クラシック音楽とうさぎの日常

久々に。秋が深まるのでしばらくブラームスで。

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エネスコの音楽その4

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エネスコ:1.交響曲第3番ハ長調作品21
     2.演奏会用序曲イ長調作品32〜ルーマニア民族風の主題による
     
”ジョルジュ・エネスコ”ブカレスト・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:クリスティアン・マンデール
REC:1995[1],1996[2] (Arte Nova 74321 37863 2)

 交響曲第3番ハ長調作品21

 1914年から1919年のヴェルサイユ講和条約にいたるおよそ5年にのぼる第1次世界大戦の時期に書かれた作品である。第2交響曲がその直前にかかれたこともあり、来るべき世界的な不安の世情を示すものであった作風であったものに対し、この第3交響曲は鋭角的、先鋭的、攻撃である側面はあるものの節々に哀れみ、祈りのような、平和に対する羨望的音楽、雰囲気を持った音楽だ。
 1919年にブカレトで作曲者自身の指揮によって初演された。1921年にはパリで改訂版も演奏されている。このCDの演奏は改訂版なのか初演盤なのかは明記されていない為よくわからない。
 第1楽章は複雑でテンポの速い先鋭的なサウンドを持つ一方で安息を求めようとするような温和なサウンドが交差する。最後は勝利を(もしくは安息を)勝ち取ったような壮大な純正な和音で終了する。
 第2楽章はスケルツォ楽章に似た「ヴィヴァーチェ」の快速なテンポではじまる。中間部では重苦しい「ラルゴ」のテンポに変容し金管楽器と打楽器の強奏と強打によって重く不気味なサウンドと 強烈な轟音で展開される。音楽はまた冒頭の急速なテンポに戻り不気味な雰囲気を残しながらが静かに終える。
 終楽章は前述した「祈り」の音楽だ。フランス仕込みの新鮮で美しい和音と現代的なサウンドで彼方から差し込むよな温かな光を思わせる。静かにゆっくりとたっぷり奏でられる。まるでマーラーの第5交響曲の「アダージェット」を思わせるような濃密なサウンド。純朴な平和への思いが聴かれるようだ。この楽章では合唱が入っていてサウンドに宗教的で神秘的な雰囲気をもたらす事に成功している。ラヴェルの「ダフニスとクロエ」を感じさせるサウンドだ。
音楽は不安を抱えながらも安息への祈りを込めたような切実さをもって消えるように終える。

 演奏会用序曲イ長調作品32〜ルーマニア民族風の主題による〜

 エネスコの最晩年の管弦楽曲。1948年の作品。当事の音楽界の最新の「現代的」サウンドとルーマニアの民族的な音楽を融合させた作品だ。正直あまり耳に馴染みのいい音楽とはなっていない。アメリカのワシントンでエネスコの指揮によって初演された。無機的なサウンドが極めて攻撃的に迫ってくる。
 
 演奏は、クリスティアン・マンデールの指揮と“ジョルジュ・エネスコ”ブカレスト・フィルハーモニー管弦楽団のコンビ。第3交響曲の合唱についてはクレジットがないのでよくわからない。現代的な先鋭なサウンドを刺激的に演奏することに成功していてこのエネスコという作曲家に対する畏敬の念が伝わってくる。最高の演奏であり、費用対効果も最高だ。


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