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マーラー:1.交響曲第5番嬰ハ短調
2.交響曲第7番ホ短調「夜の歌」
オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団
指揮:エド・デ・ワールト
REC:1992[1],1994[2] (BMG BVCC-8961/62)
上記CDより[1]の交響曲第5番を。
以前よりかなり気になりつつもなかなか手の出なかったマーラーの全集からの一枚。オランダのオケと言えばコンセルトヘボウ管弦楽団が有名だがこのオーケストラ以外にもオランダには伝統と技術を両有しているオーケストラが数多くある。
今や飛ぶ鳥を落とす勢いのある指揮者、ゲルギエフを指揮者に据えているロッテルダム・フィル、オッテルローやフォンクなどが指揮を務めた100年を越える伝統を持つハーグ・レジデンティ管弦楽団、ブリュッヘンによって設立された18世紀オーケストラ、3つのオーケストラが発展的に合併して成立した比較的若いネーデルランド・フィル、ジークハルトとの録音が出ているアーネム・フィルなどが上げられよう。
今日マーラーを聴かせてくれたのはオランダのオーケストラの中でも最近その存在感を次第に強めてきているオランダ放送フィルの演奏である。このオーケストラの躍進には1989年より指揮者を務めているエド・デ・ワールト影響が大きい。すでにEXTONレーベルからラフマニノフの交響曲やワーグナーの管弦楽曲などの録音を出していてその評価は高い。マーラー全集はこのコンビの最初の大きなプロジェクトであった。
今日はその中から交響曲第5番を聴いてみる。第1楽章、第2楽章は大変丁寧に演奏されているがこの姿勢がかえって音楽の推進力を弱めなによりスケールが小さくて覇気がない。聴いていてとても退屈になってしまった。第3楽章になってようやくこのまろやかなアプローチがはまってきて気品に満ちたワルツを聴かせてくれるのだが。またこの楽章のフィナーレに関しては第1,2楽章と異なり決然とした熱のある演奏を聴かせてくれる。
このCDの中で第4楽章のアダージェットは素晴らしい。確かめるような足取りで深く艶やかな音色で演奏される音楽は絶品である。第5楽章はやはりおとなしすぎて優しすぎて丁寧すぎて面白みに欠ける。もっと白熱した緊迫感のある演奏のほうが個人的には好みである。
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