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家族連れやカップル達でひしめき合う大通りを、僕は足早に駆け抜けていった。
「栗っこーん!栗っこくーん!」
僕の背中に投げかける彼女の声が小さくなってくる。
「ごめん…みなみちゃん…あとで謝らなくっちゃ…」
だが、彼女の声に混じって、もう一つ僕を呼ぶ声が聞こえ、眼の端に止まったのはミカンくんの姿。車が行き交う通りの向こうで飛び跳ねながら大きく両手を振っていたが僕は構わず駆け抜けようとした。
“急がなければ…”
「栗っこくーん!」
そんな僕の様子に気付いてか気付かずか、ミカンくんは往来が激しい車道へと飛び出し、一目散に僕へと走り出した!
「ミカンくん!あぶなっ!」
大通りにはブレーキ音が響き渡った。
一瞬にして凍った僕の身体は何もする事は出来ず、だだ、眼を大きく見開き、身体は硬直した。
だが、そんな僕とは裏腹に、何事も無かったようにミカンくんは車道を渡り切り、いつもの様に元気いっぱいの笑顔を振りまいた。
そんな様子に怒る気にもなれず力が抜けていった。
「栗っこくーん!やっと気付きよった!あっ!みなみちゃんも一緒だったの?」
その言葉の方向には、心配そうな彼女が僕を見つめていた。
僕はただ下を向くだけだった。
「あれっ!マイクさんと熊さんは〜?」
「えっ?二人は震災の復興の手助けに鳥取に行ったよ!」
「あーっ!そーだった!すーっかり忘れてちよった!」
重く押しかかりそうなその場の空気を一瞬で吹き飛ばす、ミカン君のどこまでも突き抜けるテンションに、僕と彼女は舞い上げられ、いつの間に大通りで笑い合っていた。
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小説 第九章
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なかなか展開が読めないですね〜。
さて、次、次!
2011/5/26(木) 午後 9:38 [ KR-1 ]
KR−1さ〜ん!!書いている当人も展開が読めませ〜ん(><)
次はどうなるの〜?(笑)
2011/5/26(木) 午後 10:06 [ qaq*64 ]
なぜミカン君が登場??同じく次!次!
2011/5/26(木) 午後 10:53 [ 機械小僧 ]
機械小僧さ〜ん!!おいらも謎です!!何故??同じく次!次!
2011/5/27(金) 午前 6:04 [ qaq*64 ]