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ならし運転完了。 エンジンと対話しながら時間をかけて行う「ならし運転」は、意外に楽しいものです。 「ならし運転」完了といっても、まだ2000kmを消化したに過ぎません。 定期的なオイル管理やポイントを押さえた調整を怠らなければ、走行距離を重ねるごとにエンジンはますます滑らかさを増し、乗り手の鼓動に溶け込むようなフィーリングを持つようになります。 「最も優れたパイロットの条件は、いかなる状況下においても無事に帰還することだ」と言われています。 無事に帰還するためには自分自身の操作技術だけでなく、命を預ける機械との信頼関係が不可欠です。 「ならし運転」はオートバイとの信頼関係を構築する上で、最初のステップとなる重要な作業です。 そして、最終的にエンジンの特性を決定づけるのも、「ならし運転」であることを繰り返しておきます。 |
レポート「ならし運転」
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ならし運転 [1500〜2000km] オーバーホール後の走行距離が1500kmを超えると、「ならし運転」も最終段階を迎えます。 その日の走行のうち3割程度は、インターバルを設けた短区間の全開走行(スプリント)にあてます。 スプリントを行う状況も、よりエンジンに負荷のかかる状況(たとえば勾配のゆるやかな坂道など)を選び、全開走行の区間も少しずつ伸ばしていきます。 少々過酷ですがスプリントを消化することでエンジンは徐々にタフネスを獲得し、息の長い加速が続くロングスプリントをこなせるようになります。 時速100kmを超える速度域は日常的な状況ではほとんど使用できませんが、高速域でのエンジン特性を作り込むことで、低速域のさらなる滑らかさも同時に獲得することができます。 こうして2000kmの「ならし運転」を消化する頃には、どの回転域からの加速にもストレスなく滑らかに反応する優れたエンジンに仕上がります。 丁寧な「ならし運転」を終えたエンジンは、非常に軽やかで安定したアイドリングを打ちます。 アイドリングを聴くことでエンジンの仕上がり具合を知ることができますので、ひとつの判断基準にしていただければと思います。 |
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ならし運転 [1000〜1500km] 1000km走行以降、エンジンの基本特性がほぼ出来上がり、日常的な使用条件では全く不足を感じることはありません。しかしながら、レッドゾーン付近のエンジン特性はまだ手つかずですので、少しずつ短区間の全開走行(スプリント)を織り交ぜていきます。 全開走行を消化する毎に、エンジンは少しずつですがなめらかさを増していきます。 1500km走行した時点で、メーター読みで130km/hまでのスプリントをこなせるようになりました。 残す500kmでは、よりエンジンに負荷のかかる状況(たとえば勾配のゆるやかな坂道など)でのスプリントに加え、全開走行の区間を少しずつ伸ばしていきます。 また1000km時のエンジンオイル交換後、ミッションのフィーリングは格段に良くなり、なめらかでカッチリとしたタッチに変化しました。 |
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金属粉やオイルスラッジなども見られず、排出されたオイルの状態は非常に良好です。 |
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100km走行時にチェックした数値から変化はありません。 0.01ミリほどクリアランスが詰まりましたが、ちょうどマニュアル指定値ですので調整は必要ないようです。 これでバルブクリアランスについては、しばらく調整する必要はなくなります。 ■注意 ロッカーアーム方式の場合、アームの当たり位置によって、わずかですがバルブクリアランスにバラつきが出ることがあります。クリアランス調整後にクランクシャフトを何度か回転させてクリアランスを数回に分けてチェックし、規定値から+0.02ミリ以下の誤差であれば問題はありません。ただし、クリアランスが詰まりすぎないように最も狭いクリアランス位置を基準に調整することが大切です。 |


