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モーツァルト:ピアノ協奏曲全集(4)
1.ピアノ協奏曲第14番変ホ長調 K.449
2.ピアノ協奏曲第15番変ロ長調 K.450
マティアス・キルシュネライト(Pf)
バンベルク交響楽団
指揮:フランク・ベールマン
REC:1999[1],2005[2]
ピアノ協奏曲第14番変ホ長調 K.449
ウィーンにおける音楽活動が絶頂期を迎えたモーツァルトの自信に漲った充実の楽曲である。モーツァルトの弟子で優秀なピアニストであったバルバラ・フォン・プロイヤー嬢のために作曲された。安直な客受けを狙ったような楽曲でなく大変凝った作りになっていて明らかにそれまでのピアノ協奏曲とは一線を画すように感じる。
ひらめくようにきらめくように変化していく楽想に思わず息を呑む。ちなみにこの作品はモーツァルト自身による作品目録の冒頭を飾る記念碑的な作品。
第1楽章は3拍子の堂々とした優雅な管弦楽の序奏で幕を開け管弦楽とピアノがまさに対等に渡り合い時に協調しながら音楽が進んでいく。
深みの出ている曲想の第2楽章のアンダンティーノにも大人の風情が感じられる。
管弦楽の扱い方をひとつとってももはやコンチェルトというよりシンフォニーのジャンルの匂いすら感じさせるほどオーケストレーションに際立った充実感を持った終楽章などは聴き応え満点だ。
ピアノ協奏曲第15番変ロ長調 K.450
K.449の変ホ長調の協奏曲(第14番)をさらにシンフォニックにした厚みのある作品だ。独奏楽器としてのピアノが管弦楽の中に見事に「はまった」ような作品。今までにあまり前面に出てこなかった管楽器の音色が各所に聴かれ新鮮な感じがする。
すべての楽章において楽曲のもつ内面的な内容に深みと優雅さを備え持った「濃い」楽曲であるといえる。独奏ピアノと管弦楽との距離も密接になっていてまさに交響曲を聴いているような気分にさせてくれる。
この作品はモーツァルト自身の独奏ピアノのために作曲されたようで独奏ピアノのパートも極めて難易度が高いようだ。
キルシュネライトの独奏ピアノとフランク・ベールマン指揮のバンベルク響の演奏は呼吸と音色がとても密接で癖のないパッセージの処理や雰囲気の変わり目などとても聴きやすく素晴らしい演奏と思う。
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