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「エッセンシャル・シベリウス」:1 1.交響曲第1番ホ短調 作品39 2.交響曲第4番イ短調 作品63 ラハティ交響楽団 指揮:オスモ・ヴァンスカ REC:1996[1],1997[2](BIS 1697/1700 CD1)シベリウスをはじめ北欧の作曲家の録音が多いBISレーベル。このたびシベリウスの主要作品をまとめたCDがボックスで発売された。 まずはラハティ交響楽団とオスモ・ヴァンスカ指揮による交響曲全集を堪能しよう。 ちなみに画像はレギュラー盤のもの。 1891年にウィーン留学を終えて帰国したシベリウスは翌年、声楽つきのフィンランドの伝承叙事詩に基づく作品「クレルヴォ交響曲」で成功を収め名声高めた。 当時のフィンランドは隣国ロシアの圧制を強いられていた。シベリウスは母国フィンランド固有の文化の興隆に力を注ぎロシアからの自由と独立を勝ち取るという国民感情を音楽で表現しようとした。 その結果が前述の「クレルヴォ交響曲」でありその後、次々と完成されていく民族的、伝承的な素材を基にした作品群、交響詩「エン・サガ」「レミンケイネンの伝説」、組曲「カレリア」の発表により、シベリウスは国外はもとよりフィンランド国民の大きな期待とともに注目を浴びることとなる。 「交響曲第1番」は1899年に有名な交響詩「フィンランディア」と同じ年に完成された。 この第1交響曲はドイツ・ロマン派の流れを受け継ぎながらも創意にみちた手法でフィンランドの民族的な性格をあらわしている。叙事的ともいえる壮大な雰囲気に包まれている。 第1楽章の冒頭クラリネットが奏でる悲壮感のある暗い序奏が圧政に苦しむフィンランドを思わせる。これがやがてフィンランドの大自然を思わせる極めて写実的な壮大な音楽へと続くところはシベリウス特有の語法といえよう。この展開のあたりはチャイコフスキーの雰囲気を感じる。 第2楽章の美しさといったら言葉がない。抒情的で民謡風な旋律が印象的だ。ここでもチャイコフスキーの濃厚な感情表現から純粋なものだけを剥ぎ取ったような無垢な旋律美が大変印象的で、誰のものでもないシベリウスの息づかいが感じられる。 第3楽章。スケルツォ楽章なのだけれども、起承転結で言うところのまさに「転」。何かが新しく始まるような躍動と決然とした推進力と若干の不安を内包している。ベートーヴェンやチャイコフスキーにはなかった微妙な不安感と神秘性がここにはある。 第4楽章。第1楽章の冒頭でクラリネットが奏でた悲壮感のあるあの暗い旋律が再度弦楽器で奏でられる。圧政に立ち向かう戦闘のような激しくアグレッシヴな楽想が続く。この部分もチャイコフスキーの語法を感じる。同時に「フィンランディア」の雰囲気も感じる。 その後、安らぐような旋律が再現し、ハープの美しい調べを伴う讃歌のように壮麗に力強く全曲を結ぶ。 まさにこのシベリウスの第1交響曲は圧政に苦しむ当時のフィンランドの国民の心の叫びを代弁したものに他ならない。同様の趣旨で作曲された「フィンランディア」ほどの旋律のインパクトはないにしてもこの交響曲が物理的にも精神的にも非常にスケールの大きい楽曲であるといえよう。 演奏 ラハティ交響楽団、オスモ・ヴァンスカの演奏も透明で切れ味のいいサウンドでこのシベリウスを演奏していてその音の一つ一つに北欧の自然に対する畏敬の念やその厳しい自然に打ち勝つような決然とした力が漲っており北欧のオーケストラの澄み切った音色にただ感動するだけだった。録音もクリアで言う事なし。抜群のクオリティを誇っている演奏だ。
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ほんとうにヴァンスカ&ラハティ交響楽団のシベリウスは魅力たっぷりですね。こちらからもTBさせていただきました。
2007/1/14(日) 午後 5:51 [ しべりうす ]
ヴァンスカ&ラハティ交響楽団。昨年サントリーホールで聴いたシベ5が忘れられないですね。素晴らしすぎました。 あの公演など思い出しつつ聴いてます。BISも素晴らしいボックスを出してくれましたね。
2007/1/14(日) 午後 10:41 [ じん ]
ヴァンスカ・ラハティのシベリウスは先ずジャケットでやられますね。いいジャケットです。。今年はGETしたいですね、この盤達。。
2007/1/14(日) 午後 11:41
sibelius様>コメント&TBありがとうございます。まだ第1番しか聴いていませんがこれから楽しみです。
2007/1/15(月) 午後 0:09
jin様>コメントありがとうございます。実演に接せられたのですか?すごいですね。うらやましい!
2007/1/15(月) 午後 0:10
オデオン様>コメントありがとうございます。確かにBISのジャケット渋くてかっこいいですね。
2007/1/15(月) 午後 0:11