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プロコフィエフ
1.交響曲第6番変ホ短調作品111
2.交響曲第7番嬰ハ短調作品131
3.交響曲第7番嬰ハ短調作品131〜第4楽章(終結部改訂版)
ロンドン交響楽団
指揮:ヴァレリー・ゲルギエフ
REC:2004(PHILIPS UCCP-1118/21 475 7792)
交響曲第7番嬰ハ短調作品131
第1交響曲でハイドンのような古典的な楽曲を作曲し第2〜第4にかけてほぼ実験的とも言える前衛的なモダニズムの楽曲を作曲、そのプロコフィエフの個性が爆発したのが金字塔とも言える第5交響曲。苦悩と探究心の結晶とも言える第6交響曲を経て第7交響曲へといたる。
第6交響曲でいわゆるジダーノフ批判にさらされ、そのお達しをいわば機械的に自ら昇華しできたのが枯淡の境地ともいえるこの第7交響曲だ。すべてを悟ったような透明な音楽に感動する。その政治的な圧力と向き合わざるを得なかった作曲家の苦悩がこの音楽では見事に克服されている。純粋で深層心理のとても深いところにある想いがこれ以上にない透明な音楽で彩られている事に気づくだろう。
このゲルギエフの演奏は標準的な解釈で特徴のかけらもない凡演であるが室内楽的なアンサンブルの自然さと美しさ(特に第2,3楽章に顕著)には心を奪われる清明な演奏が感じられた。ただ依然として広がりのない窮屈なサウンドにはいいかげんに腹が立つ。
ちなみにこの第7交響曲の第4楽章(運動会のBGMに流れそうな快活な楽曲)には2通りの終結部があってひとつは静かに終わるもの。もうひとつがこの楽章の出だしの楽想が回想され強奏で終わるもの。ゲルギエフのCDにはこの2通りの演奏が両方収録されている。個人的には静かに終わるバージョンが好きだ。
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