クラシック音楽とうさぎの日常

久々に。秋が深まるのでしばらくブラームスで。

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ベートーヴェン
1.交響曲 第3番 変ホ長調 作品55「英雄」
2.交響曲 第4番 変ロ長調 作品60

アンサンブル・オーケストラル・ドゥ・パリ
指揮:ジョン・ネルソン
REC:2006(Ambroisie AM9993)

 アンサンブル・オーケストラル・ドゥ・パリの演奏する英雄交響曲は大変色鮮やかで表情豊か。サウンドも大変マイルドでしなやか。物腰の豊かな語り口でありながら理路整然と進めていく演奏には知的な優しさがある。

 「優しさ」とはここで言うところのオーケストラのサウンドにあり「知的」というのはジョン・ネルソンのこの音楽への深い音楽の読み込みが反映されているということだろう。

 細かなアゴーギグ、強弱の対比やなど細部にわたって考えられた音楽になっている。

 第1楽章においては速めのテンポで颯爽と進める。決して音楽がよどむことなく強靭な鋭いリズムで楔を打つ。それでいて音色が華やかで柔らかいのできつくならない。

 第2楽章においては木管楽器の艶やかな音色が聴き所。想像以上に重心の低く重いサウンドで、厚みが感じられる。音の立ち上がりがはっきりしていてメリハリが感じられのが特徴的である。リズムはやはり鋭い。

 第3楽章においても細かなパッセージの正確さには舌を巻くしアンサンブルも見事。途中で出てくるホルンのファンファーレ風のフレーズはテヌートで味付けされていて細かなスケルツォ楽章の中にあって大変際立っている。元気が良くて音楽を心から楽しんでいる様子が垣間見られて好感が持てる。

 終楽章もこういったアプローチで進められていく。用意周到によく練られていてしかも正確無比なアンサンブル。サウンドはとても柔和で優しさと温かみに満ちている。これほど明るく楽しい英雄を聴いたことがあっただろうか?


 第4交響曲においても入念でありながら決して深刻にならない第1楽章の序奏部などは聴き所かもしれない。一気に音楽は快活になるのだが一転切れ味のようリズムに乗ってどこまでも楽しい音楽が展開されていく。ここでは過度な音響を意図的に排しているような感じも見受け(聴き受け)られる。それだけ音楽が引き締まって聴こえる。

 第2楽章はやや旋律パートが弱い気がするが、伴奏系や対旋律のパートがより明確に聴こえることによって旋律重視でおろそかになりがちなこの楽章の構造的な部分に光を当てた演奏となっている。

 第3楽章は大変滑らかである。従来もっと重く聴こえるか、もしくはガイコツのように乾いた音が聴こえるかの音楽であるがここではまさにそれを折衷したような、滑らかで快活で芯のしっかりとした音楽になっている。

 終楽章はもうとにかく楽しもうといった明るい雰囲気に満ち溢れていて素晴らしい。鋭いリズムなのだがアタックに抑制がきいているため音楽がとげとげしくならない。理想的なサウンドで申し分ない。


 ホグウッド/エンシェント室内管の同曲演奏
 英雄交響曲 http://blogs.yahoo.co.jp/qq473ms9/23796807.html
 第4交響曲 http://blogs.yahoo.co.jp/qq473ms9/23917583.html

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