ボロディン 1.交響曲第1番変ホ長調 2.交響曲第3番イ短調(グラズノフ編) 3.バリトンと管弦楽のためのロマンス 4.メゾソプラノと管弦楽のための「よその家では」 トルド・ワルストレム(Br)[3] ラリサ・ディアドコワ(Ms)[4] ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団 指揮:ゲンナジ・ロジェストヴェンスキー REC:1993,1994 (BRILLIANT 93348) 交響曲第3番イ短調(未完:グラズノフ編) この楽曲が正確にボロディンのものであるのかどうか、疑問が残るところであるらしい。そもそもボロディンの手による楽譜が残されているわけではなく(あったとしてもそれは断片)グラズノフがボロディンが生前ピアノで聴かせたものを編曲したものであるのだから。 ただグラズノフの驚異的な音楽に対する記憶力は有名で少なくともボロディンの作品と信じられている。記憶によって再現されたのは第1楽章のみであり第2楽章は企画ものでボロディンなど他の作曲家の共同作品による弦楽四重奏曲のためにボロディンが書いたスケルツォとオペラ「イーゴリ公」のために作曲され、そこでは用いられる事のなかった楽曲をグラズノフが編曲したものである。 要するに第1楽章はボロディンがピアノで演奏した交響曲の草稿のようなものを驚異的な記憶力の持ち主であるグラズノフによって復元されたものであり第2楽章はボロディンが作曲したものをグラズノフが編曲したものが用いられている。 このような複雑な経緯を持つ第3交響曲であるがとてもロシアの民族性が豊かに溢れた名作である。 このボロディンの第3交響曲のテーマは、隠れた名作でロシアの作曲家カリンニコフによる交響曲第1番ト短調の第1楽章のテーマによく似ている。 ロシアの民族的な風情がよく感じる事のできるいい音楽だ。第2楽章は5拍子の土俗的な雰囲気のある楽曲。リズミカルであり同時に叙情的でもありいい音楽である。 ロジェストヴェンスキーとロイヤル・ストックホルム・フィルの演奏のスタイリッシュで洗練された音色がこの楽曲にはとてもあっている。パワーで押すという側面がない演奏スタイルがこの楽曲に適応していてシャープな演奏で研ぎ澄まされた音色とリズムを精度高く聴かせてくれる。 バリトンと管弦楽のためのロマンス メゾソプラノと管弦楽のための『よその家では』 さて併録されている「バリトンと管弦楽のためのロマンス」と「メゾソプラノと管弦楽のための『よその家では』」も短いながらもしっとりとじっくりとロシアの音楽を味わえる逸品。素朴でありながらずっしりと重いロシアの音楽を端的に味わえる小品である。
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今度、アマオケが演奏するボロディンの3番を聴く予定です。記事で紹介された事情があるとすれば、生で聴く楽しみも違ってくるような気がします。この盤はいずれも未聴の作品ばかりなので注文してみようかと思います。
2007/5/22(火) 午前 8:49
白髪ばっは様>コメントありがとうございます。このCDは安価だしボロディンの管弦楽を体系的に聴けるのでお勧めですね。録音状態も申し分ありません。
2007/5/22(火) 午前 11:33