さて今日は昨日飛ばした第3番を聴きましょう。
プロコフィエフ
1.交響曲第2番ニ短調 作品40
2.交響曲第3番ハ短調作品44
フランス国立管弦楽団
指揮:ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ
REC:1986[1],1987[2](Warner 0927 49634-2)
交響曲第3番ハ短調作品44
この楽曲はプロコフィエフの歌劇「炎の天使」と密接な関係がある。
1919年から1928年の7年間という長い期間をかけて作曲された「炎の天使」はプロコフィエフにとってかなり思いの詰まった作品であったようだ。
このただこのオペラ1928年にクーセヴィツキーによって第2幕を部分的に演奏会形式で上演されただけでプロコフィエフの存命中はオペラとしての全曲の演奏、上演はされなかった。
上演の可能性のめどがたたない中でプロコフィエフはこの「炎の天使」の素材を題材に交響曲を仕立て上げる。そこ結果できたのがこの交響曲第3番。1929年にパリにおいてピエール・モントゥーの指揮によって初演された。
第1楽章はやや抑え目のテンポである。勢いで演奏してしまうと輪郭が崩れて細かい部分が全く意味不明になりがちなこの楽章の冒頭は攻撃的なサウンドながらも要所をおさえ様々な音符が実に丁寧に織り込まれているのがうかがえる。
ゲルギエフの演奏が中低音の重いサウンドで猪突猛進する演奏であったのに対しロストロポーヴィチの演奏はテンポも中庸でサウンドに包容力があって奥行きのある懐の深い演奏になっている。
第2楽章も雰囲気でごまかさずにしっかり演奏されている。弦のアルペッジオとフルートのフレーズがきちんとシンクロしていて好感が持てる。それでいて「ふわっ」としたフランスのオケ特有の浮いたような木管楽器の音色がこの楽曲のよさをさらに際立たせている。
クラスター奏法でユニークな第3楽章も弦楽器の正確さが際立っている。縦のラインがしっかりしていてはっきりとした演奏が聴かれる。
フィナーレも分厚いサウンドで入念で豪快に推し進めていく。腰の重い重戦車のようなサウンドはこの作品(第4楽章)の本質に触れるようで納得する。
全曲を通して感じる事は、すべての場面で各セクションの音が全体の中で有機的に聴こえるということだ。クチャルやゲルギエフでは感じなかった、向こう側にあるもの(これぞ「本質」というものか?)が良く感じる事の出来る演奏であった。
このプロコフィエフの第3交響曲は決して好きな楽曲ではないが、ロストロポーヴィチとフランス国立管のコンビによる演奏はこの楽曲の本質的な意味を正確な演奏でもたらしてくれた稀有な録音だ。
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