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ウサギは「大僧正様、どうか私を苦しみから解き放ってください」と手を合わせる。タヌキは重々しく告げる。「お前の苦しみの根源は、どうやら、その長い耳にあるようじゃ。わしに任せておくがよい」と。そして、厳かな身のこなしで、ウサギの耳を両手で包み、ガブリとかじりとってしまう。ウサギは耳の切れ目から血を流しながら、涙ながらに、礼を述べる。「ありがとうございます、ありがとうございます」。
ウサギが帰ったあと、タヌキは「美味かったなぁ」と、舌なめずりする。
タヌキの非人間性(タヌキですから、人間ではありませんけれど)と、見事に騙されて、大事な耳を与えてしまう、苦しみの多いウサギの、親近性ある人間像と。・・・「大型間接税は、羊の毛を刈る極意」とかつて大臣が述べたときに、思い出した話。
今なら、我が友ウサギは、気が付くのではないか。けれど、まだ若干の心配な友に心をいたし、また私自身を振り返る、今はその時ではないかと思われてならないのです。(画像は猫の形の貴志駅舎。)
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