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ブラームス
1.交響曲第1番ハ短調作品68
2.ハイドンの主題による変奏曲作品56a
クリーヴランド管弦楽団
指揮:クリストフ・フォン・ドホナーニ
REC:1986(1),1987(2) (TELDEC 0630-19635-2)
ドイツの指揮者、クリストフ・フォン・ドホナーニによるクリーヴランド管とのコンビによるブラームスの第1交響曲。アメリカのオーケストラのクリーヴランド管弦楽団はその歴代常任指揮者に、G.セル(46〜70)、P.ブーレーズ(71〜72)、L.マゼール(72〜82)という偉大な指揮者を据えて、緻密で筋肉質な強靭なアンサンブルに鍛えられたオーケストラである。
今回このCDで、偉大なクリーヴランド・オーケストラを指揮するのはマゼールの後を継いで第6代音楽監督(84〜02)に就任したのがクリストフ・フォン・ドホナーニである。この演奏でドホナーニは重厚なサウンドを作りつつ端整なタクトさばきできびきびとしたブラームスの交響曲を聴かせている。
第1楽章。非常に線のしっかりとしたサウンドである。演奏スタイルは真面目でほとんど遊びのようなものもない。いわゆる伝統的なブラームスの演奏である。重心のしっかりとした演奏であることであると同時に音の出だしがはっきりとしていてその実直さに脱帽する。このスタイルは第2楽章においても変わらない。真面目すぎるほど真面目で、サウンドの明瞭さ重厚さは特筆に価する。
第3楽章。第1,2楽章とは一線を画すようなスタイルですっきりとしたサウンドで(意識的に抑えているのか?)低音がほとんど聴こえない。さらにテンポも速く進められるため、ふんわりとした雰囲気であっさりと終わる。実にユニークな演奏である。
第4楽章。テンポはやや速めながらも(音の立ち上がり:アインザッツ)エッジの鋭さと重厚なサウンドが混在する折衷的なサウンド感と誠実な音楽作りとが相乗効果となって大変好感が持てる。全曲を通して、どこにも恣意的な解釈や奇を狙うような部分もなく最後までしっかりとしたブラームスを聴かせてくれる。
確かに真面目すぎて面白くないと言えばそうなるし、サウンド的にも(クリーヴランド管だし?)味やコクがあるようでもなく、解釈に新鮮さがあるわけでもなく、とにかくしっかりと実直な演奏だけに数あるブラームスの第1交響曲の中にあって大変地味な存在である事には違いないが、この演奏を聴く限り、ドホナーニはいわゆるドイツの伝統的な解釈を持った指揮者である。北ドイツ放響のシェフとなった彼の円熟した音楽を聴いてみたいと思う。
併録されているハイドンの主題による変奏曲はすっきりとしたサウンド、速めのテンポで進められる。しかし中低音のがっちりとした音が非常に印象的で、聴く者にとって腰のすわりが良く、好感が持てて何より安心して聴く事ができる。
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さすがに最近のドホナーニは良くも悪くも丸くなってきた(円熟してきたというべきか)ようで、近年のフィルハーモニア管や北ドイツ放送響とのブラームスはもっと柔らかい演奏になってますね。クリーヴランド管とのブラームスなら3番が個人的にはいい感じです。基本路線は1番と変わりませんが。
2005/11/9(水) 午後 10:19
Shogo様>コメントありがとうございます。最近のドホナーニの演奏は聴いていないのですが、北ドイツ放響との録音があれば是非聴いてみたいです。今日はブラームスの第2交響曲を聴いていましたが、すごくトスカニーニに似ているスタイルだなあと思いました。明日は第3番を聴いて見ます。
2005/11/9(水) 午後 10:36