クラシック音楽とうさぎの日常

久々に。秋が深まるのでしばらくブラームスで。

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プロコフィエフ
1.交響曲第7番嬰ハ短調作品131
2.交響曲第5番変ロ長調作品100

フランス国立管弦楽団
指揮:ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ
REC:1986,1987(Warner 0927 49634-2)

交響曲第5番変ロ長調作品100


 プロコフィエフの交響曲の中でもっとも有名な交響曲がこの第5交響曲だ。ジダーノフ批判にさらされる以前の楽曲であるが、無調の前衛性と調性を持った旋律の分かりやすさとが同居する作品で聴いていて大変面白い。
 1944年の作曲であるから戦争の影響を強烈に受けた作品といえる。初演はレニングラード解放後の1945年3月にモスクワで作曲者の指揮によって演奏されている。ショスタコーヴィチのレニングラード交響曲と似ていて国家的、政治的な色彩の強いものである。
 第1楽章のフィナーレはロシア音楽っぽく焼けるように熱いエネルギー全開の楽曲。第2楽章がもっとも面白い。スケルツォ風の楽章はプロコフィエフ特有の奇抜な語法に彩られた旋律で印象的。
 第3楽章は無調と和声が複雑に入り組んだような作風でやはり不思議空間。プロコフィエフ特有の意味不明さが如実に現れた楽曲だ。
 この交響曲はすべてが第4楽章へ流れるのだろう。作曲者はきっと意図していないのにもかかわらずある種偶然に近い形でこの音楽が一定の統一をえているあたりは奇跡というほかない。
 そういった意味においても素晴らしい楽曲であり音楽だ。アメリカやパリにおける流浪中に培われたプロコフィエフの先鋭性とロシアに戻ってからの保守的な(そうならざるをえなかった)側面が見事な融合をえた作品といえる。
 ソヴィエト(ロシア)にあってこれよりも先にも後にもこれほど両者の緊張関係が程よく融合し反発した作品はショスタコーヴィッチ以外には皆無かもしれない。そういった形にあってもこの作品は「奇跡」の作品といえるだろう。

 以上は以前にゲルギエフ/記述した第5交響曲の概観である。

 このロストロポーヴィチ/フランス国立管の演奏は華やかで艶やかで色っぽい。しなやかで優しくすべてを包み込むようだ。それは金管楽器の咆哮さえも吐息のような色気がある。
とはいえサウンドは間違いなくしっかりとした重心のあるもので曖昧なところはない。であるからこの楽曲の構造がしっかりと把握できる演奏である。
 第1楽章のクライマックスなどは凄まじい。ねちっこいテンポでぐいぐいと締め上げる感じである。それでいて緩めるところはすっと緩める。この緩急の起伏が激しいところもこの演奏の魅力のひとつだ。
 個人的には第5交響曲の中では第2楽章が一番好きなのであるが小気味いいテンポとリズムと弦楽器のしなやかさとが素晴らしいシンクロを見せる。各パートが明確に分離されていて大変見通しのいい演奏だ。
 おおらかでしなやかな演奏。それでいて細部はしっかりとしている。これは見事な演奏だ。フランス国立管のサウンドはこのプロコフィエフの不思議な雰囲気に非常にマッチした音質といえる。ロストロポーヴィチ指揮も包容力がある。

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