ヤマハ2スト気まぐれ日記(時々TWと山遊び)

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 週末は個人的に忙しくブログアップ無理そう(><)…て事で急いでブログアップ!
 
 世間に見せたくない方は早めに教えて下さい!!(一週間程で書庫移動&フィルターをかけるので、じっくり見てくださいね!!)
 
イメージ 1
親子さんのR1Z〜良く見るとスイングアームが交換され、その他細かなパーツ交換もされてます。
 
パーツの話を一つ一つ伺う旅に納得させられます!!さすがです!!
 
イメージ 2
ノーマル基調としながらも、こまかなパーツが交換されたRZ−R♪
イメージ 3
ボディ同色に塗られたビキニカウルがGOOD!です!!おじさん好きです!!
 
イメージ 4
RZV500!これも細かな部品が強化されてます!!
走り重視にカスタムされてGOOD!!です!!
 
イメージ 5
このカラーリング♪ゼッケンナンバー♪バイク映画の傑作汚れた英雄♪
 
もう当時の気分です!!じっくりと見入ってしまいます!!
 
「はあ〜、悔しいなー、もう少しで米沢だったのに」
 
TWから降りると、僕は力なく道端に座り込んだ。
 
「残念…もう少しだったね」
 
僕の肩をポンと叩くと彼女は隣に腰掛けた。
 
「でも私、あーゆーのって嫌じゃないなー。あれって人生のもあるでしょ!例えるなら挫折かな〜。私なんか挫折を乗り越えこーんなに人間が大きく…」
 
「みなみちゃんの大きいって態度じゃ…」
 
僕をフォローしてくれている彼女に、なぜか僕からは天邪鬼な言葉が出ていた。
 
「なんて事を言う!」
 
次の瞬間、彼女の拳が僕の肩口へと飛んだ。
 
「いてて!」
 
「それは天罰です!」
 
底抜けな笑顔を見せる彼女に、僕の心に差していたへこみも一瞬で吹き飛ばされていた。
 
そんな二人のすぐ側には磐梯山が荒々しい山肌を見せそびえ、反対側に眼を移すと広大な吾妻連峰の山塊が横一面に連なり、山頂は紅く色付き紅葉の気配を感じていた。
 
眼の前に広がる湖の穏やかな湖面には、優雅に雲が流れていく景色を映し出し、気が付くと彼女がくわえたタバコがフワリ青空へ舞い上がり、その蒼い煙の行方を僕は何処までも追っていた。
 
いつもは見逃してしまうもの…身近にある何気ないもの…それらを僕は心地良く感じていた。
 
そんな気持ちに浸る僕の膝の上には、今までの旅の行程が蛍光ペンで記された彼女の地図が広げられていた。
 
「そこを走っていた頃は、まだ旅が始まったばっかで、周りを見る余裕がなく一生懸命走っていたな〜」
 
「へぇー、今のみなみちゃんからは想像つかないなー」
 
「北海道でのんびりしているうちに、そーなったのかなー」
 
そう言うと彼女はニコッと笑い。
 
僕は北海道という地名に妙に納得させられていた。
 
彼女が煙草を吸い終えると、進路は再び喜多方へ…。
 
そしてマイクさん…熊さんの言っていた言葉の意味がほんの少し分かったような気がした。
 
日差しは僕と彼女の頭上に注がれ。
「ねえ!栗っこくん!もうこんな時間だよ!」
 
携帯を開き驚いている彼女に、僕も時計を見た。
 
「えっ!もうこんな時間!」
 
時はもう少しで正午になろうとしていた。
 
「この時間だと喜多方は混んでいるなー」
 
「えーっ!混んでいるの?」
 
「じゃあ、喜多方ラーメンはパスして、足を一気に延ばして米沢ラーメンを食べようか?」
 
「米沢ラーメン?」
 
初めて聞く、ご当地ラーメンに彼女の眼は丸くなった。
 
「喜多方はもっちり麺のちょっとこってりスープだけど、米沢は昔懐かしい、縮れ細麺のあっさりスープ…だけど何杯食べても飽きない味なんだ!」
 
「うーん、米沢が食べたくなった!じゃあ、米沢目指してゴーだ!!」
 
そう言うと、彼女は地図を開き、今までにない真剣な表情で地図を見つめ、地図上をなぞっている指がピタリ止まった。
 
「あっ!近道発見!」
 
その一言と共に、眼をキラキラと輝かせ、彼女の身体は僕へと摺り寄せながら地図を差し出した。
 
「ここ!ここからだとこのルートが近道だよ!」
 
彼女の細い指は地図上のルートを行き来していた。
 
「檜原峠と綱木峠?」
 
小さな地図に身を屈め見入っていた。
 
気が付けば彼女の息遣いが頬に伝わり。ふと顔を上げると、すぐそこに彼女の顔…心臓の鼓動が再び早まっていった。
 
「この道ダートだけど、栗っこくんは大丈夫?」
 
「だ、大丈夫…」
 
「よしっ!ここなら街は通らないし、近道だ!」
 
元気に立ち上がる彼女。僕は心臓の鼓動を治めようと、大きく深呼吸し、ゆっくりTWを跨ぎ進路を変え走り出した。
 
何なんだ!?この自分!こんないい歳こいて動揺しているなんて…”
 
再び走り出したTWとセロー。湖を沿うように曲がりくねる道から反れ山間の道へと入っていった。
 
ここからは檜原峠から綱木峠…この二つの峠を越え…そして米沢へと抜けるのだった。
 
まわりはうっそうとした木々が生い茂り、昼なお暗い荒れた砂利道が続くダートへ突入した。
 
深く刻まれた路面の凹凸に四苦八苦しながら、暴れるTWを抑え、ちらり見るバックミラー。
 
“大丈夫…彼女はいる…”
 
アクセルを開けると埃が舞い上がり、後輪に巻き込まれた砂利が飛んでいく…。
 
右へ左へ複雑に屈折し道は上へ上へとどこまでも続いていた。
 
不意にアクセルを開けると、後輪が大きく外へと膨らみ、すぐそこには谷底が迫り、全身に張り巡らされた神経が尖る…。
 
“後ろの荷物がキツイ…でも彼女の方がもっとキツイはずだ…”
 
バックミラーの目を配り、彼女の安否を確認し、再び前を向いた瞬間。眼の前に続くはずの林道に巨大な物体が横たわり道を塞いでいた。
 
慌ててブレーキレバーを握った。
 
しかし、グリップを失った前後両輪は路面を捉える事が出来ない。
 
埃が激しく舞い上がっていく…、制御不能に陥ったバイクはいまにも転倒しそうになりながら、真横を向き、道に横たわる物体に衝突しようとした。
 
「栗っこくん!足!足を出してバランスを取って!」
 
後方から飛んだ彼女の声。
 
その声に押され、瞬時に足が飛び出し、靴底が激しく路面にこすれていった。
 
だが転倒しそうなほど暴れていたTWは、真横を向きながらも安定し、衝突の一歩手前で静止した。
 
“ふー”
 
思わず身体から大量の息が吐き出された。
 
緊張から解き放たれた身体。
 
眼の前には大量の土砂が道を埋め尽くし、見上げると崖一面が真新しい地肌をさらし、物凄い崩落があった事を感じさせていた。
 
心配そうな表情を浮かべる彼女がすぐ後ろにいた。
 
「みなみちゃんありがとう…助かったよ」
 
唖然と道を見る二人。
 
「戻ろう…」
 
「うん…」
 
肩を落とし引き返す峠道。湖沿いの道まで戻ると、バイクを停め、小休止を取った。
 
シールドを撫でていく風の音、もぎたての新鮮な朝の風が二人の身体を突き抜けていった。
 
今日走るルートは、これから裏磐梯を抜け喜多方で昼食を取り、そこから山形県まで足を延ばし、米沢でキャンプキャンプする予定でいた。
 
順調に走り続けるTWとセローだったが、観光地が密集している猪苗代湖北側湖面の国道49号に入った途端、渋滞の列に囚われてしまった。
 
信号が青になっても、なかなか前に進む事が出来ず、少し進んでは止まり、進んでは止まりの連続だった。
 
“くそっ!この渋滞!!今日は三連休の中日のせいか…”
 
次第に気持ちがイラついてきた。だがその時…。
 
「栗っこく〜ん!あの茅葺屋根の建物なーに?」
 
「あー!あれ?あれは野口英世記念館だよ」
 
「へぇ〜、あの千円札の人か〜。あっ!こっちの地ビール館なんてものがある!!バイクじゃなきゃキュッと飲んでいるのに!」
 
「はいはい、言っていなさい」
 
のろのろと走る車列。信号待ちで止まると彼女が隣に並び、その度にたわいのない会話が飛び出し、いつの間にか僕は赤信号が心待ちになってしまった。
 
「栗っこくん、次の信号左だよ!」
 
「オッケー」
 
渋滞する国道49号から裏磐梯へと通じる国道459号へ入ると、前を塞いでいた自動車や信号は消え、見上げると磐梯山が裾を大きく広げ僕達を出迎え、その懐へ向かってアクセルを開けた。
 
ぐいぐい登っていく坂道、うっそうとした木々の中を突き進んでいく。曲がりくねっていくカーブの連続を軽快にこなすと、木々の間からはさっきまで僕達が渋滞ではまっていた国道が眼下に小さく見え、自分がふわり飛んでいる感覚になっていた。
 
“気持ちいい!”
 
反対側の木々の間からはキラキラと太陽の光をはじき輝く沼湖群の姿がチラチラと姿を現し始め、その風景についアクセルを緩め見入ってしまった。
 
“綺麗だ…”
 
するといつのまに隣に彼女が並び、人差し指を立てた手を前方へと大きく動かしていた。
 
“道の駅!?”
 
「そこで休憩しよう!」
 
「オッケー」
 
ヘルメット越しに声が飛び交うと、TWとセローは道の駅へと入り、隙間だらけの駐車場へバイクを停め、近くにあったベンチへ腰掛けた。
 
「んー!今日は良い天気だね〜」
 
彼女はベンチから立ち上がり、両手を上げて全身を思いっきり伸ばした。
 
僕はそんな彼女の様子にニコッとしながら、駐車場の方を眺めていた。
 
駐車場に車を停め、道の駅へと足早に向かう若者達。土産物を抱え車へと戻る老夫婦。ソフトクリームをほおばりながら歩くカップル。
 
そんな人達の忙しい足並みは、僕と彼女の前ではゆっくり歩いていた。
 
それは、くすんだ黄色いジャンパーの彼女とよれた迷彩のパーカーの僕を横目で見る視線と、離れた場所では荷物満載にしたバイクを指差す人の姿が見えた。
 
その様子に、なぜか僕の口元は微笑んでしまっていた。
 
“あれはきっと数日前の自分自身だ…初めてみなみちゃんと出会った時はそうだった…今じゃ僕はこの場所にいる…時を忘れ…とても心地いい場所に…”
 
道行く人達が数日前の自分自身だと思うと、そんな自分自身が可笑しくてたまらなくなっていた。
 
「栗っこくん…何ニヤニヤしているの〜?」
 
「いや…みなみちゃんと初めて会った頃の自分を思い出して…」
 
「ふ〜ん?」
 
ちょこんと首を傾げると、僕の肩が触れてしまうほどの場所に彼女は腰掛け、ふと隣を見ると彼女の瞳がいつになく近い場所にあって、思わず下を向いてしまった。
 
“心臓がバクバク言っている…”
 
その飛び出しそうな心臓を抑え、ゆっくりと隣を見ると、彼女がペットボトルに入った紅茶を口にしていて、その光景がとても眩しく見えた。
 
「栗っこくん…飲む?」
 
すると手の甲で唇を拭きながら、彼女からペットボトルが差し出され。その口元に動揺しながらも平静を装い、ペットボトルを受け取り、紅茶を飲んでいた。
 
「どう?その紅茶?今朝精魂こめて作った力作だよ!」
 
「う…うん、おいしい」
 
彼女に顔を覗き込まれ、視線が彷徨う。
 
その時、道の駅の前を通る国道を数台のバイクが走り抜け、彼女の視線はその姿を何処までも追い続け、僕はその視線が気になっていた。
 
「知り合い?」
 
「いや違うよ。みーんな頑張って走っているなーって…」
 
「ふうーん」
 
納得しながらも、どこか落ち着かない気持ちになっていた。
 
“なんなんだ…この感情は?”
 
自分でも理解できない変な感情が涌いていた。
 
やがて納屋の奥へと入ると友人はある一角で止まった。
 
「ちょっと見てくれよ!フフフ!」
 
そこに置かれていたのはかなりいじられた一台のバイクだった。
 
それは、エンジンの裏側からボルトに至るまで磨きこまれ、乗られた形跡など全くなかった。
 
「フフフ!すげーだろー!エンジンから足回りに至るまでぜーんぶ手が入っているんだぞ〜、この一台を仕上げるのにすんげーバイク集めたぞー!!」
 
「回りに転がっているバイク…この一台の為に?」
 
「フフフ!そうだよ、このZちゃんの為さ〜!フフフ!」
 
一台のバイクに喜びを抑えきれない友人。
 
でも周囲に転がるバイクが自分に似ているようで、僕は素直に笑う事は出来なかった。
 
「おー!すっかり忘れていたよ!フフフ!自動車探しているのだったよね」
 
そう言うと友人は更に納屋の奥へと入り、突然足が止まるとポンと自動車の屋根を叩いた。
 
「フフフ!どうだ?型は古いけど、まだまだ走るぞ〜」
 
「うん…そうだなー」
 
その車を一回り覗き込んだ。
 
「ふーん、CDやエアコンも付いている…装備だって悪くないな」
 
その自動車を購入しようとした時だった。側に転がり埃まみれのバイクに目が止まった。
 
「これ動く?」
 
あーこれ?この太いタイヤZちゃん使えるかと思ったけど、全然役に立たなかった奴だ〜」
 
そう言うと友人は、横たわって宙に浮いた後輪を蹴ると、太いタイヤはカラカラ音を立て回っていった。
 
「走るのじゃないかな〜?」
 
「うん、じゃあこれにする」
 
「こんなのでいいのか〜?」
 
友人は目を丸くし、僕は転がっているバイクにニコッと微笑んでいた。
 
これが僕とTW200との初めての出会いだった。
 
 
あの時…TWと出会った時、こんな駄目になった僕をどこかへ連れて行ってくれそうで…そうTWが言っていたようで…。
 
振り返ると、そこにあの時のTWがいた。
 
 
“さあ何処へ行く?”
 
僕を待ちわびるTW200。キックを踏み降ろすとTWは元気に目覚めた。
 
心臓の鼓動のように一回一回刻む排気音。それはとても心地良く、僕の心を落ち着かせていた。
 
“いよいよ発進だ!”
 
ギアを入れ、後方へ視線を送ると、彼女からは親指をぎゅっと立てた右手がスーッと突き出され、それを合図に僕と彼女との旅が始まった。

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