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ラルフ・ヴォーン=ウィリアムズ
1.交響曲第9番ホ短調
2.バレエ「ヨブ記」
BBC交響楽団
指揮:アンドリュー・デイヴィス
REC:1995[TELDEC 4509-98463-2]
仮面劇「ヨブ記」
この仮面劇「ヨブ記」は旧約聖書「ヨブ記」を題材としたウィリアムブレイクという人の絵に基づいて書かれたシナリオをもとに作曲されたバレエ音楽である。
敬虔な人物であるヨブという人が神とサタンの賭けによって突如として不幸のどん底に叩き落されるという話。人生における理不尽さとそれに耐えるということを通して人間における苦しみの意味を問うという極めて難解な物語である。
楽曲の方はヴォーン・ウィリアムズ独特の水彩画タッチの淡く繊細な旋律に彩られている。ただ「サタンの踊り」などではまるでストラヴィンスキーのバレエ音楽「火の鳥」における「カスチェイの踊り」を思わせるような暴力的ともいえる鋭い先鋭的なサウンドに肝を抜かれる。
後半に聴かれる「エリフの若さと美しさの踊り」に聴かれるヴァイオリン・ソロの旋律は先日聴いた「あげひばり」の旋律と通ずるところがあり興味深い。
ヴォーン・ウィリアムズによるこのバレエ音楽は先にも言及したがまるでストラヴィンスキーのバレエ音楽を意識したような感覚で展開される。ただ音楽の語法そのものは間違いなくヴォーン・ウィリアムズのものであり彼の音楽の世界が大きなスケールと繊細な旋律で奏でられていく大曲であり彼の力作であるといえる。
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