密の範囲を明らかにするため、特定秘密である情報について、次の各号のいずれかに掲げる措置を講ずるものとする。
 一 政令で定めるところにより、特定秘密である情報を記録する文書、図画、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録をいう。以下この号において同じ。)若しくは物件又は当該情報を化体する物件に特定秘密の表示(電磁的記録にあっては、当該表示の記録を含む。)をすること。
 二 特定秘密である情報の性質上前号に掲げる措置によることが困難である場合において、政令で定めるところにより、当該情報が前項の規定の適用を受ける旨を当該情報を取り扱う者に通知すること。
 3 行政機関の長は、特定秘密である情報について前項第二号に掲げる措置を講じた場合において、当該情報について同項第一号に掲げる措置を講ずることができることとなったときは、直ちに当該措置を講ずるものとする。
 (指定の有効期間及び解除)
 第四条 行政機関の長は、指定をするときは、当該指定の日から起算して五年を超えない範囲内においてその有効期間を定めるものとする。
 2 行政機関の長は、指定の有効期間(この項の規定により延長した有効期間を含む。)が満了する時において、当該指定をした情報が前条第一項に規定する要件を満たすときは、政令で定めるところにより、五年を超えない範囲内においてその有効期間を延長するものとする。
 3 指定の有効期間は、通じて三十年を超えることができない。
 4 前項の規定にかかわらず、政府の有するその諸活動を国民に説明する責務を全うする観点に立っても、なお指定に係る情報を公にしないことが現に我が国及び国民の安全を確保するためにやむを得ないものであることについて、その理由を示して、内閣の承認を得た場合(行政機関が会計検査院であるときを除く。)は、行政機関の長は、当該指定の有効期間を、通じて三十年を超えて延長することができる。ただし、次の各号に掲げる事項に関する情報を除き、指定の有効期間は、通じて六十年を超えることができない。
 一 武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物(船舶を含む。別表第一号において同じ。)
 二 現に行われている外国(本邦の域外にある国又は地域をいう。以下同じ。)の政府又は国際機関との交渉に不利益を及ぼすおそれのある情報
 三 情報収集活動の手法又は能力
 四 人的情報源に関する情報
 五 暗号
 六 外国の政府又は国際機関から六十年を超えて指定を行うことを条件に提供された情報
 七 前各号に掲げる事項に関する情報に準ずるもので政令で定める重要な情報
 5 行政機関の長は、前項の内閣の承認を得ようとする場合においては、当該指定に係る特定秘密の保護に関し必要なものとして政令で定める措置を講じた上で、内閣に当該特定秘密を提示することができる。
 6 行政機関の長は、第四項の内閣の承認が得られなかったときは、公文書等の管理に関する法律(平成二十一年法律第六十六号)第八条第一項の規定にかかわらず、当該指定に係る情報が記録された行政文書ファイル等(同法第五条第五項に規定する行政文書ファイル等をいう。)の保存期間の満了とともに、これを国立公文書館等(同法第二条第三項に規定する国立公文書館等をいう。)に移管しなければならない。
 7 行政機関の長は、指定をした情報が前条第一項に規定する要件を欠くに至ったときは、有効期間内であっても、政令で定めるところにより、速やかにその指定を解除するものとする。
 (特定秘密の保護措置)
 第五条 行政機関の長は、指定をしたときは、第三条第二項に規定する措置のほか、第十一条の規定により特定秘密の取扱いの業務を行うことができることとされる者のうちから、当該行政機関において当該指定に係る特定秘密の取扱いの業務を行わせる職員の範囲を定めることその他の当該特定秘密の保護に関し必要なものとして政令で定める措置を講ずるものとする。
 2 警察庁長官は、指定をした場合において、当該指定に係る特定秘密(第七条第一項の規定により提供するものを除く。)で都道府県警察が保有するものがあるときは、当該都道府県警察に対し当該指定をした旨を通知するものとする。
 3 前項の場合において、警察庁長官は、都道府県警察が保有する特定秘密の取扱いの業務を行わせる職員の範囲その他の当該都道府県警察による当該特定秘密の保護に関し必要なものとして政令で定める事項について、当該都道府県警察に指示するものとする。この場合において、当該都道府県警察の警視総監又は道府県警察本部長(以下「警察本部長」という。)は、当該指示に従い、当該特定秘密の適切な保護のために必要な措置を講じ、及びその職員に当該特定秘密の取扱いの業務を行わせるものとする。
 4 行政機関の長は、指定をした場合において、その所掌事務のうち別表に掲げる事項に係るものを遂行するために特段の必要があると認めたときは、物件の製造又は役務の提供を業とする者で、特定秘密の保護のために必要な施設設備を設置していることその他政令で定める基準に適合するもの(以下「適合事業者」という。)との契約に基づき、当該適合事業者に対し、当該指定をした旨を通知した上で、当該指定に係る特定秘密(第八条第一項の規定により提供するものを除く。)を保有させることができる。
 5 前項の契約には、第十一条の規定により特定秘密の取扱いの業務を行うことができることとされる者のうちから、同項の規定により特定秘密を保有する適合事業者が指名して当該特定秘密の取扱いの業務を行わせる代表者、代理人、使用人その他の従業者(以下単に「従業者」という。)の範囲その他の当該適合事業者による当該特定秘密の保護に関し必要なものとして政令で定める事項について定めるものとする。
 6 第四項の規定により特定秘密を保有する適合事業者は、同項の契約に従い、当該特定秘密の適切な保護のために必要な措置を講じ、及びその従業者に当該特定秘密の取扱いの業務を行わせるものとする。
 第三章 特定秘密の提供
 (我が国の安全保障上の必要による特定秘密の提供)
 第六条 特定秘密を保有する行政機関の長は、他の行政機関が我が国の安全保障に関する事務のうち別表に掲げる事項に係るものを遂行するために当該特定秘密を利用する必要があると認めたときは、当該他の行政機関に当該特定秘密を提供することができる。ただし、当該特定秘密を保有する行政機関以外の行政機関の長が当該特定秘密について指定をしているとき(当該特定秘密が、この項の規定により当該保有する行政機関の長から提供されたものである場合を除く。)は、当該指定をしている行政機関の長の同意を得なければならない。
 2 前項の規定により他の行政機関に特定秘密を提供する行政機関の長は、当該特定秘密の取扱いの業務を行わせる職員の範囲その他の当該他の行政機関による当該特定秘密の保護に関し必要なものとして政令で定める事項について、あらかじめ、当該他の行政機関の長と協議するものとする。
 3 第一項の規定により特定秘密の提供を受ける他の行政機関の長は、前項の規定による協議に従い、当該特定秘密の適切な保護のために必要な措置を講じ、及びその職員に当該特定秘密の取扱いの業務を行わせるものとする。
 第七条 警察庁長官は、警察庁が保有する特定秘密について、その所掌事務のうち別表に掲げる事項に係るものを遂行するために都道府県警察にこれを利用させる必要があると認めたときは、当該都道府県警察に当該特定秘密を提供することができる。
 2 前項の規定により都道府県警察に特定秘密を提供する場合については、第五条第三項の規定を準用する。
 3 警察庁長官は、警察本部長に対し、当該都道府県警察が保有する特定秘密で第五条第二項の規定による通知に係るものの提供を求めることができる。
 第八条 特定秘密を保有する行政機関の長は、その所掌事務のうち別表に掲げる事項に係るものを遂行するために、適合事業者に当該特定秘密を利用させる特段の必要があると認めたときは、当該適合事業者との契約に基づき、当該適合事業者に当該特定秘密を提供することができる。ただし、当該特定秘密を保有する行政機関以外の行政機関の長が当該特定秘密について指定をしているとき(当該特定秘密が、第六条第一項の規定により当該保有する行政機関の長から提供されたものである場合を除く。)は、当該指定をしている行政機関の長の同意を得なければならない。
 2 前項の契約については第五条第五項の規定を、前項の規定により特定秘密の提供を受ける適合事業者については同条第六項の規定を、それぞれ準用する。この場合において、同条第五項中「前項」とあるのは「第八条第一項」と、「を保有する」とあるのは「の提供を受ける」と読み替えるものとする。
 3 第五条第四項の規定により適合事業者に特定秘密を保有させている行政機関の長は、同項の契約に基づき、当該適合事業者に対し、当該特定秘密の提供を求めることができる。
 第九条 特定秘密を保有する行政機関の長は、その所掌事務のうち別表に掲げる事項に係るものを遂行するために必要があると認めたときは、外国の政府又は国際機関であって、この法律の規定により行政機関が当該特定秘密を保護するために講ずることとされる措置に相当する措置を講じているものに当該特定秘密を提供することができる。ただし、当該特定秘密を保有する行政機関以外の行政機関の長が当該特定秘密について指定をしているとき(当該特定秘密が、第六条第一項の規定により当該保有する行政機関の長から提供されたものである場合を除く。)は、当該指定をしている行政機関の長の同意を得なければならない。
 (その他公益上の必要による特定秘密の提供)
 第十条 第四条第五項、第六条から前条まで及び第十八条第四項後段に規定するもののほか、行政機関の長は、次に掲げる場合に限り、特定秘密を提供するものとする。
 一 特定秘密の提供を受ける者が次に掲げる業務又は公益上特に必要があると認められるこれらに準ずる業務において当該特定秘密を利用する場合(次号から第四号までに掲げる場合を除く。)であって、当該特定秘密を利用し、又は知る者の範囲を制限すること、当該業務以外に当該特定秘密が利用されないようにすることその他の当該特定秘密を利用し、又は知る者がこれを保護するために必要なものとして、イに掲げる業務にあっては附則第十条の規定に基づいて国会において定める措置、イに掲げる業務以外の業務にあっては政令で定める措置を講じ、かつ、我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認めたとき。
 イ 各議院又は各議院の委員会若しくは参議院の調査会が国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第百四条第一項(同法第五十四条の四第一項において準用する場合を含む。)又は議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律(昭和二十二年法律第二百二十五号)第一条の規定により行う審査又は調査であって、国会法第五十二条第二項(同法第五十四条の四第一項において準用する場合を含む。)又は第六十二条の規定により公開しないこととされたもの
 ロ 刑事事件の捜査又は公訴の維持であって、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第三百十六条の二十七第一項(同条第三項及び同法第三百十六条の二十八第二項において準用する場合を含む。)の規定により裁判所に提示する場合のほか、当該捜査又は公訴の維持に必要な業務に従事する者以外の者に当該特定秘密を提供することがないと認められるもの
 二 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第二百二十三条第六項の規定により裁判所に提示する場合
 三 情報公開・個人情報保護審査会設置法(平成十五年法律第六十号)第九条第一項の規定により情報公開・個人情報保護審査会に提示する場合
 四 会計検査院法(昭和二十二年法律第七十三号)第十九条の四において読み替えて準用する情報公開・個人情報保護審査会設置法第九条第一項の規定により会計検査院情報公開・個人情報保護審査会に提示する場合
 2 警察本部長は、第七条第三項の規定による求めに応じて警察庁に提供する場合のほか、前項第一号に掲げる場合(当該警察本部長が提供しようとする特定秘密が同号ロに掲げる業務において利用するものとして提供を受けたものである場合以外の場合にあっては、同号に規定する我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認めることについて、警察庁長官の同意を得た場合に限る。)、同項第二号に掲げる場合又は都道府県の保有する情報の公開を請求する住民等の権利について定める当該都道府県の条例(当該条例の規定による諮問に応じて審議を行う都道府県の機関の設置について定める都道府県の条例を含む。)の規定で情報公開・個人情報保護審査会設置法第九条第一項の規定に相当するものにより当該機関に提示する場合に限り、特定秘密を提供することができる。
 3 適合事業者は、第八条第三項の規定による求めに応じて行政機関に提供する場合のほか、第一項第一号に掲げる場合(同号に規定する我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認めることについて、当該適合事業者が提供しようとする特定秘密について指定をした行政機関の長の同意を得た場合に限る。)又は同項第二号若しくは第三号に掲げる場合に限り、特定秘密を提供することができる。
 第四章 特定秘密の取扱者の制限
 第十一条 特定秘密の取扱いの業務は、当該業務を行わせる行政機関の長若しくは当該業務を行わせる適合事業者に当該特定秘密を保有させ、若しくは提供する行政機関の長又は当該業務を行わせる警察本部長が直近に実施した次条第一項又は第十五条第一項の適性評価(第十三条第一項(第十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による通知があった日から五年を経過していないものに限る。)において特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者(次条第一項第三号又は第十五条第一項第三号に掲げる者として次条第三項又は第十五条第二項において読み替えて準用する次条第三項の規定による告知があった者を除く。)でなければ、行ってはならない。ただし、次に掲げる者については、次条第一項又は第十五条第一項の適性評価を受けることを要しない。
 一 行政機関の長
 二 国務大臣(前号に掲げる者を除く。)
 三 内閣官房副長官
 四 内閣総理大臣補佐官
 五 副大臣
 六 大臣政務官
 七 前各号に掲げるもののほか、職務の特性その他の事情を勘案し、次条第一項又は第十五条第一項の適性評価を受けることなく特定秘密の取扱いの業務を行うことができるものとして政令で定める者
 第五章 適性評価
 (行政機関の長による適性評価の実施)
 第十二条 行政機関の長は、政令で定めるところにより、次に掲げる者について、その者が特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないことについての評価(以下「適性評価」という。)を実施するものとする。
 一 当該行政機関の職員(当該行政機関が警察庁である場合にあっては、警察本部長を含む。次号において同じ。)又は当該行政機関との第五条第四項若しくは第八条第一項の契約(次号において単に「契約」という。)に基づき特定秘密を保有し、若しくは特定秘密の提供を受ける適合事業者の従業者として特定秘密の取扱いの業務を新たに行うことが見込まれることとなった者(当該行政機関の長がその者について直近に実施して次条第一項の規定による通知をした日から五年を経過していない適性評価において、特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者であって、引き続き当該おそれがないと認められるものを除く。)
 二 当該行政機関の職員又は当該行政機関との契約に基づき特定秘密を保有し、若しくは特定秘密の提供を受ける適合事業者の従業者として、特定秘密の取扱いの業務を現に行い、かつ、当該行政機関の長がその者について直近に実施した適性評価に係る次条第一項の規定による通知があった日から五年を経過した日以後特定秘密の取扱いの業務を引き続き行うことが見込まれる者
 三 当該行政機関の長が直近に実施した適性評価において特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者であって、引き続き当該おそれがないと認めることについて疑いを生じさせる事情があるもの
 2 適性評価は、適性評価の対象となる者(以下「評価対象者」という。)について、次に掲げる事項についての調査を行い、その結果に基づき実施するものとする。
 一 特定有害活動(公になっていない情報のうちその漏えいが我が国の安全保障に支障を与えるおそれがあるものを取得するための活動、核兵器、軍用の化学製剤若しくは細菌製剤若しくはこれらの散布のための装置若しくはこれらを運搬することができるロケット若しくは無人航空機又はこれらの開発、製造、使用若しくは貯蔵のために用いられるおそれが特に大きいと認められる物を輸出し、又は輸入するための活動その他の活動であって、外国の利益を図る目的で行われ、かつ、我が国及び国民の安全を著しく害し、又は害するおそれのあるものをいう。別表第三号において同じ。)及びテロリズム(政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動をいう。同表第四号において同じ。)との関係に関する事項(評価対象者の家族(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下この号において同じ。)、父母、子及び兄弟姉妹並びにこれらの者以外の配偶者の父母及び子をいう。以下この号において同じ。)及び同居人(家族を除く。)の氏名、生年月日、国籍(過去に有していた国籍を含む。)及び住所を含む。)
 二 犯罪及び懲戒の経歴に関する事項
 三 情報の取扱いに係る非違の経歴に関する事項
 四 薬物の濫用及び影響に関する事項
 五 精神疾患に関する事項
 六 飲酒についての節度に関する事項
 七 信用状態その他の経済的な状況に関する事項
 3 適性評価は、あらかじめ、政令で定めるところにより、次に掲げる事項を評価対象者に対し告知した上で、その同意を得て実施するものとする。
 一 前項各号に掲げる事項について調査を行う旨
 二 前項の調査を行うため必要な範囲内において、次項の規定により質問させ、若しくは資料の提出を求めさせ、又は照会して報告を求めることがある旨
 三 評価対象者が第一項第三号に掲げる者であるときは、その旨
 4 行政機関の長は、第二項の調査を行うため必要な範囲内において、当該行政機関の職員に評価対象者若しくは評価対象者の知人その他の関係者に質問させ、若しくは評価対象者に対し資料の提出を求めさせ、又は公務所若しくは公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
 (適性評価の結果等の通知)
 第十三条 行政機関の長は、適性評価を実施したときは、その結果を評価対象者に対し通知するものとする。
 2 行政機関の長は、適合事業者の従業者について適性評価を実施したときはその結果を、当該従業者が前条第三項の同意をしなかったことにより適性評価が実施されなかったときはその旨を、それぞれ当該適合事業者に対し通知するものとする。
 3 前項の規定による通知を受けた適合事業者は、当該評価対象者が当該適合事業者の指揮命令の下に労働する派遣労働者(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号)第二条第二号に規定する派遣労働者をいう。第十六条第二項において同じ。)であるときは、当該通知の内容を当該評価対象者を雇用する事業主に対し通知するものとする。
 4 行政機関の長は、第一項の規定により評価対象者に対し特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められなかった旨を通知するときは、適性評価の円滑な実施の確保を妨げない範囲内において、当該おそれがないと認められなかった理由を通知するものとする。ただし、当該評価対象者があらかじめ当該理由の通知を希望しない旨を申し出た場合は、この限りでない。
 (行政機関の長に対する苦情の申出等)
 第十四条 評価対象者は、前条第一項の規定により通知された適性評価の結果その他当該評価対象者について実施された適性評価について、書面で、行政機関の長に対し、苦情の申出をすることができる。
 2 行政機関の長は、前項の苦情の申出を受けたときは、これを誠実に処理し、処理の結果を苦情の申出をした者に通知するものとする。
 3 評価対象者は、第一項の苦情の申出をしたことを理由として、不利益な取扱いを受けない。
 (警察本部長による適性評価の実施等)
 第十五条 警察本部長は、政令で定めるところにより、次に掲げる者について、適性評価を実施するものとする。
 一 当該都道府県警察の職員(警察本部長を除く。次号において同じ。)として特定秘密の取扱いの業務を新たに行うことが見込まれることとなった者(当該警察本部長がその者について直近に実施して次項において準用する第十三条第一項の規定による通知をした日から五年を経過していない適性評価において、特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者であって、引き続き当該おそれがないと認められるものを除く。)
 二 当該都道府県警察の職員として、特定秘密の取扱いの業務を現に行い、かつ、当該警察本部長がその者について直近に実施した適性評価に係る次項において準用する第十三条第一項の規定による通知があった日から五年を経過した日以後特定秘密の取扱いの業務を引き続き行うことが見込まれる者
 三 当該警察本部長が直近に実施した適性評価において特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者であって、引き続き当該おそれがないと認めることについて疑いを生じさせる事情があるもの
 2 前三条(第十二条第一項並びに第十三条第二項及び第三項を除く。)の規定は、前項の規定により警察本部長が実施する適性評価について準用する。この場合において、第十二条第三項第三号中「第一項第三号」とあるのは、「第十五条第一項第三号」と読み替えるものとする。
 (適性評価に関する個人情報の利用及び提供の制限)
 第十六条 行政機関の長及び警察本部長は、特定秘密の保護以外の目的のために、評価対象者が第十二条第三項(前条第二項において読み替えて準用する場合を含む。)の同意をしなかったこと、評価対象者についての適性評価の結果その他適性評価の実施に当たって取得する個人情報(生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。以下この項において同じ。)を自ら利用し、又は提供してはならない。ただし、適性評価の実施によって、当該個人情報に係る特定の個人が国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第三十八条各号、同法第七十五条第二項に規定する人事院規則の定める事由、同法第七十八条各号、第七十九条各号若しくは第八十二条第一項各号、検察庁法(昭和二十二年法律第六十一号)第二十条各号、外務公務員法(昭和二十七年法律第四十一号)第七条第一項に規定する者、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第三十八条第一項各号、第四十二条各号、第四十三条各号若しくは第四十六条第一項各号、同法第四十八条第一項に規定する場合若しくは同条第二項各号若しくは第三項各号若しくは地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第十六条各号、第二十八条第一項各号若しくは第二項各号若しくは第二十九条第一項各号又はこれらに準ずるものとして政令で定める事由のいずれかに該当する疑いが生じたときは、この限りでない。
 2 適合事業者及び適合事業者の指揮命令の下に労働する派遣労働者を雇用する事業主は、特定秘密の保護以外の目的のために、第十三条第二項又は第三項の規定により通知された内容を自ら利用し、又は提供してはならない。
 (権限又は事務の委任)
 第十七条 行政機関の長は、政令(内閣の所轄の下に置かれる機関及び会計検査院にあっては、当該機関の命令)で定めるところにより、この章に定める権限又は事務を当該行政機関の職員に委任することができる。
 第六章 雑則
 (特定秘密の指定等の運用基準等)
 第十八条 政府は、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し、統一的な運用を図るための基準を定めるものとする。
 2 内閣総理大臣は、前項の基準を定め、又はこれを変更しようとするときは、我が国の安全保障に関する情報の保護、行政機関等の保有する情報の公開、公文書等の管理等に関し優れた識見を有する者の意見を聴いた上で、その案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
 3 内閣総理大臣は、毎年、第一項の基準に基づく特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の状況を前項に規定する者に報告し、その意見を聴かなければならない。
 4 内閣総理大臣は、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の状況に関し、その適正を確保するため、第一項の基準に基づいて、内閣を代表して行政各部を指揮監督するものとする。この場合において、内閣総理大臣は、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施が当該基準に従って行われていることを確保するため、必要があると認めるときは、行政機関の長(会計検査院を除く。)に対し、特定秘密である情報を含む資料の提出及び説明を求め、並びに特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施について改善すべき旨の指示をすることができる。
 (国会への報告等)
 第十九条 政府は、毎年、前条第三項の意見を付して、特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の状況について国会に報告するとともに、公表するものとする。
 (関係行政機関の協力)
 第二十条 関係行政機関の長は、特定秘密の指定、適性評価の実施その他この法律の規定により講ずることとされる措置に関し、我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものの漏えいを防止するため、相互に協力するものとする。
 (政令への委任)
 第二十一条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。
 (この法律の解釈適用)
 第二十二条 この法律の適用に当たっては、これを拡張して解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならず、国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の自由に十分に配慮しなければならない。
 2 出版又は報道の業務に従事する者の取材行為については、専ら公益を図る目的を有し、かつ、法令違反又は著しく不当な方法によるものと認められない限りは、これを正当な業務による行為とするものとする。
 第七章 罰則
 第二十三条 特定秘密の取扱いの業務に従事する者がその業務により知得した特定秘密を漏らしたときは、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び千万円以下の罰金に処する。特定秘密の取扱いの業務に従事しなくなった後においても、同様とする。
 2 第四条第五項、第九条、第十条又は第十八条第四項後段の規定により提供された特定秘密について、当該提供の目的である業務により当該特定秘密を知得した者がこれを漏らしたときは、五年以下の懲役に処し、又は情状により五年以下の懲役及び五百万円以下の罰金に処する。第十条第一項第一号ロに規定する場合において提示された特定秘密について、当該特定秘密の提示を受けた者がこれを漏らしたときも、同様とする。
 3 前二項の罪の未遂は、罰する。
 4 過失により第一項の罪を犯した者は、二年以下の禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
 5 過失により第二項の罪を犯した者は、一年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。
 第二十四条 外国の利益若しくは自己の不正の利益を図り、又は我が国の安全若しくは国民の生命若しくは身体を害すべき用途に供する目的で、人を欺き、人に暴行を加え、若しくは人を脅迫する行為により、又は財物の窃取若しくは損壊、施設への侵入、有線電気通信の傍受、不正アクセス行為(不正アクセス行為の禁止等に関する法律(平成十一年法律第百二十八号)第二条第四項に規定する不正アクセス行為をいう。)その他の特定秘密を保有する者の管理を害する行為により、特定秘密を取得した者は、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び千万円以下の罰金に処する。
 2 前項の罪の未遂は、罰する。
 3 前二項の規定は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用を妨げない。
 第二十五条 第二十三条第一項又は前条第一項に規定する行為の遂行を共謀し、教唆し、又は煽動した者は、五年以下の懲役に処する。
 2 第二十三条第二項に規定する行為の遂行を共謀し、教唆し、又は煽動した者は、三年以下の懲役に処する。
 第二十六条 第二十三条第三項若しくは第二十四条第二項の罪を犯した者又は前条の罪を犯した者のうち第二十三条第一項若しくは第二項若しくは第二十四条第一項に規定する行為の遂行を共謀したものが自首したときは、その刑を減軽し、又は免除する。
 第二十七条 第二十三条の罪は、日本国外において同条の罪を犯した者にも適用する。
 2 第二十四条及び第二十五条の罪は、刑法第二条の例に従う。
 附則
 (施行期日)
 第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第十八条第一項及び第二項(変更に係る部分を除く。)並びに附則第九条及び第十条の規定は、公布の日から施行する。
 (経過措置)
 第二条 この法律の公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日の前日までの間においては、第五条第一項及び第五項(第八条第二項において読み替えて準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定の適用については、第五条第一項中「第十一条の規定により特定秘密の取扱いの業務を行うことができることとされる者のうちから、当該行政機関」とあるのは「当該行政機関」と、同条第五項中「第十一条の規定により特定秘密の取扱いの業務を行うことができることとされる者のうちから、同項の」とあるのは「同項の」とし、第十一条の規定は、適用しない。
 (施行後五年を経過した日の翌日以後の行政機関)
 第三条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)から起算して五年を経過した日の翌日以後における第二条の規定の適用については、同条中「掲げる機関」とあるのは、「掲げる機関(この法律の施行の日以後同日から起算して五年を経過する日までの間、次条第一項の規定により指定された特定秘密(附則第五条の規定により防衛大臣が特定秘密として指定をした情報とみなされる場合における防衛秘密を含む。以下この条において単に「特定秘密」という。)を保有したことがない機関として政令で定めるもの(その請求に基づき、内閣総理大臣が第十八条第二項に規定する者の意見を聴いて、同日後特定秘密を保有する必要が新たに生じた機関として政令で定めるものを除く。)を除く。)」とする。
 (自衛隊法の一部改正)
 第四条 自衛隊法の一部を次のように改正する。
 目次中「自衛隊の権限等(第八十七条―第九十六条の二)」を「自衛隊の権限(第八十七条―第九十六条)」に、「第百二十六条」を「第百二十五条」に改める。
 第七章の章名を次のように改める。
 第七章 自衛隊の権限
 第九十六条の二を削る。
 第百二十二条を削る。
 第百二十三条第一項中「一に」を「いずれかに」に、「禁こ」を「禁錮」に改め、同項第五号中「めいていして」を「酩酊(めいてい)して」に改め、同条第二項中「ほう助」を「幇(ほう)助」に、「せん動した」を「煽動した」に改め、同条を第百二十二条とする。
 第百二十四条を第百二十三条とし、第百二十五条を第百二十四条とし、第百二十六条を第百二十五条とする。
 別表第四を削る。
 (自衛隊法の一部改正に伴う経過措置)
 第五条 次条後段に規定する場合を除き、施行日の前日において前条の規定による改正前の自衛隊法(以下この条及び次条において「旧自衛隊法」という。)第九十六条の二第一項の規定により防衛大臣が防衛秘密として指定していた事項は、施行日において第三条第一項の規定により防衛大臣が特定秘密として指定をした情報と、施行日前に防衛大臣が当該防衛秘密として指定していた事項について旧自衛隊法第九十六条の二第二項第一号の規定により付した標記又は同項第二号の規定によりした通知は、施行日において防衛大臣が当該特定秘密について第三条第二項第一号の規定によりした表示又は同項第二号の規定によりした通知とみなす。この場合において、第四条第一項中「指定をするときは、当該指定の日」とあるのは、「この法律の施行の日以後遅滞なく、同日」とする。
 第六条 施行日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。旧自衛隊法第百二十二条第一項に規定する防衛秘密を取り扱うことを業務とする者であって施行日前に防衛秘密を取り扱うことを業務としなくなったものが、その業務により知得した当該防衛秘密に関し、施行日以後にした行為についても、同様とする。
 (内閣法の一部改正)
 第七条 内閣法(昭和二十二年法律第五号)の一部を次のように改正する。
 第十七条第二項第一号中「及び内閣広報官」を「並びに内閣広報官及び内閣情報官」に改める。
 第二十条第二項中「助け、」の下に「第十二条第二項第二号から第五号までに掲げる事務のうち特定秘密(特定秘密の保護に関する法律(平成二十五年法律第 号)第三条第一項に規定する特定秘密をいう。)の保護に関するもの(内閣広報官の所掌に属するものを除く。)及び」を加える。
 (政令への委任)
 第八条 附則第二条、第三条、第五条及び第六条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
 (指定及び解除の適正の確保)
 第九条 政府は、行政機関の長による特定秘密の指定及びその解除に関する基準等が真に安全保障に資するものであるかどうかを独立した公正な立場において検証し、及び監察することのできる新たな機関の設置その他の特定秘密の指定及びその解除の適正を確保するために必要な方策について検討し、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
 (国会に対する特定秘密の提供及び国会におけるその保護措置の在り方)
 第十条 国会に対する特定秘密の提供については、政府は、国会が国権の最高機関であり各議院がその会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定める権能を有することを定める日本国憲法及びこれに基づく国会法等の精神にのっとり、この法律を運用するものとし、特定秘密の提供を受ける国会におけるその保護に関する方策については、国会において、検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
 別表(第三条、第五条―第九条関係)
 一 防衛に関する事項
 イ 自衛隊の運用又はこれに関する見積り若しくは計画若しくは研究
 ロ 防衛に関し収集した電波情報、画像情報その他の重要な情報
 ハ ロに掲げる情報の収集整理又はその能力
 ニ 防衛力の整備に関する見積り若しくは計画又は研究
 ホ 武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物の種類又は数量
 ヘ 防衛の用に供する通信網の構成又は通信の方法
 ト 防衛の用に供する暗号
 チ 武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物又はこれらの物の研究開発段階のものの仕様、性能又は使用方法
 リ 武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物又はこれらの物の研究開発段階のものの製作、検査、修理又は試験の方法
 ヌ 防衛の用に供する施設の設計、性能又は内部の用途(ヘに掲げるものを除く。)
 二 外交に関する事項
 イ 外国の政府又は国際機関との交渉又は協力の方針又は内容のうち、国民の生命及び身体の保護、領域の保全その他の安全保障に関する重要なもの
 ロ 安全保障のために我が国が実施する貨物の輸出若しくは輸入の禁止その他の措置又はその方針(第一号イ若しくはニ、第三号イ又は第四号イに掲げるものを除く。)
 ハ 安全保障に関し収集した国民の生命及び身体の保護、領域の保全若しくは国際社会の平和と安全に関する重要な情報又は条約その他の国際約束に基づき保護することが必要な情報(第一号ロ、第三号ロ又は第四号ロに掲げるものを除く。)
 ニ ハに掲げる情報の収集整理又はその能力
 ホ 外務省本省と在外公館との間の通信その他の外交の用に供する暗号
 三 特定有害活動の防止に関する事項
 イ 特定有害活動による被害の発生若しくは拡大の防止(以下この号において「特定有害活動の防止」という。)のための措置又はこれに関する計画若しくは研究
 ロ 特定有害活動の防止に関し収集した国民の生命及び身体の保護に関する重要な情報又は外国の政府若しくは国際機関からの情報
 ハ ロに掲げる情報の収集整理又はその能力
 ニ 特定有害活動の防止の用に供する暗号
 四 テロリズムの防止に関する事項
 イ テロリズムによる被害の発生若しくは拡大の防止(以下この号において「テロリズムの防止」という。)のための措置又はこれに関する計画若しくは研究
 ロ テロリズムの防止に関し収集した国民の生命及び身体の保護に関する重要な情報又は外国の政府若しくは国際機関からの情報
 ハ ロに掲げる情報の収集整理又はその能力
 ニ テロリズムの防止の用に供する暗号
 理由
 国際情勢の複雑化に伴い我が国及び国民の安全の確保に係る情報の重要性が増大するとともに、高度情報通信ネットワーク社会の発展に伴いその漏えいの危険性が懸念される中で、我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものについて、これを適確に保護する体制を確立した上で収集し、整理し、及び活用することが重要であることに鑑み、当該情報の保護に関し、特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。
※表記は原文通り
 

安部晋三首相=「国民主権を敵視」の 真意と〝もう一つの秘密″の真実

 いまなぜ集団的自衛権、秘密保護法か?      国民を敵視する根拠とその系譜         ***“もう一つの秘密”が安倍首相に!**
イメージ 2
写真:石橋首相(中央)と岸外務(左)、池田大蔵(右)大臣】  
1、秘密保護法の目的は、国民主権の放棄、憲法否定の暴挙
 
自民党の改憲への執念は、昨年2月の「自民党憲法改正案」(以後・改正案)に収斂され、安倍政権はこれを日本版NSC、秘密保護法で体制化しようとしている。アメリカ従属の固定化と国民主権の放棄、国民の一切の権利を奪う弾圧法体系の合体です。キーワードは、憲法の人類普遍の原理にもとづく「国民主権」を根本から放棄することです。
安倍政権と自民党の「改憲草案」に国民の大多数は反対、厳しく批判しているにもかかわらず「集団自衛権」など解釈改憲で事実上の改憲路線を弾圧立法とセットに強行しようとしている。
 安倍政権が対米従属の安保体系を中心にすすめる防衛、外交路線は今年4月の「4.28独立記念日」によってますます国民主権の憲法から乖離(かいり)、国民、国際社会からの遊離を示した。「安保をなくそう」の声は日に日に強まっている。国民主権を根こそぎ奪う自民党の改憲策動の弾圧立法、戦前の治安維持法を再現する「秘密保護法」の系譜を明らかにする。国政の「秘密」にこだわる安倍首相の“もう一つの秘密”が浮きでてきた。
 
2、安倍首相の祖父・岸元首相は、石橋元首相と改憲の盟友
 
安倍首相が祖父・岸信介元首相(元自主憲法制定国民会議会長)の“遺志”を継いで改憲に執念を燃やしていることは周知のこと。岸元首相の改憲論はアメリカとの「対等な同盟」の幻想をもとに「いまの憲法は不適当」とした。しかし、対米従属ぶりをアメリカに売り込むだけでは憲法の「国民主権」を反故にすることはできなかった。二次、三次の改憲論議は成功しなかった。
安倍首相の憲法96条の改訂策動は、改憲論者からも強く批判され、先延ばし状況にある。安倍政権がこの国民主権を法律、行政レベルの論議で葬るのがNSCと秘密保護法である。イメージ 1
安倍首相は、「侵略の定義は定まっていない」「軍国主義者と呼ばれても構わない」と公言し、麻生副総理はナチス肯定を公言するまでに至った。安倍内閣は、ここで岸元首相が新安保交渉でアメリカが付与した「行政権の白紙委任」を盾に国民主権にもとづく憲法の根本理念を根こそぎ奪う暴挙に出た。「密約政治」を国政全般に導入し、秘密行政の法制化です。               ここで安倍首相が頼みとしたのが、石橋湛山元首相です。石橋元首相は、岸元首相と戦前から戦時国家統制経済、国体護持で同じ〝志″を持ち、戦後は憲法改正の無二の盟友。石橋元首相の改憲試案は徹底した皇国史観をもとに「国民主権」の主張を敵視、言論封じ対策まで言及した唯一のものです。
 
3、国民主権を敵視、「軍人勅諭」を土台した石橋の改憲試案と
    歴史認識
 
自民党の改憲論は、新憲法制定・公布の以前からあった。石橋元首相は、憲法制定をめぐる国民的論議の最中に吉田内閣の大蔵大臣就任直前、経済誌に『憲法改正草案を評す』(以後・私論)を公表、みずからの憲法改正論を発表した。この時点の「憲法」は明治憲法を指し、「改正草案」が現在の憲法を示している。                                  石橋元首相は、同私論の後半で次のように述べている。
「必要なことはその悪用者を可能な限り封ずることにある」…と。
見して「悪用者を…封ずる」とは何かと疑問に思うところだが、本文を読めば2重、3重のレトリック(巧言)による言論封じ、抑圧、弾圧を想定したものであることが分かる。
安倍内閣の秘密保護法が、何の定義もない「秘密」を定め、行政・官僚の恣意的運用による国民、報道関係者の調査、漏えいを重罪とする考えとウリふたのテクニックである。戦前の治安維持法の再現にほかなりません。
石橋元首相の上記の私論は大臣就任直前に発表した「社論」の一節であり、石橋は数か月後に大蔵大臣に就任、憲法制定・公布の手続きとして大臣署名した。しかし新憲法の精神である「国民主権」を理解したものではなかった。石橋は同私論で、前年(1945)までの侵略戦争を「軍閥、藩閥及び官僚らが・・・天皇の統帥権を悪用した」ためであるとした上で、明治憲法を賛美しつつ「(明治憲法にある)天皇制の致命的欠陥は陸海軍の統帥権を一般国務から分立せしめたこと」とした。石橋は、ここで軍人勅諭を引用して「天子は文武(特に文武とあることを注意せよ)の大権を掌握するの義を存して、再び中世以降の如き失態なからんことを望む」と軍人勅諭そのままを自分の主張としている.
 
4、国民主権は民主的国家の基本、戦前の憲法・法体系に
   存在しない概念
 
このため、石橋元首相は新憲法の「再び戦争の惨禍を繰り返さない」との前文や「国民主権」を認めたのではなく、明治憲法の「運用」に欠点があった、従って新憲法には、「天皇の政治的機能を・・・保障する実行手段」の規定がない、新憲法の欠点とした。石橋元首相の改憲論の中心がここに凝縮されている。
石橋元首相は、新憲法改正を新憲法の内的規定の欠陥をあげて改正の必要性を主張した。これは、石橋元首相が歴史認識として示した明治憲法の「致命的欠陥」、「統帥権」の偏り、軍事的権能に特化された権能を、新憲法の下で復活、是正しようとするものです。
石橋元首相の憲法改正論は、「国民主権」を前提にした改憲論ではなく、明治憲法の欠陥を新憲法によって是正しようとする恐るべきものです。
安倍首相と自民党の改憲草案の「日本国は、…天皇を戴く国家」、「天皇は、日本国の元首」、「(我が国は)国防軍を保持する」などは石橋元首相の改憲私論そのまま持ち込んでいることは明かです。
石橋元首相の国民主権についての無理解は、新憲法の「象徴天皇」についても次のように述べている。戦前の天皇は、政治責任のない(無答責論)との解釈から、「象徴的存在に過ぎなかった」とし、「天皇から見れば従来の慣行と大差ない」との評価に国民主権への無知を露呈している。新憲法の「象徴天皇」を口実に、明治憲法の天皇の地位を現代に遡(さかのぼ)って解釈するほど歴史を歪める暴論はない。石橋元首相の改憲論の大本は、前述したように「統帥権を一般国務から分立させた」ことにあり、天皇は「文武の大権を掌握するの義」(「軍人勅諭」)を復活させようとするものです。石橋元首相の改憲私論は、以上の絶対主義的復古論であるが、単なるスローガンに留まらず「天皇の政治的機能を・・・保障する実行手段」にまで言及している。次にこの「手段」を考える
 
5、「国民主権」の主張を敵視、新憲法で戦前の欠陥是正への     暴走
 
安倍・自民党政治は、「戦争する国」への道が、日米同盟の深化などで行き着く所まで来たとして、国内体制の整備を課題としている。ここに石橋元首相の改憲反対論と世論を「封じる」ための実行を急務とし、形振(なりなりふ)り構わず国会上程した「秘密保護法」の暴走です。
先に紹介したように石橋元首相は、「(新憲法の)悪用者を・・・可能の限り封ずる」として、明治憲法、軍人勅諭とは対極にある「国民主権」の主張を、「・・・再び我が国に専制的権力の台頭を促す危険」があるものとした。石橋元首相が、ここで問題としているのは、新憲法草案(当時)が公表されたことで、天皇制をめぐる国民的議論の中で、「天皇制の廃止を主張」することを「専制的権力の台頭を促す危険」とした。若いころ「国体護持」、国家主義的な皇国史観に固まっていた石橋元首相には新憲法の「国民主権」という概念がなく戦後政治の方向を決める新憲法制定の基準に戦前の法体系を横滑りさせたのです。
石橋元首相は、敗戦直後の8月末、日本が受諾したポツダム宣言に対し、「(日本には)五カ条の御誓文があり」、「(欽定憲法が)デモクラシーの神髄」を示しており、「(連合国は)ただ本来の日本の主義を掲げたに過ぎない」として「(戦後日本は)五カ条の御誓文、明治憲法に帰れ」と公言した。、 
一見して、新憲法に賛成するかのようなポーズを取りながら、その実、戦前のままの時代認識で新憲法の根本理念である国民主権の主張を、新憲法の「悪用者」と断じたのです。石橋元首相は戦前の体験から「悪用者」のレッテルだけで、「(国民主権の主張を)封ずる」ことを可能としたのです。戦前の皇国史観に立った石橋元首相には「思想、信条の自由」の理解は皆無であった。
安倍内閣の秘密保護法には、国民主権とともに国民の思想・信条、知る権利についての理念が皆無である。これは戦前の明治憲法の「法律の範囲内の言論の自由」(第29条)に準拠しているためで、安倍内閣と自民党は軍国主義時代の国家主義的政治理念と法律概念しかないことを証明している。
石橋元首相は、戦後の天皇制廃止論を、戦前の軍閥藩閥官僚による明治憲法の「悪用者」と同一視して、国民主権の主張を敵視したのです。石橋元首相には、戦前の国体護持か、廃止かの論議しかなく、近代の民主主義国家の最高の国家形態である「国民主権」への無理解がある。ここから国民主権の主張を敵視、危険視するに至った。
安倍内閣の秘密保護法が同じ手法で、防衛、外交など国政の基本政策をすべて秘密の暗闇において、これを調査、検証する国民の知る権利、報道の自由などの活動をすべて「悪用者」に仕立て、自由な言論、表現活動を弾圧する口実にしていている。安倍内閣には「秘密」が何かを知らせる姿勢は微塵もない。弾圧するために「悪用者」のレッテル貼りを至上命題とし、弾圧、抑圧によって「戦争する国」に猛進するのが安倍首相の、“もう一つ”の隠された真実です。
 
6、国民主権を根こそぎ葬る自民党の改憲草案と
  弾圧立法=秘密保護法
 
安倍首相は、祖父の岸元首相の遺志を継いで「戦争できる国」への執念を見せている。岸元首相は、戦前の軍国主義政権の商工大臣によってA級戦犯とされた人物である。同時に岸元首相は、太平洋戦争への資源・エネルギーを植民地・満州に求め、現地で「(資源開発)五か年計画」を策定し軍需産業の改変、国策と植民地政策の徹底化を図り、東条内閣の対米英戦争のお膳立てをした
戦後、石橋元首相は、岸元首相と二人三脚で自民党を結成。改憲論議では石橋元首相が岸元首相の先輩にあたり、二人の結びつきは、石橋元首相は、満州国からの招待を受け岸元首相が引いた満州(朝鮮含む)の「五か年計画」の進捗状況確認のために現地調査し、「資源は豊富」と東条内閣に進言した。また石橋元首相は、「資本導入」の遅れから金融、産業界に「日満一体、東亜新秩序の建設が遅れる」と恫喝して国策遂行の徹底をすすめた。
爾来、二人は〝満州人脈″の繋がりで戦後政治の対米従属の道を歩んだ。
自民党結成(1955)後の総裁選・決戦投票の結果、石橋が総裁に就き、負けた岸元首相は石橋内閣の副総理格で外務大臣(後に防衛庁長官兼務)に就任した。決選投票とは言え党内のコップの中の争いで、岸元首相の新安保強行後、石橋は「今となっては新安保の上に立って平和共存を」と、対米従属路線を突き進んだ。安倍内閣のNSC体制、秘密保護法の弾圧立法は、岸元首相の遺志であることに加え石橋元首相の皇国史観を踏襲する憲法改悪の企みとするほかない。
 
 、秘密保護法は初めから証拠隠し弾圧と戦争、
   慰安婦問題の教訓
 
安倍内閣が強行しようとしている秘密保護法は、戦前の治安維持法と同様、弾圧の証拠をいっさい残さないことを前提にしているため、非開示期間を何年としても秘密の行政・事件記録の存否すら定かでなく「秘密」は永久に開示されないと考えられる。戦争体験者が、東京や満州で終戦直後の証拠書類などの焼却処分のために三日三晩、空が黒煙に覆われたと話している。中国では731部隊の毒ガス・人体実験施設が爆破、破壊され証拠書類はすべて米軍に押収された。
安倍首相が「慰安婦」問題で公文書には「強制の事実に証拠がない」とするのもこの証拠隠滅の成果を誇っただけであり、被害者の証言を歴史の真実と認めないところに秘密保護法の狙いがある。
【参考資料】
●「憲法改正草案を評す 勝れたる其の特色と欠点」「社論」(石橋・1946 
  年・「東洋経済新報」)
●「自由民主党 日本国憲法改正草案」(120124) 
●「更生日本の針路=五事御誓文と欽定憲法に帰れ」(石橋19459月・「東
  洋経済新報」)
 ● 添付資料 ナチスの手口を日本に導入した石橋湛山。
   「ナチスにならって『服従せぬ者は馘首を』」(「石橋湛山「東洋経済新
   報」1944年)

全5ページ

[1] [2] [3] [4] [5]

[ 次のページ ]


よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事