ベートーヴェン 1.交響曲 第2番 ニ長調 作品36 2.交響曲 第5番 ハ短調 作品67「運命」 バーミンガム市交響楽団 指揮:ヴァルター・ヴェラー REC:1988(Chandos CHAN 8713) 交響曲第2番は有名な「ハイリゲンシュタットの遺書」を書いた年に作曲されている。ベートーヴェンの交響曲の中でも非常にマイナーな楽曲であるが、この第2交響曲はベートーヴェンにとって大きな転機となる作品であるといえよう。失意の底からの転機となる楽曲、その意味においては大きな作品といえる。 ヴェラーはこの第2交響曲において落ち着き払った音楽を展開していく。第3、第4楽章におけるスリリングさには物足りなさを感じる。しかしその丁寧な音楽つくりは第1楽章の冒頭や第2楽章の旋律の歌わせ方に顕著に表れていて、誠実さが伺われ好感が持てる。オーケストラも柔軟に対応していてフレキシブルな感じがさすがだなと思わせる。 「運命」交響曲に関しても非常に丁寧な音楽運びである。第1楽章から突っ込んでいく感じは皆無でしっかりと地に足をつけ地道にすすむ感じである。 「これだ!」というような主張に欠けていて、あまたある同曲の演奏の中にあってこのヴェラーの「運命」交響曲の存在意義についてその意味は薄いものにならざるを得ないことは事実である。 それでも第2楽章をたっぷりと歌う雰囲気は非常に丁寧な感じがプラスに作用している。しかし第3楽章や終楽章はパワー不足。平凡といったらそれまでかもしれない。緩みきったリズムの感覚に最後までついていけなかった。
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