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1.交響曲第1番ニ長調作品25「古典」
2.交響曲第5番変ロ長調作品100
3.組曲「キージェ中尉」作品60
1:フィラデルフィア管弦楽団
指揮:ユージン・オーマンディ
REC:1972
2:ボストン交響楽団
指揮:エーリヒ・ラインスドルフ
REC:1963
3:デイヴィッド・クラットワージー(Br)
ボストン交響楽団
指揮:エーリヒ・ラインスドルフ
REC:1968
(BMG 74321 21292 2)
さて今日は少し方の力を抜いてプロコフィエフの代表的な交響曲をプロコフィエフ自身が希望に満ちた心で足を踏み失望のまま後にした国、アメリカの指揮者、オーケストラの演奏で聴いてみる。
交響曲第1番ニ長調作品25「古典」
「フィラデルフィア・サウンド」という通称で有名なゴージャスな独特のサウンドを作り出したユージン・オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団のコンビによる演奏。このサウンドは今考えるといくぶん時代錯誤の感も否めない。というより流行なのだろう。このコンビによる録音は一世を風靡したのだから。
しかしこのプロコフィエフの古典交響曲は想像していたよりすっきりとしたサウンドで厚ぼったくもなく印象は良い。
第2楽章のテンポがいくらか速いほかはいたってスタンダードな解釈。何の違和感もなくこの楽曲を聴く事が出来る。
交響曲第5番変ロ長調作品100
ウィーン出身のアメリカで活躍した指揮者、エーリヒ・ラインスドルフ。ワルターやトスカニーニにも学んだようで1962年から1969年までボストン交響楽団の音楽監督を務めた。最近はJ.F.ケネディ大統領追悼のために指揮したモーツァルトのレクイエムが復刻発売され一部で話題を呼んでいるようだ。
このラインスドルフ、プロコフィエフを得意としていたようで管弦楽を伴う全作品をボストン交響楽団と録音しているとのこと。
今日聴いたプロコフィエフの代表的な第5交響曲の演奏は職人気質とも言う感じのしっかりとした骨格の出来た芯の強い演奏となっている。無骨とも取れる演奏であるが印象は大変良い。
派手さや(チェリビダッケのような)深い哲学的な精神性もなく、ラインスドルフの演奏は極めて客観的で純粋たる音楽になっていてこのスタンスが難しいプロコフィエフの音楽をはっきりと浮き立たせる事に成功している。
エーリヒ・ラインスドルフ。あまり有名ではないがこのように一筋縄ではいかないプロコフィエフの作品をここまではっきりと分かりやすく聴かせてくれた指揮者として必ず後世にその名を残すだろう。ラインスドルフによるプロコフィエフの全集を入手できるのであれば必ず手にしたいと思った。
この第5交響曲は(主観と客観という意味において)チェリビダッケの対極にある演奏であると感じるが、もしかしたら同曲におけるベストかもしれない。聴けば聴くほど素晴らしい。
組曲「キージェ中尉」作品60
同名の映画音楽からの抜粋。先日聴いた「アレクサンドル・ネフスキー」と同じような由来を持つ。諸国遍歴の末、ソ連に戻ったプロコフィエフの事実上最初の成功作。
物語の中においても架空の人物「キージェ中尉」の顛末を描いた映画音楽であるが分かりやすい音楽はプロコフィエフの代表作の一翼を担う作品として有名だ。
終曲におけるふたつの性格の異なる旋律が絶妙の雰囲気の中で絡み合う様は名曲といえよう。
コミカルな旋律に彩られていてテコルネットやサキソフォーンが活躍して華やかでいい音楽だ。このラインスドルフの指揮による演奏はやはり旋律や伴奏の線がしっかりしていて大変好感が持てる。
この組曲にはバリトンの歌入りと管弦楽オンリーの2バージョンがあるがこの演奏は最近では珍しくデイヴィッド・クラットワージーによるバリトンの歌入りのバージョンでの演奏。味わい深くこの音楽の明るさの向こうにあるほの暗さを堪能できる。
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キージェ中尉は、思いのほかとっつきやすい音楽ですよね。中学のとき、ハーリヤーノシュ(コダーイ)とセットで入っているLPを購入した覚えがありました。中学生でも分かりやすい音楽でしたね。
2006/11/23(木) 午後 11:59 [ kunichan ]
おっしゃるとおりとても聴きやすくていい音楽ですよね。他の演奏も聴いてみたいと思います。映画音楽でのオリジナル音源あるのでしょうか?
2006/11/24(金) 午後 0:24
ラインスドルフは、R.シュトラウスの作品(「町人貴族」?他)の盤を図書館から借りて聴いています。比較の対象もないのでよくわかりませんが明瞭な音作りが特徴のように思えます。
2006/11/24(金) 午後 0:36
白髪ばっは様>コメントありがとうございます。確かにラインスドルフは骨格のしっかりとした音楽が持ち味なのでしょうね。プロコフィエフの複雑怪奇な音楽をここまで明瞭に聴かせた指揮者は珍しいと思います。
2006/11/25(土) 午後 6:17