クラシック音楽とうさぎの日常

久々に。秋が深まるのでしばらくブラームスで。

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モーツァルト:ピアノ協奏曲全集(7)
1.ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
2.ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467

マティアス・キルシュネライト(Pf)
バンベルク交響楽団
指揮:フランク・ベールマン
REC:2000[1],2001[2] (ARTE NOVA 82876 82576 2-7)

 ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
 
「ふっきれた演奏家のみに疾走しうる霊感の傑作」(高橋秀郎著「モーツァルト」講談社現代新書)と呼ばれるモーツァルト初の短調によるコンチェルト。すでに作品の内容は社交界の人々の関心とは完全に一線を画す内向きの深みのある傑作となっている。
 
 後に作曲されるモーツァルトの代表作「ドン・ジョバンニ」や白鳥の歌「レクイエム」と同じ調性である二短調で書かれていてその関連性や類似性も指摘されている。
 
 第1楽章冒頭のシンコペーションや情熱的な第3楽章は大変印象的でこのコンチェルトの持つ深遠な精神性に心を揺さぶられその世界の大きさと深さを体感できる。
 
 かのベートーヴェンもこのコンチェルトを大変気に入って演奏していたようで第1楽章と第3楽章にカデンツァを残している(ちなみにこの協奏曲にはモーツァルト自身のカデンツァは残されていない)。
 
 キルシュネライトは演奏の中でこのベートーヴェンのカデンツァを演奏している。ただこのカデンツァ、重すぎて違和感があるなと思った。ベートーヴェンの手によるものだという先入観だろうか?重くて劇的過ぎて「軽さが沈み、重さが浮かぶ」というカール・バイトの言葉がこの(第1楽章の)カデンツァだけにはどうも当てはまらない。

 ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467

 ハ長調の堂々としたコンチェルト。ニ短調のコンチェルトの1ヵ月後に作品が完成されている。これほどの短時間に性格の極めて異なる楽曲を書いてしまうとは神のなせる業といっていいだろう。
 
 2年後に完成されるK.551の「ジュピター」交響曲を感じさせる音の壮大なスケール感としっかりとした構築性がある。その一方でとつぜん姿をあらわすマイナーなコードで奏でられるメロディー(3:16〜3:50)はK.550のト短調の交響曲における主題そっくりなので驚く。
 
 第2楽章は1967年のスウェーデンの映画「みじかくも美しく燃え」という映画で一躍有名になった楽曲。あまりにも美しくとろけるような甘い旋律は深く心にしみこむ。
 
 おどけた風の快活なロンド・フィナーレにはモーツァルとらしさがすべて詰まっている最高に愉快な音楽だ。
 
 「長調でありながら哀しい」「軽さが沈む」といったような感覚に満ちた協奏曲だ。

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