クラシック音楽とうさぎの日常

久々に。秋が深まるのでしばらくブラームスで。

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マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調

ニューヨーク・フィルハーモニック
指揮:レナード・バーンスタイン
REC:1963 (SONY SMK 47580)

 作曲家としても有名なアメリカの指揮者バーンスタインが世界で初めてマーラーの交響曲全集の録音を行ったことは意外と知られていないかもしれない。今日の演奏はこの世界初の全集からの一枚。ニューヨーク・フィルハーモニックとの録音。
 1963年の録音ということもあり正直録音状態はいいとはいえない。しかし若々しいバーンスタインの意欲溢れる演奏となっていて、マーラーの交響曲を語る上ではずせない録音といえるであろう。マーラーがそうであったようにバーンスタインもユダヤ人である。したがってバーンスタインはいわばユダヤ人の使命のような感覚でこの全集に取り組んだのだと、まことしやかに言われている。
 第1楽章のトランペットは音程が一定せずに良いとはいえない。様々な点において細かな部分がないがしろにされていて大雑把に演奏されている。演奏の勢いだけは大いに評価に値するものだが、マーラーが世界的に熟知されてきた現代においてこの演奏はやや時代遅れのスタイルであるのかなと思ってしまう。 第2楽章においても熱のこもった演奏となっていて大変素晴らしいのだが音が割れてしまう部分もあって音質が今一である。艶やかさに欠けたややごつごつとした感覚の第3楽章は音が少し直接的に鳴りすぎていて残念。ただ、この楽章のフィナーレなどはさすがにアメリカのオケであるブラスの鳴りは凄まじく強烈で垢抜けだ音色である。
 第4楽章におけるハープの存在感が強調された録音でゆっくりとたっぷりと叙情豊かな演奏になっている。第5楽章冒頭のホルンの音は何か詰まったような音色でサウンドに広がりがなくややこじんまりとした雰囲気に感じてしまい残念。ただ音楽が進みにつれ勢いと熱気を帯びて大変スケールの多きフィナーレを聴かせてくれる。正直ここまで強く大きくスピード感のある第5楽章を聴いたのははじめてかもしれない。
 全曲を通じて聴くと各楽章ごとにムラがあって音楽全体の統一感にやや欠ける点はあるが、音楽全体を覆うこの音楽の推進力、勢い、熱気は凄まじいものがある。オーケストラもよく鳴っていて演奏の方向性としては大変まとまった解釈を示していて納得、充実の一枚である。それゆえに音質の旧さが残念だ。
 音楽のアプローチの仕方としては昨日聴いたテンシュテット、ロンドン・フィルのそれと似たものであるがマーラー・ブームの火付け役となった若々しく勢いのあるこのバーンスタインとニューヨーク・フィルハーモニックの演奏はその後のこの交響曲における試金石となるような演奏であり、またその後のマーラーの第5交響曲におけるひとつの方向性を明確に示唆した大変重要な演奏であるといっていい。
 ちなみにバーンスタインはこの演奏のほかに晩年にウィーン・フィルなどと完成させたマーラーの交響曲全集がもうひとつある。第5交響曲はウィーン・フィルとのもので大変興味がわく。このほか数種類のライヴ音源がCDとなって出ているようだ。


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