クラシック音楽とうさぎの日常

久々に。秋が深まるのでしばらくブラームスで。

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モーツァルト:ピアノ協奏曲全集(8)
1.ピアノ協奏曲第22番変ホ長調 K.482
2.ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488

マティアス・キルシュネライト(Pf)
バンベルク交響楽団
指揮:フランク・ベールマン
REC:2001[1],2005[2] (ARTE NOVA 82876 82576 2-8)


ピアノ協奏曲第22番変ホ長調 K.482

 1785年、2月と3月に立て続けにピアノのための協奏曲を書いたのだがその後ぱったりとピアノ・コンチェルトは書かれることはなかった。この間、モーツァルトは「フィガロの結婚」にその全霊を傾けていたようで、同じ年の12月まで待たなければならない。
 
 ようやく書かれた協奏曲がこのK.482のコンチェルトということになる。この楽曲は、この年(1875年)の年末におけるウィーン予約での演奏会のために作曲されたようであるが実際の初演はディッタースドルフ(1739-99)のオラトリオ「エスター」の幕間音楽としてであったようだ。
 
 この協奏曲で特筆すべきことはオーボエの代わりにクラリネットを使っている点。この後に作曲される第23番 K.488、第24番 K.491とともに3つの作品は彼のピアノ協奏曲の中で例外的な作品といえる。後にも先にもクラリネットを用いたピアノ・コンチェルトはこの3曲以外にはない。
 
 楽曲の雰囲気としてはとっつきやすく分かりやすい。先のK.466やK.467で見られたような内面へと突き進むような緊張感が和らいでいる。いくぶんウィーンの大衆にもう一度歩み寄ったような感じだ。
 
 第1楽章は(先にも述べた)クラリネットの音色の登場でこの楽曲の明るくふくよかな雰囲気に満ちていてすばらしい。堂々とした祝祭風の導入部ではトランペットやホルン、クラリネット、バスーン、フルート等の管楽器が活躍し音の奥行きが広がりスケール感がある。
 
 第2楽章はハ短調の寂しげな音楽。ベートーヴェンの「英雄」交響曲の第2楽章に雰囲気が似ていなくもない。初演時にはこの楽章がアンコールされたらしい。
 
 第3楽章は舞曲風の愛らしい主題が大変印象的な快活な音楽。さっきからベートーヴェンにこじつける訳ではないが、どことなく田舎の情緒を感じさせる「田園」風な音楽だ。


ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488

 このイ長調の協奏曲は1786年の3月に作曲された。まさに春を思わせる温かみを持った優しい性格の音楽だ。イ長調という調性がモーツァルト晩年の名曲クラリネット五重奏曲K.581(http://blogs.yahoo.co.jp/qq473ms9/32337811.html)と同じ調性で、各所で聴かれるクラリネットの音色の美しさがなんともいえない。
 
 その中でも第1楽章において聴くことの出来るクラリネットとフルートの掛け合いの中をピアノがアルペジオで駆け抜けるところ(5:18〜5:32)などは言葉にならないほど美しい。
 
 白眉の楽曲は第2楽章のアダージョであろう。ここまで研ぎ澄まされた完全に透明な憂いと翳りを聴いたことがない。楽想はふと優しげなメロディーに包まれるが音楽はまたすぐにメランコリーな雰囲気へといざなう。バックで流れるクラリネットとフルートの耽美できわめて美しい憂鬱な音色が大変印象的。
 
 第3楽章は一転して軽快でリズミックな楽曲。ピアノがオーケストラの上を一気に流れていく。


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