クラシック音楽とうさぎの日常

久々に。秋が深まるのでしばらくブラームスで。

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エネスコの音楽 その1

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エネスコ:1.管弦楽組曲 第1番 ハ長調 作品9
     2.弦楽合奏のための2つの間奏曲 作品12
     3.交響曲第1番変ホ長調 作品13

”ジョルジュ・エネスコ”ブカレスト・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:クリスティアン・マンデール
REC:1994[1],1995[2],1993[3] (Arte Nova 74321 37314 2)

 ジョルジュ・エネスコ。ルーマニア生まれの作曲家。ルーマニア国外においては評価、人気共に不当に低くまさに隠れた天才音楽家。
 1881年の8月にルーマニアにある小さなリヴェニという村に生まれる。4歳でヴァイオリンを弾き5歳で作曲をするなど幼少の頃から早熟な才能を示し、ウィーン音楽院、パリ音楽院などで英才教育を受ける。エネスコの才能を高く評価した作曲家マスネやフォーレなどに作曲を師事をしている。20世紀における同年代の音楽はもちろんの事、多くの音楽家の作品を研究しほぼ全ての作品を暗譜で演奏、指揮することができるほどの得意まれな記憶力の持ち主として、またヴァイオリニストとして在学中から国際的な評価を確立し演奏活動を行った。
 晩年は祖国ルーマニアの音楽文化の振興に尽力し、教育にも熱心にその才能を生かしメニューインやグリュミオー、ギトリスなどの有名なヴァイオリニストや作曲家のルロイ・アンダーソンなどを輩出している。
 第2次大戦後はルーマニアが共産圏の支配下に入った事を嫌い二度と祖国に戻る事はなく1955年パリで客死した。死後、故郷のリヴェニ村は村名を偉大な音楽家の偉業をたたえその名のエネスコに変えた。

 管弦楽組曲 第1番 ハ長調 作品9
 1903年の作品なのでエネスコの作品の中でも初期の作品ということになるだろう。バッハやワーグナーへの傾倒が見られつつも作曲の師フォーレのほか、フランク、ダンディ、デュカスなど、フランスの作曲家の影響を強く感じさせる作品だ。新古典主義の風潮も感じることが出来るが根本にはルーマニアの民族音楽が流れている。ただ実際に聴いてみるとかなり地味な作品であることは否めない。ちなみにこの曲はサン=サーンスに献呈されている。
 音楽は4つの部分から成っている。1:「前奏曲」は弦楽器による単一のユニゾンの暗いフレーズが淡々と続く土俗的ともいえる民族的な音楽。続く、2:「メヌエット」や、3:「間奏曲」も同様に暗い色調のゆったりとした伸びやかながらも静寂に包まれた音楽だ。4:「フィナーレ」はようやく賑やかで力強い音楽となる。熱狂的かつ色彩感溢れる局中もっとも華やかな音楽だ。
 あえて言うならばこの組曲はヴォーン・ウィリアムズやシベリウスなどから感じる事の出来るほの暗さに通ずるところがあり、厚い曇り空が常に音楽を覆っているような感じだ。

弦楽合奏のための2つの間奏曲 作品12
 第1番の「アレグレメント」は1902年の作品。第2番の「トレス・レント」は翌年1903年の作品。組曲第1番と同様の時期にかかれた初期の作品。弦楽器を主体とした作品で組曲第1番と同様、かなり地味な音楽だ。常にほの暗く明かりがほしくなる。

 交響曲第1番変ホ長調 作品13
 1905年の作品。やはり初期の若書きの作品。
 第1楽章:“Assez vif et rythmé”フランス語で「十分生き生きと、リズミカルに」とあるように前述の組曲第1番や2つの間奏曲に聴かれた暗鬱とした重苦しい雰囲気とはうって変わって軽やかで元気のいい音楽になっている。冒頭の管楽器の軽快なファンファーレやフィナーレにおける音楽の盛り上がりは聴き所だ。ブラームスの風格や色彩感溢れたマスネやフォーレの影響を感じることができ、かつ(微妙に)リヒャルト・シュトラウスに通ずる管弦楽の厚みのあるアレンジを思い出さずにいられない。
 第2楽章:「レント」この楽章は前述の組曲第1番や2つの間奏曲に聴かれた雰囲気さながらであるがルーマニアの民族的哀歌の美しい旋律が印象的で木管楽器の豊かな音色が随所で聴く事もできる、大変色鮮やかな音楽になっている。ただやはり暗鬱とした暗さは否定できない。
 第3楽章:“vif et vigoureux”「十分活気を持って」。この若々しく活気のある交響曲の最後を締めくくるのにふさわしい豪快なオーケストレーション。ここではブラームスやワーグナーの影響を感じる濃密な雰囲気とやフランス音楽の色彩溢れたサウンドが節々に感じる事が出来る。
オーケストラはこのエネスコの名前を冠称にしている“ジョルジュ・エネスコ”ブカレスト・フィルハーモニー管弦楽団。その前身であるルーマニア・フィルハーモニー・ソサエティは1868年設立であるからその歴史は意外に古い。指揮者はクリスティアン・マンデール。あのチェリビダッケに師事したということだ。
 演奏は引き込まれるほどの魅力のある演奏とは言いがたいが端整で無難な演奏でこのエネスコという作曲家を客観的、大系的に演奏した初めての指揮者として歴史に刻まれるのではないだろうか?


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