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生物多様性と桜

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現在日本に多く分布するソメイヨシノの桜は、江戸の植木職人の手によって、それぞれ違う品種どうしの交配(ハイブリット=F1種)によって生まれました。
従ってF1種の特性で、自らの種から同じ子孫を残すことができないという品種なのです。
それ故に、ソメイヨシノという桜は人間が手を加えなければ、100年で絶滅するとも言われています。
そのため枝の一部を「接ぎ木」や「挿し木」をして、その数を増やしていったのです。

つまり、日本中にあるソメイヨシノは、交配してできたソメイヨシノの最初の1本の木から、その枝木を分け継がれていったものということです。
結果、日本に広く分布したソメイヨシノは遺伝子がまったく同じなので、その開花や散る時期も見事に一致し、従ってその気候の移り変わりに一斉に反応してゆく、世界でも稀にみる“サクラ前線”なるものを出現させているのです。

自然交配ではなく、枝の一部を接木などすることから、これがソメイヨシノは「クローン桜」と呼ばれる所以です。
細胞の一部からつくられたクローン人間が地球を支配したなどと、SFの世界かと思いきや、桜の世界では、すでにこの日本でクローン桜が他の桜を駆逐しつつあるのだろうか。

危惧されることは、遺伝的均一性が高いということは、同じ病気とか気候変化でいっきに枯れてしまう可能性が高いということです。
近くにあるものが別な品種の桜であれば、病気の伝染もそこでストップする可能性が大きいが、こうも日本全国ソメイヨシノばっかしとなると、はどめが効かなくなるのではないかということです。

これが桜ではなく、人間が食する作物で起こったことがある。

16世紀にイギリス探検隊がカリブ海沿岸から、ただ1品種のジャガイモを持ち帰った。
これは北部ヨーロッパのいたるところで栽培されたので、この遺伝的均一性により、作物
が疫病にかかるのは時間の問題であった。
その疫病は発生し、かくしてアイルランド人はきわめて短期間に大切な主食用資源を失い、
その結果少なくとも200万人が餓死し、さらに200万人以上が新天地を求めて他国に
移住した。(種子はだれのもの −地球の遺伝資源を考える− 八坂書房より)

そして現代日本に於いては、作物も子孫が残せない一代限りのF1種ばかりとなり、例えば
日本の大根は全国的に青首大根ばかりだし、世界的に見ても種子の供給が一部の業者だけ
に限定されてゆく傾向は益々強まっています。

逆から見ると、農家から代々引き継いでいた種子がどんどん失われているということです。
生物多様性の面から見ても、現代の食糧生産は危機的状況といえるのではないだろうか。

自然界では、放っておけばその生命圏は、種(しゅ)の絶滅を避けるために多様化します。
人間の手が加われば、人間にとって目先の利を得る生命だけを特出させてゆこうとするために、その生命圏は単純化してゆきます。
それは、自らの子孫の繁栄をも危うくしていることに、もはや気づいているはずなのに…


散るサクラ…残るサクラも散るサクラ…
願わくは、日本民族が散ってしまわないように…
ちゃんと子孫を残せる作物の種を蒔いてゆこうと思うのです。

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