ベートーヴェン 1.交響曲 第4番 変ロ長調 作品60 2.交響曲 第7番 イ長調 作品92 バーミンガム市交響楽団 指揮:ヴァルター・ヴェラー REC:1988(Chandos CHAN 8714) 交響曲第4番の演奏は冒頭から熱がこもっていて素晴らしい。第1楽章は冒頭から気の入り方が違う。「英雄」や「運命」で聴いたような気のない弛んだリズムとは一変して気合の入った突き進むリズムで非常に好感が持てる。演奏にも集中力が漲っている。 第2楽章は非常に丁寧な音楽つくりで極限まで磨いた繊細な旋律が素晴らしい。ここまで純粋な同曲を聴いたことがあっただろうか?白眉の秀演である。 適度な質量を内包しながらもさっぱりとしたリズムで展開される第3楽章と終楽章にも非常に好感が持てる。各パートが生き生きと浮き立つように演奏されていて聴いていて興奮する。素晴らしい演奏である。 交響曲第7番はサウンドにエッジがあって弛みやまったりとした感覚がなく素晴らしい演奏といえる。第1楽章はやや重めのリズム、遅めのテンポで展開されていくがリズムの取り方にしっかりとしたエッジが感じられ好感が持てる。 第2楽章は冒頭に関して少し音が途切れ途切れな感じはするけれども総じて深遠な雰囲気でじっくりと「とうとうと」奏でられていく。ことに木管楽器の息の深さに聴き惚れてしまう。 第3楽章は軽快なリズムでサウンドにほどよい重みを持っている。終楽章も第3楽章同様、理想的なサウンドの重厚さとリズムの軽快さにおけるバランスが取れていて印象がいい。 音楽を掘り下げた結果としての何ともいえない味わいという感覚は残念ながらないが、ウィーンの指揮者がフレキシブルなイギリスのオケを振るとこうなるのか、といった感じである。ある意味、若きカラヤンがフィルハーモニア管を振ったベートーヴェンと似通う部分があると思う。 いずれにしてもここでのヴェラーの振る第4、第7交響曲は佳演である。
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