|
マーラー:1.交響曲第10番嬰へ短調(R.バルシャイ版)
2.交響曲第5番嬰ハ短調
ユンゲ・ドイチェ・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ルドルフ・バルシャイ
REC:2001[1],1999[2](Brilliant 92205)
本日も廉価盤王者Brilliantレーベルからの一枚。同レーベルから信じがたい価格で販売された高品質なショスタコーヴィチの全集を指揮して話題を独占したルドルフ・バルシャイの指揮によるもの。オーケストラはおそらく(勝手に推察するのだが)常設のオケではない、ドイツの音楽学生などを中心として年に数回編成され若いメンバーで構成されるユンゲ・ドイチェ・フィル。このオケ設立が1974年ということであるからそれなりに歴史のあるオケなのであろう。ただし、先ほども申し上げたがおそらく常設のオケではないはずだ。
このCDはマーラーの交響曲第10番にカップリングされていて当然発売当時はこの第10番のほうに目玉がありこの第5交響曲はカップリングの域を越えないものだった。さらにこの第10交響曲いうのが大変ユニークなものとなっていて、有名なクック版を基本ラインに取りながら指揮者のバルシャイが打楽器をふんだんに取り入れた「バルシャイ版」で演奏されている点であった。発売当時はその低価格と相まってかなり話題を呼んでいた。おそらくこの第10番はBrilliantレーベルのオリジナル音源で第5番のほうはLAURELレーベルというところのライセンス販売であるらしい。
さて今日はカップリングの第5交響曲。ユンゲ・ドイチェ・フィルの演奏ということもあって私の頭に先入観が全くないとは言い切れないにしても、大変思い切りのいい若さ溢れた勢いのいい演奏となっている。1999年、ベルリンのフィルハーモニーでのライヴ録音。
小気味良いテンポ、大胆で豪快なサウンドに若さを感じる。細かな部分における音程や微妙なニュアンスなどのまとまりに関してやや曖昧な部分があり、やや荒削りで大雑把に感じられるところはあるがこの勢いと一生懸命さの前にはそんな事はどうでもよくなってしまう。
ただし残念な事に、第1〜第3楽章に共通して言えることなのだが、ややリズムが重いということ。テンポもやや遅いのだがそれ以上に感じるけだるさは耳につく。バルシャイの求めるものとオーケストラの反応に微妙なずれが生じているかのようである。こういうオーケストラはラトルやアバド、ハーディングなんかと録音するともっといいかもしれない。しかし第3楽章のフィナーレのように勢いのよい楽想に関しては非常に勢いある豪快なサウンドを聴かせてくれる部分もあり若々しく瑞々しい演奏だ。
第4楽章のアダージェットはややテンポが速めで先を急いでいるようだ。もう少したっぷりと演奏してもらえれば最高なのだが。弦楽器の音質が極めて美しいのだがやや深みに欠ける。
終楽章においてもリズムの重さ、細かい部分におけるアンサンブルの乱れが耳についてしまう。フィナーレにおいてやや金管はスタミナ切れかな?もっと音が抜けてきてほしいのだが完全に他の楽器に埋もれてしまっている。
決して悪い演奏ではないのだか、観客の拍手もやや同調めいたものに聴こえてしまう。やはりプロの演奏とは違う。ライヴでここまで良くやったとも思うが、バルシャイにはショスタコで振ったケルン放響などのオケでもう一度マーラーの交響曲を録音してもらいたいものだ。
|