フランク・ブリッジ 1.横町のサリー 2.熟したさくらんぼ エルガー 3.ため息 作品70 ヘイデン・ウッド 4.幻想協奏曲 ジョン・アイアランド 5.聖なる少年 ヴォーン・ウィリアムズ 6.チャーターハウス組曲 ディーリアス 7.歌と踊り ピーター・ウォーロック 8.ディーリアスの60歳の誕生日のためのセレナード ジェフリー・ブッシュ 9.コンソート・ミュージック フランク・ブリッジ 10.「サー・ロジャー・ド・カヴァリー」〜弦楽合奏のためのクリスマス舞曲 イギリス・ノーザン・フィルハーモニア 指揮:デイヴィッド・ロイド=ジョーンズ REC:2000(NAXOS 8.555068[080106-250BOMM])近代イギリス音楽のオムニバス・アルバムの第2集。第1集に比べライト・ミュージックとしての傾向が薄れ本格的な弦楽合奏曲が多く収められている。 このCDの最初と最後に収められているのはフランク・ブリッジ(1879〜1941)という作曲家の作品。かのベンジャミン・ブリテンの師匠であったようだ。冒頭の2曲はイギリス民謡をアレンジした作品。もともとは弦楽四重奏曲として作曲されたものを後年弦楽合奏に編曲したものである。どちらの楽曲も牧歌的で優しく温かな音楽である。 このCDの最後に収められているのが「サー・ロジャー・ド・カヴァリー」も基本的に民謡を主体にした作品である。副題に“弦楽合奏のためのクリスマス舞曲”とあるが曲の最後の方に有名な「蛍の光」の旋律が聴こえるなど現代的な雰囲気の中にあらわれるこれらの民謡風の旋律が非常に印象的である。 言わずと知れた大作曲家エルガーの「ため息」はまるでマーラーの第5交響曲のアダージェットを聴くような雰囲気である。どことなくけだるく悲しくそれでいて官能的。ハープの音色と弦楽器の暗鬱とした旋律が非常に印象的な名曲である。 ヘイデン・ウッドという作曲家については詳細についてはよくわからない。ここで聴くことの出来る「幻想協奏曲」は親しみやすい旋律でありながら雰囲気は独墺系のサウンドも感じられ本格的なクラシック音楽そのもの。どことなくエルガーも感じる。スタイリッシュでありながらエレガント。 ジョン・アイアランドはドビュッシーやラヴェル、ストラヴィンスキー、バルトークなどの作曲から影響を受けた人で室内楽やピアノ曲などを多く残したひとのようだ。王立音楽大学で教鞭もとったとのこと。この「聖なる少年」はクリスマス・ソングでもともとはピアノ曲。ゆったりとした短い楽曲であるが非常にぬくもりのある温かな楽曲である。アイアランドの代表作である。 イギリスの作曲家の大御所ヴォーン・ウィリアムズの「チャーターハウス組曲」はやや古風な趣のある民謡風の旋律が大変美しく聴きやすい。もともとはピアノのための楽曲であったようだがジェイムス・ブラウンという人が弦楽合奏のために編曲したものである。全部で6曲からなる組曲であるがその一つ一つがとても性格的でバラエティーに富み音楽の深さを感じる楽曲である。 ディーリアスの「歌と踊り」は1915年に作曲されたが長らく未発表のままであった。ディーリアスに深く傾倒していた作曲家であり批評家のピーター・ウォーロックの尽力により1929年に初演された5分ほどの小曲。孤高の天才の才能が凝縮された作品である。 前述のピーター・ウォーロックは作曲家としてのペンネーム。本業は批評家で本名をフィリップ・アーノルド・ヘゼルタインという。ここに収められている「ディーリアスの60歳の誕生日のためのセレナード」はその名の通り尊敬するディーリアスに捧げられたもので雰囲気がデューリアスのそれとよく似ている。ウォーロックはわずか36年でその人生を終えた夭折の作曲家であるが、その死は事故死とも自殺とも言われている不遇な最後であったようだ。 ジュフリー・ブッシュは前述のジョン・アイアランドの門下生。「コンソート・ミュージック」はこのCDの中で最もわかりやすい楽曲で短い6曲からなる組曲である。ウィンナ・ワルツのような雰囲気のうっとりとするような美しい調べが印象的な作品である。チャイコフスキーの弦楽セレナーデなども思わせる。美しい旋律に心を奪われる。 先にも述べたが第1集よりも音楽の内容の濃い作品が多く聴き応えがある。
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