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以前つくった文書ファイルを整理していたら、尼崎繁殖業者事件の声明文を出した後、声明文とともに尼崎市宛てに送った申入書を見つけました。

確か、動物法ニュース27号に掲載された記憶がありますが、時間をおいて見直してみると、まあまあよくできているなあと思ったので、行政への申入れの一例としてアップします。
なお、形式面には若干手を入れています。

そういえば、この事件をきっかけに、尼崎市では、市民委員をメンバーに入れた「尼崎市における動物愛護管理行政のあり方検討会議」が発足しました。

一般社会からは、この事件も忘れられているかもしれませんが、動愛法35条・行政による犬ねこ引取義務の改正議論はまさにこれからですし、その意味でも大事なテーマだと思いますので、公開します。


                 申  入  書

                         2010年(平成22年)1月29日
尼 崎 市 長   殿
                           THEペット法塾      
                           代表世話人 弁護士 植 田 勝 博 
                           事務局長  弁護士 細 川 敦 史                            
1 「THEペット法塾」は、ペットを含む広く動物にまつわる法律問題について法律専門家とボランティアが共に研究し、連携して問題解決に取り組んでいる組織です。

2 2009年12月、尼崎市内で営業する犬の繁殖業者「A」の違法飼育問題が、連日のように大きくマスコミに取り上げられました。
 当該業者は、犬について義務づけられている登録および予防注射をしていない「狂犬病予防法違反」、当該営業地域内において10匹以上の犬を飼育する場合に必要とされる許可を得ていない「化製場法違反」、店舗建物の3階から5階部分を無断で増築した「建築基準法違反」を行っており、これらの違法行為が次々と報道されました。
 一方で、このような悪質かつ違法な動物取扱業者を適切に指導・監督すべき尼崎市も、業者による違法状態を知りつつ、長年にわたり実効的な措置をとっていないばかりか、業者から売れ残った大量の犬を引取り殺処分する等、むしろ、違法営業を手助けするかのような処理をしていたことが判明しました。

3 当塾は、2009年11月21日、大阪府高槻市で開催したシンポジウム「真に動物を守る法律へ 緊急提言!〜2011動物愛護管理法見直し改正に向けて〜」の中で、現在の動物愛護管理法およびその運用について、網羅的な問題提起をいたしました。当然、われわれは、その中で、繁殖業者を厳しく規制する法改正、行政に犬ねこの安易な引取りをさせない(飼い主に持ち込ませない)法改正が必要であることを提言したばかりでした。
 今回のケースは、前記シンポジウムの余韻がさめやらぬうちに発覚した、まさに現在の動物愛護管理法および行政による運用が不十分であるがために深刻な問題として露呈した典型的事例というべきです。また、これは決して尼崎市だけのレアケースではなく、氷山の一角であると考えられます。
 そこで、当塾は、繁殖業者の規制強化および犬ねこの引取り制限については、2011年の動物愛護管理法の見直し改正に盛り込まれるべきであるとして、2009年12月24日、「尼崎市の犬繁殖業者による違法飼育問題に関する声明」を発表いたしました(別添資料のとおり)。

4 もちろん、法改正によらずとも、現行法規の枠内でも、当該業者に対する適正な指導・監督は十分できたはずであり、尼崎市が実効的な措置を執らなかったことが今回の事件を深刻化させた大きな原因の1つであることは否定できません。  
 違法・悪質な繁殖業者、動物取扱業者を適正かつ実効的に指導・監督するためには、勧告、命令、検査権限を行使し、ときには刑事告発を行うことが必要です。また、これらの監督権限を、時機を逃さず適正に行使させるためには、動物担当部署の増強、担当者の専門性確保、そのための定期的な研修の実施、動物団体ほか外部組織との連携などが求められます。

5 これらの監督権行使を怠ったばかりでなく、違法飼育を続けていた当該業者から5年間にわたり漫然と多数の犬の引取りを続けた尼崎市の対応には大きな問題があります。
 動物愛護法の精神はもちろん、平成18年1月20日環境省告示第26号「犬及びねこの引取り並びに負傷動物等の収容に関する措置」には「都道府県等は、この引取り措置は、緊急避難として位置付けられたものであり、今後の終生飼養、みだりな繁殖の防止等の所有者又は占有者の責任の徹底につれて減少していくべきものであるとの観点に立って、引取りを行うように努めること。」と定められています。違法業者から売れ残りの犬を引き取り殺処分し続けることは、これらの法令の精神に真っ向から反するものであり、違法行為の誹りを免れません。行政は、犬ねこの引取りについては謙抑的でなければなりません。

6 尼崎市におかれては、今回の事件を教訓として、今後は「動物が命あるものであることにかんがみ」とする動物愛護法及び動物関連法規の趣旨に則った法の運用改善をされるよう強く申し入れます。
                                        以  上

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本年も、THEペット法塾の主催で、下記シンポジウムを開催します。

動愛法改正議論のまっただ中で、あえて野良猫問題を取り上げることにしました。
犬猫の引き取り数・殺処分数の統計の推移を見る限り、犬は減少しているものの、猫は依然として減少していません。
そして、引き取り猫のうちほとんどが子猫であり、そのもとは野良猫と考えられます。
となれば、引き取り問題を考えるにあたり、野良猫問題を避けて通ることはできません。

現状では、野良猫問題解決の成功事例はないのかもしれません。
だからこそ、たくさんの人たちから、現場の事例や模索中の考えを報告してもらいたいと考えています。

追記:報告者の追加、変更があります。

◇◆THEペット法塾2010シンポジウム◆◇
「野良猫問題を考える 〜加藤元名人の猫餌やり判決を受けて〜」

【主催】
THE ペット法塾 http://www.the-petlaw.com/
動物法ニュース http://serado.main.jp/

【趣旨説明】
各地で沸騰するノラ猫問題。 餌をやりたい人、猫を追い出したい人・・・
今や訴訟問題にまで発展する始末。
判決は出たものの、本当は誰が悪いの!? 「地域猫」で本当に解決するの?
現場の苦悩と限界を、地域のボランティア、頑張る行政マン、法律の専門家など
様々な人が語り合い、これからの時代の真の解決方法を探ります。

日時:2010 年11 月13 日(土)13:00〜17:00
場所:大阪駅前第3ビル17階 ティーオージー大阪会場
http://www.ances.jp/osaka/map.html

1 基調講演:吉田眞澄 帯広畜産大学理事・副学長/弁護士 

2 ゲスト講演:工藤久美子 NPO 法人 ねこだすけ代表理事

3 各地からの報告:
 弁護士…細川敦史
 行政職員…黒澤 泰(横浜市)、高木優治(新宿区) 、柘植 康(愛知県) 他
 ボランティア…溝淵和人(静岡県) 桑畑和子(尼崎市) 他 

4 パネルディスカッション
 パネリスト…吉田眞澄、工藤久美子、高木優治 他
 コーディネーター…弁護士 植田勝博

<参加費・資料代:¥2,000>
参加申し込み方法
 氏名(ふりがな) TEL メール そ蠡庵賃
をご記入の上、メール、FAX にてお申し込み下さい。
■E-mail  koho★the-petlaw.com (★を@に変えて下さい) 
■FAX 06−6433−3817
お問合せ : シンポジウム事務局 090-9889-7063

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シンポジウム雑感

9月20日、朝7時ちょうど新大阪発の新幹線に乗り、車中で天むすを食べて、神奈川県動物愛護協会のシンポジウムに行ってきました。
会場には5分前到着で、ギリギリセーフ。

会場が獣医学で有名な麻布大学だけあって、パネラーの半数が獣医さんで、若い学生さん達も参加していたようなので、超文系の私は少しだけアウェー気分。


自分の発表はさておき、他の発表者の中で「ペットショップなどで繁殖業者の出所表示をさせる」というアイデアがあり、面白いと思いました。
スーパーの野菜売り場にある「○○県の農家△△さんが育てました」を動物に転用するというものです。
ペット法塾でも、ペットの出所表示、トレーサビリティについては問題意識を持っていましたが、早期段階でのマイクロチップ装着を義務づけることによって実現を図ろうという考えだけでした。

マイクロチップについては、当然、コスト増を理由として業界から強い抵抗があるので(もちろん、コスト増を意図しての提言なのですが)、実現可能性の点では問題があります。
一方「ショップに紙を貼るだけなら、お金はかからないから問題ないでしょ」「何かあったときのために責任の所在を明らかにしておくことに、何か問題あるの?」ということで、反対する論拠が弱くなりそうです。
もちろん、これはこれで越えなければならない高いカベがあるのですが。


午後のパネルディスカッションは、パネラーのくせに、他のパネラーに何度も質問してしまいました。
動愛法改正の検討状況について、参加者を代弁して、委員の先生方にいろいろ聞いてみたかったので。
その結果、えらい先生から私の想像を超えた力強い意見をお聞きできて、非常によかったです。

閉会後、懇親会へ。
人と直接会って話をするのは、いいことです。
100回メールするよりも1回会った方が、すっと打ち解けられる気がします。

1次会が終わってダッシュで新幹線に乗り、日付が変わる前に帰宅しました。
ウワサでは、2次会、3次会もあったとのこと。皆さんパワフルです。

シンポジウムの参加者、関係者のみなさま、お疲れさまでした。

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動物愛護週間(9/20〜9/26)の初日、3連休の最終日に神奈川県へ行ってきます。
神奈川県動物愛護協会から、シンポジウムの発表者・パネリストとしてお誘いをいただきました。

動物関係のテーマで何度か講演やパネリストをしましたが、関西以外で話をするのは初めての機会です(関東育ちのくせに、ちょっとアウェー気分です)。

シンポジウムのテーマは、動愛法改正の検討項目のうち、動物取扱業規制に焦点をあてています。
環境省の動物愛護部会小委員会でも、本格的に改正の検討が始まっているようで、まずは動物取扱業の規制について、9月15日、16日と愛護団体・業界関係者それぞれからヒアリングが予定されています
これから年末にかけてが、ひとつのヤマ場です。

本番まであとわずかですが、夜なべしてレジュメを作り、しっかりと準備していきたいと思います。
当日は、日帰りツアーです。

□■□■シンポジウムのお知らせ■□■□

 動物愛護管理法改正に向けてのシンポジウム 
       
  ―私たちが考える動物取扱業の法規制― 

【日時】  2010年9月20日(月・祝)10:00〜16:00 
【場所】 麻布大学8号館7階 百周年記念ホール 
     交通アクセス  JR横浜線「矢部駅」北口下車 徒歩4分  
【参加費用】  資料代500円(定員300名 先着順) 
【主催】 財団法人 神奈川県動物愛護協会 
【後援】 麻布大学/神奈川県 

※※内容※※ 

■「動物愛護管理法改正の方向」 
  城島 光力(民主党衆議院議員・犬猫の殺処分を禁止する議員連盟会長) 

■「米国の動物に関する法律とアニマルポリス」 
  西山 ゆう子(米国獣医師・Village動物病院院長) 

■動物愛護管理法をいかに改正・運用すべきか 
  細川敦史(THEペット法塾事務局長・弁護士) 

■「動物取扱業の監視指導について」 
   小林 直人(神奈川県動物保護センター業務課長) 

■「ペット業界の裏側」 
  成田 司(株式会社 コークア社長・元ペット販売業) 

■「動物レスキューの現状と法改正に求めること」 
  渡辺 眞子(作家・動物愛護管理のあり方検討小委員会委員) 

■パネルディスカッション 
 パネリスト: 西山ゆう子/細川敦史/成田司/渡辺眞子/ 小林直人/中野真樹子(IFAW日本事務所スタッフ・獣医師) 
   
※都合により演者が変更になる場合がございます。予めご了承下さい。

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 現行の動愛法では、動物繁殖業を取扱業者の一区分としていない。「動物取扱業者が遵守すべき動物の管理の方法等の細目」の中で、販売・貸出し・展示業者が繁殖をする場合の方法について、3項目を定めているだけである。

 繁殖業者は、動物からあらたな動物の命を生み出す業種であるが、従来、動物の命や健康を犠牲にした乱繁殖を繰り返し、売れ残った動物はゴミとして行政に持ち込み、また、貧弱な経済力・倒産により、多数の動物を餓死させ、放置し、遺棄するという悲惨な事態を発生させてきたものであり、動愛法ないし関連法に反する業態を呈してきた。

 本来、繁殖業者は、健康で適切な動物を生み出す責務があるととともに、生まれてきた動物の命に対する責任を負うというべきである。そのため、繁殖業者には、経済的な基盤や適切な物的施設を備えるだけでなく、動物や繁殖等についての知識や倫理観を兼ね備え、経営悪化による事業の崩壊を回避しつつ、利潤のみを追い求めることなく動物の心身に配慮した繁殖を行う能力が求められる。

 かかる繁殖業者の特質に鑑みれば、他の動物取扱業と同じ登録制では不十分であり、繁殖業の適正を確保するため、より高度の規制を及ぼす必要がある。具体的には、動物の血統や適切な子孫を残すための知識を備える、繁殖回数は年1回までとする、遺伝疾患の有無のチェックを実施する、生まれた子が親と分離するまでの「適切な期間」を明確化し保証する、適切な買主を確保して譲渡する、売れ残った動物について動愛法の趣旨に則った命の責任を負うこと等を法的に義務づけることが考えられる。

 繁殖業者のほとんどは販売業の登録をしていると考えられるが、繁殖業者特有の問題がある以上、販売業の中に相当数含まれている繁殖業者を抜き出して、登録制ではなく、許可制や免許制等も視野に入れた強い規制が必要である。

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