ヤマハ2スト気まぐれ日記(時々TWと山遊び)

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第十四章 もうひとつの旅
 
 降りしきる雨、男は佇んでいた…。
 
 全身がずぶ濡れになり、身体は小刻みに震えていた。
 
 「僕はどうしてここに来ているのだろう…」
 
 男は考え込んだ…。
 
 「自販機であの缶コーヒーを見てから僕は…いつの間にここに来てしまった…」
 
 小さな公園に佇む男の目の前には小さなテントがあった。
 
 「ここに戻ってきて…彼女に何て言えばいいのだろう…もしかして拒絶されるかも…」
 
 男は深い溜息を付いた…。
 
 “これが本当の正しい答えなのだろうか?”
 
 “全てを捨て…何もない場所から未来の無い人生を始める事なんて…”
 
 “あ〜〜っ!やっぱり僕はバカな男だ!!何をやっている!!いま戻ればまだ社会に復帰出来る!”
 
 「よしっ!戻ろう…」
 
 悩む男…その時小さなテントが小刻みに揺れ、男の身体は固まった…。
 
 “ど、どうしよう…”
 
 ゆっくりと降りるテントのファスナー…そこから彼女の顔が…。
 
 男の心臓が大きく高鳴った。
 
 ゆっくりと顔を上げる彼女は目の前に居る栗っこを発見すると、目がキラキラと輝き始め、嬉しそうな表情をした。
 
 「ただいま…みなみちゃん」
 
 彼女の表情を見た瞬間、僕の行動に間違いが無かった事を確信した。
 
 気が付くと僕の胸元に飛び込む彼女…そして僕は彼女をそっと抱きしめた…。
 
 打つ付ける雨が僕達を手荒く祝福してくれた…
 
 そして僕のこれからの人生に新たな階段が開かれていった…。
 
 身近な幸せを大切に…そして身近な幸せを感じて…。
第十三章 僕の答え
 
福島県→宮城県(東北自動車道にて)
 
激しい雨が降りしきる国道一三号を疾走する一台のバイク。
 
十三号の先にある東北自動車道、飯坂インターを目指して走っていた。
 
激しく水しぶきを巻き上げ、全身をボツボツと大きな音を立てながら殴り付ける大粒の雨…それでも男は走っていた。
 
“今夜は十時までに出勤しなくてはいけない…ここからの距離とこの天候だとアパートに到着するのは五時過ぎ…”
 
“…と言う事は四時間ぐらいしか眠れない…寝不足じゃ仕事に支障が起きる…”
 
さっきまでの楽しい思いは薄れ、気持ちは現実へと加速していった。
 
インター入り口手前のスタンドで燃料を給油し、東北自動車道への準備を整えると、飯坂インターから一路北の方角へアクセルを限界まで開けた。
 
すると、さっきまで心地良く響いていたTWの排気音は高周波音を発する悲鳴を上げた。
 
それはまるで限界まで回る続ける工場の製造機械のように“ハタラケ!ハタラケ!”と叫んでいて…否が応でも気持ちは急かされていった。
 
曇った空…打ち付ける雨…。
 
走っても走ってもその先には灰色に塗りつぶされた世界が続く…ただ、路面に引かれた白線が点々と一直線に続き、まるで僕を現実へと導いているようだった。
 
“そうだ、僕は勝ち取らなくては…仕事を完璧にこなすようになって、信頼を得れば、あいつを越すことが出来る!そしたら、社会的地位が得ることが出来る…“
 
気持ちは現実へと向かい、固まっていった。しかし、心の片隅では白線の導く向こうに拒絶する自分がいた。
 
“牛串食べられなかったな…米沢ラーメンも…それに工事中で行けなかったあの断崖絶壁の温泉で見る景色は真っ赤に染まった見事な紅葉だったろうな…彼女に見せたかったな…”
 
栗っこの口から溜息が出たが、だが次の瞬間ニコッと笑みがこぼれた。
 
“そういえば、旅立つ彼女を見送るつもりだったけど、結局見送る事が出来なかったな…”
 
“もう今頃彼女、無事に公園に到着したかな?”
 
頭の中でつい先程の事が思い出された。
 
「残り少ない時間だから…一緒に走ろう…」
 
「ついでにおじさんからミカンもらっちゃった!それも熊本産だよ!」
 
「私、入る!」
 
「バスタオルなんてないしタオル一枚しかないけど、大丈夫だよ!」
 
「たった一秒でも栗っこくんと時間を共有したいんだ」
 
「ところで栗っこくん!」
 
「私の裸見たでしょう!これは高いわよー!」
 
「これ絶対おいしー!あんことかゴマとは違う新鮮な甘さだよ!」
 
「栗っこくん…ありがとう…」
 
キラキラと輝いていた彼女の瞳。あの時を思い返すと、彼女に叩かれた肩がほんのりと暖かく感じ、つい自分の顔が微笑んでいた。
 
“彼女もキャンパー達も心の底から笑い合っていた。そして愛想笑いしか出来なかった自分が…彼女とキャンパー達と交わって心の底から笑った…”
 
現実へと走っていく僕には、ついさっきの事がもう手の届かない場所にいって気がした…。
 
“熊さんのあの言葉の意味…そしてマイクさんの言っていたその答えは何だったのだろうか?”
 
「…俺にとっての現実は身近にあるから!」
 
「ハハハ!明後日までみなみちゃんと一緒に旅するのだろう?じゃあ明後日になったら分かるさ!」
 
「造られた社会だから、人間はそれ以上を求める。背伸びして、手を伸ばしても…でも大切なものは…」
 
頭の中をいくつもの言葉が駆け巡っていた。
 
“その答えは…いったい…”
 
頭の中で、その言葉の意味をひとつひとつ紐解き始めていた。
 
“造られた社会?じゃあありのままの社会って何だろう…そして僕はどちらの世界へ戻ろうとしているだろうか?”
 
“身近にある現実…”
 
“僕のこれから行く現実は身近にあるものだろうか?”
 
“それって…”
 
その時だった。競い合いながら速度を上げた二台の自動車が側を走り抜け、その追い越しざまに跳ね上げられた水しぶき。
 
全身に汚れた水が振りかかけられ。視界が遮られシールドを急いで拭き、熱くなった頭でアクセルをひねった。しかし、限界まで開けたアクセルはそれ以上動く事は無かった。
 
“くそっ!”
 
追い抜いた二台の自動車はたちまちの間に遠ざかっていった…。
 
“そうだ…こんな場所にのんびりしていたら僕は置いていかれる…この場所から這い上がらなきゃいけない!”
 
“僕の行く先には未来がある!でもキャンパーには未来は無い!社会の保障もないし、老後の生活だって…だから僕はその先に戻って頑張らなきゃ…そして約束された生活を手に入れなきゃ…”
 
僕の頭の中では機械を停めて、煙草の煙を上げ愚痴る人達と、キャンパーの姿がオーバーラップしていた。
 
“僕はこれから自分の眼の前に開かれた階段をどこまでも登っていき、より高い場所へ行くんだ!”
 
路面に叩きつけられた雨粒達が飛び跳ねていった。僕の視線は果てしなく続く白線の先の先へ…。路面に溜まった雨水に後輪が滑り、制御を失いかけたTWを必死にコントロールし続けていた。しかし、雨具の隙間から雨が浸入し、体温が奪われ身体が小刻みに震えた。
 
頭上を通過していく県境の看板…そしてパーキンキングエリアの看板を見つけると、時計を気にしながらパーキングエリアへと入れ、バイクを停めた。
 
身体中が止めど無いほどにガタガタと震え始め。温もりを求め、いつの間にか自動販売機の前へ、そしてコインを入れ、受け取り口に手を入れた。
 
“あれっ?冷たい!暖かい物を選んだはずなのに…”
 
取り出した缶ジュース。そこに描かれている濃紺から清々しい青空の色へと鮮やかにグラデーションしていく模様。
 
その模様を見入っていた。
 
“そうだ、全てはあの日から始まり、全ては彼女から展開していったんだ”
 
冷え切った缶ジュースに頬を寄せると、強く抱きしめた。
 
「いま分かったよ彼女が好きだ…」
 
雨は無情に男の上に叩きつけられていた。
 
「なんか静かになっちゃうね…」
 
「えっ!そう?僕はもともと口数少ないから…」
 
「嘘ばっかし…」
 
さっきまで何気なく交わしていた会話が今じゃ重々しい。
 
だだ、駅舎の出入り口の方向からは外の光が差込み、その方向へ足を進めていた。するとその向かっている方向から、誰かがこちらに向かって歩いて来た。
 
それは白い巨体の男だった。
 
二人の間に緊張が走った。
 
僕の右手は臨戦に備えて拳を固く握り締め、徐々に巨体の男との距離が…。握り締めた手には汗がにじみ、もはや接触するまでに迫った。
 
「あのー」
 
“ドキッ!”
 
巨体の男に呼び止められ、飛び出しそうな心臓を抑えながら、決戦の覚悟は出来ていた。
 
「なっ、何か?」
 
「この先に新幹線 が停まる駅 があるのですか?」
 
「え…ええ、この先ですよ」
 
蛍光灯の灯りが輝く、ホームの方向を指差すと、巨体の男は一礼しホームのある駅舎の奥へと向かっていった。
 
振り返ると、巨体の男の背にはまだメモが貼り付けられたままで、それを見た僕と彼女はバイクまで一気に走り、辿り着くと大声で笑い合った。
 
「みなみちゃんって本当にいじわるー」
 
「でも、栗っこくんはもっと悪い事しようとしたでしょう!」
 
「ハハハ!そうかも、でもまだ嫌らしい笑いを浮かべていたよ!あいつ」
 
「えー!それって嫌だなー、もっと貼り付けちゃえば良かった!」
 
笑い声が途絶える事が無い二人は、その流れに乗ったままにヘルメットを被り、TWとセローのエンジンを始動させた。
 
「じゃあ行くよ」
 
「国道一三号にぶっかったところでお別れだね」
 
その言葉に僕は静かに頷き、TWを発進させた。
 
雨に濡れた峠の道、身体中に打ち付ける冷たい雨。このバックミラーに彼女の姿が映っているのもあとわずか。でも…今なら笑ってさよなら出来そうな気がしていた。
 
樹林が生い茂る道を抜け出すと、そこには大河のように横たわっている国道が現れた。右に行けば福島県に抜け、その先には東北自動車道。僕が立ち向かい、勝ち取らなければいけない現実がある。左へ行けば米沢へと戻り、まだ残されている彼女の夢が続いていた。
 
そして僕が描いていたシナリオが完結する時が来た。
 
“苦労して彼女を捜し出し…感動の再会”
 
“キャンパーの不思議な空間を二人きりで過ごす…”
 
“…そして別れの時、彼女の姿が見えなくなるまで見送る…いつまでも”
 
激しく交通が行き交う国道の手前で、二台のバイクが止まった。
 
「今度は僕が見送るから、みなみちゃんが先に行っていいよ!」
 
「私こそ、栗っこくんが視界から見えなくなるまで見送るから、先に行っていいよ!」
 
互いに見送りを主張し、収拾がつかなくなり。握った右手を上下に動かし、じゃんけんを誘うと、彼女も握り締めた右手を出して、見送り役を決める事になった。
 
その勝負の結果は、僕がチョキ…彼女はグー。
 
「しょうがない…僕が負けたから先に行っていいよ!」
 
「何言ってるの!私が見送り役でしょ!」
 
最後まで途切れることが無い笑顔。
 
「じゃあ!また!」
 
「じゃあ!また!」
 
別れの言葉を交わすと、雨の国道を福島に向かって走り出した。
 
バックミラーにはいつまでも彼女の姿…。

改めてみんなに感謝〜

去年はいろいろあったけど改めてみんなに感謝です〜
 
みんなの暖かな励ましのおかげで元気になれました、本当に感謝です〜
 
今年もいろいろな出会い〜そして旅を楽しんで行きます〜
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つー事でタイムマシンに乗ってGO!!

昨日のおいら〜

昨日のおいらは〜
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某所でキャンプして〜
 
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朝食取っていたら〜
 
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そこにレトロな自動車〜
 
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車種は分からないけどマジ凄い!!
 
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そこは木の葉が色づき始め〜秋の気配〜
 
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某所のレストハウスは寒かった〜(><)
 
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でも対向車が来ない峠道は面白かった〜
 
何気にビックバイクかもったり〜(ビックバイクが相手にしてないだけだよ〜おじさ〜ん!!)
 
こんな感じの一日でした〜

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