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ラルフ・ヴォーン=ウィリアムズ
1.交響曲第4番へ短調
2.交響曲第5番ニ長調
BBC交響楽団
指揮:アンドリュー・デイヴィス
REC:1992 (TELDEC 4509-90844-2)
交響曲第5番ニ長調
私は、V.ウィリアムズの交響曲の中で一番は?時かれたら迷いもせずこの第5番と答えるに違いない。この交響曲に作曲家の持ち味が遺憾なく発揮されていると思う。
第4番で聴衆をも驚かせるような今までにない非常に異例なサウンドを聞かせた作曲家が、自らの原点に立ち返るような非常に美しく優しい音楽に回帰した、そんな楽曲である。
ホルンによる幻想的で牧歌的なサウンドが徐々に厚みを増しながら展開していく第一楽章(プレリュード)の始まりにまず聴き手は作曲家の幻想の世界へ誘われる。この第一楽章において全楽章を支配する主要なテーマが提示される。静かに始まり静かに終わる。
第二楽章は第一楽章の中間部において聴かれたようなテーマが発展したスケルツォ楽章。軽快であっさりとした楽章。
この交響曲の中で白眉の音楽はこの第三楽章(ロマンツァ)であろう。極めて美しい。賛美歌からインスピレーションを得て作曲されたこの交響曲において、そのいわゆる宗教的な側面と作曲家の持つトラディショナルな音楽が見事に融合した楽曲のひとつである。聴くものの全てを安堵の世界へ誘ってくれる音楽である。俗に言うヒーリング・ミュージックである。
終楽章の「パッサカリア」も純度が高く内容の濃い充実の楽曲である。音楽の節々にW.ウィリアムズならではの牧歌的で民謡調な親しみ易いメロディに彩られている。まるで祈りを込めたかのような天国的な美しいこの音楽は静かに始まり静かに終える。
A.デイヴィス、BBC響のコンビの音楽は清涼感に包まれていて極めて鮮度の高い瑞々しい演奏になっている。「祈り」にも似たこの交響曲を過度の感情移入を避けて純粋な音楽として捉えているようである。そのようなスタンスがこの音楽の持つ本質を見事にそして繊細に表現することに成功している。
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このCD買ってみました。4番がもっともぶっ飛んでいると評判だったので(笑)。戦争への不安を込めた4番、平和への願いを込めた5番…これらを終戦記念日にを聴くのも粋な気がします。
2006/8/15(火) 午後 1:53 [ 文房具009 ]
uri様>コメントありがとうございます。仰るとおりですね。確かにそのように聴くと感慨深いものがあります。
2006/8/15(火) 午後 10:24