|
1.「リゾンは森で眠っていた」による9つの変奏曲 ハ長調 K. 264
2.「美しいフランソワーズ」による12の変奏曲 変ホ長調 K.353
3.「私はランドール」による12の変奏曲 変ホ長調 K.354
4.「愛の神」による8つの変奏曲 ヘ長調 K.352
5.「主よ幸いあれ」による6つの変奏曲 ヘ長調 K.398
バルト・ファン・オールト(フォルテピアノ)
アントン・ヴァルター1795年モデル(クリス・メーネ2000年製作)
2001年11月、デフェンター、レモンストランツェ教会
1997年9月、ローン、ヘルフォルムデ教会(K.398)
変奏曲集その2。5曲目を除いたそれぞれの楽曲はパリへの旅行と密接な関係があるといえる。旅先であるパリで様々な音楽に接したモーツァルトがここで聴かれる音楽に感じる事ができる。
「『リゾンは森で眠っていた』による9つの変奏曲 ハ長調 K. 264」はニコラ・ドゼードという作曲家の喜歌劇「ジュリー」の第2幕の「リゾンは森で眠っていた」というアリエットを主題としている。この「ジュリー」というオペレッタは1772年にパリで初演されている。モーツァルトはマンハイム・パリ旅行の際にこの楽曲を耳にしたと推定される。高度なテクニックを要求される難曲で録音も多くないらしい。貴重かもしれない。
「『美しいフランソワーズ』による12の変奏曲 変ホ長調 K.353」は「きらきら星」同様当時フランスで流行していたシャンソン「美しいフランソワーズ」を主題にした変奏曲。やはりフランスへの旅行でこの音楽を耳にしウィーンに移り住んだ1781年か82年に作曲されたようだ。素朴ながらも流麗なメロディが実に爽やかだ。
「『私はランドール』による12の変奏曲 変ホ長調 K.354」はパリ滞在中の1778年の作品。ボーマルシェという、18世紀フランスの劇作家(ロッシーニのオペラ「セビリャの理髪師」やモーツァルトのオペラ「フィガロの結婚」の原作者)の喜劇「セビリャの理髪師」の中で歌われていた「私はランドール」という歌を主題としている(作曲者はアントワース・ロラン・ボドロンという人らしい)。あまり人気のない楽曲のようで確かに聴いていて少し退屈になるかもしれない。
「『愛の神』による8つの変奏曲 ヘ長調 K.352」はパリで活躍したグレトリーという作曲家のオペラ「サムニウム人の結婚」の合唱曲「愛の神」を主題にしている。どこかで聴いたような子守歌風のメロディが優しくささやくようでいい音楽だ。
「『主よ幸いあれ』による6つの変奏曲 ヘ長調 K.398」はジョバンニ・パイジェルロという当事名声を博したイタリア人作曲家の歌劇「哲学者気取りまたは星占い師たち」のアリア「主よ、幸いなれ」を主題としたもの。このオペラ1781年にウィーンで初演されている。モーツァルトはこのパイジェルロという作曲家に対してはそれなりに一目を置く存在であったらしく自作のピアノ協奏曲(K.453)の初演にパイジェルロを招待するほどだったらしい。作品自体はやや変化に乏しくくどいような感じもするのが率直な感想。
|