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マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:クラウス・テンシュテット
REC:1978 (EMI 7243 5 72946 2 1)
マーラー指揮者として大変有名で評価の高い指揮者、テンシュテット。晩年はガンに侵されながらも精力的に活動をした。今日聴いたのは1977年から86年に録音した全集の中からの一枚。
テンシュテットによるこの第5交響曲は数種類で出ておりこの録音は1978年のスタジオ録音のものである。この演奏に関して含蓄のある方々はこの「録音」の不備を指摘される方が多い。確かに聴いていて音が少しキンキンしていて深みがないかもしれない。
このような事情もあってかテンシュテットの演奏はライヴでこそ、その本質を知ることが出来るという論調に何度か接してきた。個人的にテンシュテットのライヴ録音は聴いた事がないので何ともコメントのしようがないのが実情であるがこのスタジオ録音はすごい。
実は先日マーラーの第3交響曲を同コンビの録音で聴いたのだがあまり関心のいくものではなかったので前述の前評判もありこの演奏には懐疑的な先入観で聴き始めたのだが結果としてこの先入観は大きく間違っていた。
この第5交響曲は大変すばらしい演奏である。最近聴いたガッティやインバルの演奏は理論的に音楽を解釈するところに力点をおいた演奏であったと感じる。だがテンシュテットはそれとは対極的で、まさに感性で音楽をするといった印象を受けた。
第1から第3楽章においては各楽章においてテンポの緩急が実に激しい。ということはこのテンシュテットの演奏は感情の起伏が大変激しいということにもつながり、マーラーの分裂症気味の音楽的感性にあっていてとてもしっくりとくる。
第4楽章におけるアダージェットの入念で思いの込められた演奏には大変共感し好感を持った。すばらしい。どこまでも美しく丹念で一生懸命なのだ。聴けばわかるとおもう。一気にこの世界に引き込まれる。昨日まではインバルの演奏が一番と思っていたが、インバルとテンシュテットの演奏とは別次元の演奏であると思う。
終楽章においても丁寧にはじめられるが徐々に音楽が盛り上がるというところ、テンシュテットのスパイスの効いたテンポ、リズム、雰囲気、すべてにおける場面で緩急の激しい演奏が聴かれる。この激しい緩急がとても自然に聴く事が出来る演奏で、とても説得力があるからすごい。
いずれにしてもテンシュテットのこの演奏はすばらしい。ベルティーニの演奏と双璧をなすであろう。感情に流されすぎ、アンサンブルに乱れがみえる点などが残念だが、勢いのある天真爛漫な演奏スタイルに大変な感動を受けた。
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やっぱり、マーラーの5番は、このディスクが大本命でしょう!筆者は、このディスクか、インバル盤、もしくは、ギーレンの海賊盤しか聴きません。あと、やはり音がどぎつすぎるのは、筆者のCDだけでは無かったのですね。よかったよかった・・・、いや、良くないか(笑)終楽章結尾部での音の割れ方が厳しいです・・・。
2005/12/30(金) 午後 2:34
camelrider様>コメントありがとうございます。私はテンシュテットの全集を持っておりながら3番と5番しかまだ聴いておりません。この全集は各作品においてムラがあるようです。第5番は最高でした。録音がよければもっと良かったのに!!
2005/12/31(土) 午前 0:23
私もこの全集持ってますが未だ3番までしか聴いていません。私にとってマーラーは少し荷が重過ぎて。この記事を参考にして再び聴く機会を持ちたいと思います。
2006/1/5(木) 午後 5:01
白髪ばっは様>この全集確かに出来に関してムラがあると思います。録音自体も決してよいとはいえないでしょう。ただテンシュテットの素晴らしさの片鱗を聴く事は出来ると思います。彼のライヴ録音は確かにすごいらしいのできいてみたいです。
2006/1/6(金) 午前 0:52