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ブラームス
1.交響曲第4番ホ短調作品98
2.ハイドンの主題による変奏曲作品56a
クリーヴランド管弦楽団
指揮:クリストフ・フォン・ドホナーニ
REC:1987(1),1987(2) (TELDEC 8573-84068-2)
ブラームス最後の交響曲。ブラームスらしさを凝縮した名作。作曲のきっかけがバッハの音楽にあったともいわれていてドイツ音楽の真髄をここに聴くことができる。書法についても凝っているらしく第2楽章におけるフリギア旋法(教会音楽における音階の一種らしい)や第4楽章におけるバロック期にイタリアなどで流行したといわれる、パッサカリア形式(低音を主題とした変奏曲の一種らしい)で書かれている点など、回帰主義的な音楽となっているようだ。
まずなによりドホナーニの指揮による演奏はすばらしい。第2、第3交響曲においては(個人的に)今ひとつの出来具合であったがこの第4は別格である。引き締まったアンサンブルと目鼻立ちのはっきりとした演奏はこの第4交響曲の最も理想的な演奏スタイルのひとつであると言っていいであろう。
第1楽章における有名な美しい主題における感傷的なフレーズも端整にきれいにまとめられていて大変好感が持てる。この楽章は終始きりりとしたまとまりと精緻さを持って音楽の音楽たるゆえんを正確に誠実に表した演奏である。
第2楽章。息の長いフレージングで演奏される。演奏に全くと言っていいほど一切の感傷が感じられない。このスタンスがこの音楽には最も合う。性格に淡々と音を進めていく。そこにあるものは本来の純粋な「音」のみであるといえる。フォルテになる部分では強靭なサウンドが「音楽」を包み、最も純粋な音楽に昇華している。この曲にはこのスタイルが最も合うと思う。
第3楽章。今までのブラームスの演奏(第1〜第3交響曲において)にない激しいスタイルでぐいぐいと音楽を進めてくる。第2楽章とのコントラストが如実に現れていて驚いた。ドホナーニもどこか吹っ切れたと言う感じのスタイルの演奏である。今までにはこの勢いは感じられなかった。
終楽章。演奏が濃くて素晴らしい。心の底から訴えかけるような弦楽器の演奏には心奪われる。この集中力が終始途絶えず濃厚で線の太い演奏に素晴らしさと畏敬の念すら感じる。
ドホナーニにおけるこの演奏は数あるブラームスの第4交響曲の演奏の中で名盤のひとつに推挙してもいい。ドホナーニの即物主義的スタイルが見事に音楽にはまった感じである。
(併録されているハイドンの主題による変奏曲は交響曲第1番に併録されていたものと同一のものであるためコメントは割愛いたします。
http://blogs.yahoo.co.jp/qq473ms9/15791954.htmlをご覧ください。)
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