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内容は、工具についてです。 記事は、アンケートに対する回答という形をとっていますが、工具についての私の見解を、 もう少し補足したいと思います。 ■オフセット・コンビネーションレンチ コンビネーションレンチは基本的には使いません。 というのも、私はスパナを使用することがほとんどないからです。 ただし、ボルトの二面幅10ミリ以下のものについては、コンビレンチを使うことがありますが、 使用するのはメガネの部分だけです。 スパナ側は使用しません。 スパナを使用するのは、サイドミラーの脱着とアクセルワイヤーなどの遊びの調整くらいでしょうか。 エンジンオーバーホールを行う場合にも、コンビレンチやメガネレンチを使用することはありません。 車体整備の場合は、スペースに余裕のない箇所についてのみ、メガネレンチを使います。 トルク管理が必要なボルト(アクスルシャフトやサスペンションまわりのボルト)にはトルクレンチを使用します。 この場合は、確実にトルクを伝え、かつボルト・ナットの頭を痛めないように、12角ではなく6角のソケットを使用するようにしています。 メーカーについてはとくにこだわりを持っていませんが、メガネレンチなどのハンドツールについては、 ポリッシュされたものではなく、梨地肌のものを選んで購入しています。 すぐに補充できるKTCのもの、あるいは、スタビレーなどのドイツ製品を選んでいます。 ■ソケットレンチ系 エンジンオーバーホールを行う場合、必ずソケットレンチを使用します。 基本的にはTレンチの使用頻度が最も高く、その次にエクステンションバーです。 意外かもしれませんが、ラチェットについてはほとんど使用しません。 コンビレンチの項で書きましたが、12角ではなく6角のソケットを使用しています。 これは、何よりも、確実なトルクの伝達を第一に考えているからです。 エンジンを組む作業では、ソケットレンチを使用する場合、そのほとんどはトルクレンチとの併用になります。 メーカーはKTCを中心に、ひとセットを揃えていますが、頻繁に使用するソケットはほぼ決まっていますので、 痛んだら定期的に交換するようにしています。 ■ドライバー 80年代以前のエンジンは、クランクケースカバーの固定にプラスビスが使われています。 このビスは、固着していることが多いため、ドライバーの選択にはかなり神経を使っています。 主に日本製のエンジンを扱いますので、使用されているビスも日本製です。 日本製のビスには日本製のドライバーが最も良くフィットするようです。 ビスは締めるよりも緩める方が難しく、頭をなめないように、かなり神経を使います。 このため、固着したビスには打撃を加えてから緩めることが多く、貫通タイプで、かつ、確実にグリップできる 樹脂製のグリップのものを選んで使っています。 先端部分に特殊な加工がしてあるものや、高価なものは使用しません。 最もスタンダードなKTCのモデルを選択し、ドライバーの先端が摩耗する前に、 新品に交換するようにしています。 ドライバーは他の工具にくらべて消耗が早く、先端が摩耗するとビスの頭をなめやすくなります。 したがって、摩耗してしまう前に定期的に新品交換することを心がけています。 ■ペンチ類など握りもの 握りものは、しっかりとした造りのものを選ばないと非常に苦労します。 私が最も金額を割くのが、ペンチ類かもしれません。 とくに、エンジンにはスナップリングが多く使用されていますので、スナップリングプライヤー を頻繁に使用します。 スナップリングプライヤーは、リングの種類やサイズに応じて、適切なものを細かく揃えています。 高価ですが、クニペックスのものを使用しています。 握りものについてはクニペックス以外には考えられないほど、このメーカーを信頼しています。 ■測定機器 高価な測定機器を使用しても、測定方法が不適切だと、正確な結果が得られません。 エンジンを組む上で、測定という作業は必ず行いますので、室温や測定箇所、 測定するパーツの支持方法など、かなり神経を使う必要があります。 たとえば、ピストンの外径を測定する場合、アルミ合金製のピストンを素手で持つと、 体温によってわずかに膨張し、測定数値が変化することがあります。 とくに冬季は、測定方法には、細心の注意を払うようにしています。 ダイヤルゲージ、マイクロメーターはミツトヨのものを使用しています。 必ず国内で製造された製品を購入します。 ■工具に対するこだわり、重視する点 工具に対するこだわりというよりもむしろ、その使用方法に注意を向けるべきだと思います。 たとえば、ドライバーのグレードにこだわるよりも、ビスの頭を痛めずにしっかりと緩めるための 手順、力の掛け方、見切りの方法を学ぶほうが重要です。 整備を行う上で最も難しいのは、ボルト・ナットへのアプローチです。 整備士が、ボルト・ナットをどのように緩める、あるいは締めるか。 そのアプローチを見るだけで、整備士の持つ技量を計ることができます。 重視すべきは、工具そのものよりも、その使用方法だと考えています。 |
工具/ケミカル
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エンジンを組む際に普通はエンジンオイルやモリブデングリス(指定箇所)を塗布して組み付けますが、私の場合はオリジナルブレンドしたアッセンブリールブリカントを使用しています。 エンジン単体でオーバーホールをお受けするとオーバーホール完了からエンジン始動までかなり時間が開く場合があります。エンジンオイルの油膜は2週間ほどで落ちてしまうため、金属表面にある程度定着するアッセンブリールブの使用がドライスタートでのマージンを産むと考えています。 私が考えるルブの条件は ■エンジン始動時の初期摩耗・カジリを防止すること ■金属表面にある程度定着すること ■オイルシールへの攻撃性がないこと ■エンジンオイルと親和性があること ■薄く伸びること ですが、これにプラスしてエンジン添加剤の性能を持たせておくようにしています。 添加剤をブレンドすることでエンジン始動時、とくに潤滑の厳しい摺動面の金属表面を改質し保護してくれるため、確かな効果を期待できます。 |
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フライス盤の導入が完了しました。 オートバイパーツの加工にはこのサイズで充分です。 |
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これまで使用していたRKのチェーンルブは、潤滑性は充分なのですが使用後の飛び散りがひどいことと 粘着性の高さゆえに路上のダストを拾い、結果的にドライブチェーンの寿命を縮めてしまうことが難点でした。 今回、スーパーZOILチェーンルブを使用してみましたが、 粘度がそれほど高くないためドライブチェーンの隅々まで染み込むような塗布感で、雨上がりの濡れた路面を走行してみましたがダストの付着もほとんどありませんでした。 金属表面改質効果によりチェーンおよびスプロケットの摩耗が抑えられるということですが、その効果は距離を乗ってみて確認する必要がありますね。 粘着性の高いチェーンルブにくらべてメンテナンスサイクルは短くなりますが、使用感も良くダストの噛み込みが抑えられることが大きなメリットとなります。 |
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エンジンオーバーホールに欠かせないのがエンジンスタンドです。 スタンドがあることでトルク管理は勿論、正確な分解・組立作業を行うことができます。 私がエンジンスタンドに求めるものは、 ■エンジンを載せたときにガタなくしっかりとクランプできること ■エンジンを組む上で作業しやすいようにいろんな角度から(エンジンの種類によります)使えること ■スタンド自体に歪みやガタがないもの 上記3点ですが、ネット上で販売されているものはこの条件を満たすものが少ないようです。 エンジンスタンドは当社のお客様でもあるH氏に制作を依頼しているのですが、簡単な図面とポイントを伝えるだけでクオリティーの高いものを安価で製作していただいております。画像のRZエンジンスタンドについては依頼時にいくつか細かい注文をさせていただいたのですが、すべてキッチリと対応してあります。 |


