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マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
REC:1973 (DG 447 450-2)
帝王カラヤンのまさに絶頂期の1973年の録音。カラヤンのマーラーは第4〜6番と2種類の第9番のみが残されているだけ。数多くの録音を残したカラヤンにとってマーラーとは結果的に重要な作曲家ではなかったということなのだろうか?民族的、人種的な問題をその原因に挙げる人もいるが本当のところはわからない。
第1、第2楽章においていうとオーケストラは良く鳴っているのだがそのサウンドがやや太くなりすぎていて音楽の雰囲気がやや一本調子に感じてしまう嫌いがある。強奏部においてもやや響きが濁ってしまい、金管楽器においては力任せに吹いているようにも聴こえ音程の乱れなども若干聴かれやや不満の残る演奏だ。
第3楽章においても同様になぜか雰囲気が落ち着かない。焦っているという訳ではないのだがやや腰のすわりの悪い演奏だ。
この第4楽章はカラヤン得意のポルタメントを効かせた実に官能的な世界が広がる。これこそマーラーの交響曲第5番のアダージェットだろう。濃厚で恍惚とした音色。もはや死をも感じさせるような至上の音楽がここに聴いてとれる。「わざとらしい」という批判があるかも知れないが文句なくこの「アダージェット」は最高の演奏だ。
終楽章においてはやはり弦、管とも終始厚ぼったい音色がこの音楽には不向きに思う。指揮者もこの音楽の輪郭を捉え損なっているような気がする。ブラームスやR.シュトラウスでは唸るほどの名演を聴かせてくれるカラヤンだがこのマーラーは第4楽章を除いては今一だった。やはり指揮者によって音楽の向き不向きがあるのだろう。それでも器用にこういった音楽もこなしてしまうカラヤンはやはり偉大といっていいだろう。
長い事続きましたマーラーの第5交響曲の聴き比べもとりあえず今日で終了いたします。明日は追記を明後日は総括をいたします。
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お疲れ様でした。凄いディスコグラフィですね。マラ5は人気曲とは言え、これほどの種類を揃えておられるとは・・・。凄いの一言。 一方、カラヤンのマーラーは、意外にマッチしない組み合わせだと思います。イメージ的には、チャイコみたいに、ガンガン鳴らして盛り上げてくれそうな感じがするのですが、何か遠慮しているような気がします。
2006/1/17(火) 午後 4:21
こんにちは。この演奏、カラヤンとしては中々にいい演奏だと思います。第九交響曲なら旧録音の方でしょう。彼のR・シュトラウスやチャイコ程じゃない演奏というのも確かに思いますね(因みにカラヤン・ファンではないので)。しかしマーラーの聴き比べってスッゴイしんどそうですね。御疲れさまです。
2006/1/17(火) 午後 8:09
camelrider様>コメントありがとうございます。カラヤンの演奏はやや的外れな感じを受けました。サウンドが重過ぎて胃もたれしそうでした。マーラーの第5交響曲を長らく聴き続けるとやはり胃もたれしそうですが。
2006/1/17(火) 午後 11:50
makoto様>個人的にはカラヤンのマーラーの第5交響曲は今一でした。今まで同じ曲を聴きすぎていたからかもしれませんが・・・。しばらくマーラーは聴かなくてもいいかなと思っております。
2006/1/17(火) 午後 11:54
やっと同じ意見の方と巡り合う事が出来ました。 評論家も絶賛されているこのCD,私も好みません。カラヤンについては是々非々で、アンチではないのですが、この5番を聴いて、マーラーには向いていないと直感して、以後追い掛けませんでした。ショルティ、クーベリック、バーンスタイン(VPO)、インバル、マゼール、私が聴いたのはこんなもんですが、どれもカラヤンよりは気に入っています。
2006/4/30(日) 午前 6:33 [ - ]
はいどう様>コメントありがとうございます。カラヤンのマーラーはやはり違和感がありますね。第9番あたりはとてもいいらしいのですが真剣に聴いた事がないのでいずれ聴きたいです。ショルティやバーンスタイン全く違うアプローチの演奏ですがいいですね。
2006/5/2(火) 午後 10:54
マラ5聴き比べ、凄いボリュ−ムですね。
個人的にはカラヤンファンなのですけれど、
この演奏では、オケが良く鳴っている様でもあるのですが
何かR・シュトラウスの交響詩でも聴くような気が。
何か、マーラーの色気みたいなものが私的には欲しい所です。
カラヤンにとっては、単にオケの機能デモンストレーションの
材料なんでしょうか。
そのようにも聞こえてきます。
2008/9/24(水) 午後 8:50 [ 名無しの権兵衛 ]
リッチー様>コメントありがとうございます。マーラーの5番はよく聴きました。カラヤンはマーラーとはいまひとつ相性が合わないような感じですね。最近ゲルギエフがロンドン響とマーラーを録音していますね。未聴ですが興味がわきます。
2008/9/25(木) 午後 9:55
こんにちは、又参りました。
一度こちらにお邪魔&コメントさせて頂いてるんですねえ。
(記憶力の悪い私です・・・。)
やはりこの記事のことがずっと私の潜在意識の中にあって、
4ヶ月後に意識上に上がって来たと思われます(笑)。
今回の新しい記事も基本的にはこの頃と変わっていないので、
ホッとしました。
(実際、表現が変わっていたらどう弁解してたでしょうか・・・)
2009/1/21(水) 午後 9:29 [ 名無しの権兵衛 ]
リッチー様>コメントありがとうございます。潜在意識にあったのでしょう。コメントもこの書き込みと基本ラインは変わっていませんし。リッチー様の耳はさすがですね。
2009/1/22(木) 午後 11:16