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今まではスープのコクとかダシだとか、麺のこしとか相性だとかうんちくたれて食べていた。でも今は単純に美味しい!ただそれだけで良かった。
気付くと、両手でどんぶりを持ちスープをすする二人。
「あー、美味しかったね!」
「うん、美味しかった…さっきはゴメン…」
その一言に、一瞬きょとんとする彼女。
「さっき?あーミカンくんをボケボケ君って言いそうになった事?」
「そーじゃないんだけど…とにかくゴメン…」
「行こう!」
その言葉の意味を知ってか知らずか。彼女はニコッと微笑み立ち上がると、僕も慌て立ち上がり、僕達の帰りを待つバイクの元へと歩き出した。
晴天の大通りには間口の狭い商店がいくつも軒を並べ、無造作に軒下にぶら下げられた商品が風に揺られ、その店の奥では腕組みをしたまま居眠りする店主。
隣の店では低い台に陳列された陶器が店内狭しと並べられ、見上げると瓦屋根に掲げられた看板に風格漂う屋号が記され、欠けた白壁から覗いてる土壁。
そんな風景に僕と彼女はは懐かしい気持ちに浸ったり、クスッと微笑んだり、古く新鮮なものを発見しながら、バイクの待つ方角、路地裏の方へと入った。
「おーい!栗っこくーん!みなみちゃーん!」
狭い路地の壁に跳ね返る元気な声。
その声のする方向には長く連なった人の列があり。その列の中で大きく手を振る人の姿があった。
「あっ!ミカンくん!」
それは、僕達が最初に断念したラーメン屋の行列。その列は前よりも長く延び、相変わらず空腹を抱えた顔だけが並んでいたが、ミカンくんだけは違っていた。
「どーも!ミカンくん!紹介してもらったラーメン屋美味しかったよ!」
「うん!それは良かった!それより、今から一緒に並ばない?」
「えっ?」
「じつはまだ余り知られて無いからここだけの話にして欲しいけど、このラーメン屋、地元の人が一押しのラーメン屋なんだ!」
僕達のそっと教えたつもりのミカンくんだったが、その声の大きさか、存在にか周りの人達の表情が笑顔に変わっていった。
「ハハハ!僕達もうお腹いっぱいだから!」
「なーんだ、もってーねー。じつは明日から仕事が山のように待っちよるんだけど、喜多方のラーメンが余りに美味しいから、つい五杯もくっちったよ!」
ミカンくんのそのテンションに、行列に並ぶ周囲も舞い上げられていくのが分かった。
「よーし!今夜は寝ないで高速を突っ走って、明日からはバリバリ働くぞー!」
「ハハハ!ミカンくん頑張ってねー!私達行くから!」
「じゃあ!いい旅続けて!栗っこくん!みなみちゃん!」
「じゃあ!いい旅!」
ぎゅっと親指を立て合ってミカンくんと別れを告げると、主人が帰りを待ちわびていたTWとセローに乗り、国道121号を 山形県米沢市 を目指し走っていた。
市街を抜けると、緑の風景とひんやりした心地良い風が二人を出迎え、眼の前には巨大な山塊、大峠が横たわっていた。
ここを越えると今日の最終目的地米沢が…そしてそこには二人で過ごす夜がある…。
マイクさんの言っていた言葉の意味は分からなくなったけど、ただ一つ分かった事…。
それは明日になったら僕はこの夢から覚め、現実と向き合い努力し頑張り続ける。
そして、今眼の前に開いている階段を僕は登り詰めていくんだ!
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小説 第九章
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だんだんクライマックスの雰囲気ですね♪
楽しい時間はあっという間に過ぎちゃいます。
どんなドラマがあるんでしょうか???
楽しみ〜♪
2011/5/26(木) 午後 9:49 [ KR-1 ]
まだまだ話はじらしますよ〜KR−1さ〜ん!!
KR−1さんに負けないようにじらしプレーしますよ〜(爆)
2011/5/26(木) 午後 10:10 [ qaq*64 ]
確かにジラシモードに入りそうな予感ですねー(^_^;)お別れのキス!?栗っこ君は帰りに高速!?妄想が始まっております(笑)
2011/5/26(木) 午後 11:06 [ 機械小僧 ]
スルドイ!機械小僧さん〜
高速‐妄想〜良いですね〜果たして栗っこくんは高速に乗るのか?
おいらも妄想です〜
2011/5/27(金) 午前 6:09 [ qaq*64 ]
いっきに4,5,6,7と読んでしまいました^^
生き生きと情景が浮かんできます♪
じいさんのたたずまいが特にお気に入りです^^
2011/5/27(金) 午後 11:41 [ AD162 ]
AD162さん こんばんは〜
今夜は頑張って書庫整理しちゃいました!!
眠い(><)明日も仕事なのに大丈夫かな〜?
2011/5/28(土) 午前 2:50 [ qaq*64 ]