ブルックナー 交響曲第5番変ロ長調(ノヴァーク版) リンツ・ブルックナー管弦楽団 指揮:クルト・アイヒホルン REC:1993(CAMERATA CMSE-436,7[080823-4998DUK]) 今日はブルックナーの交響曲の中でも個人的に非常に好きな楽曲である第5交響曲を聴く。 この演奏を端的に表すとすれば虚飾のない誠実で素朴な雰囲気に彩られつつも入念な演奏といえる。劇場型の指揮者らしく随所に微妙なルバートやリタルダンド、アッチェルランドを取り入れ旋律のニュアンスを微妙に変化させるところなどは素晴らしい。特に第3楽章でその傾向は顕著である。オーケストラもよく反応している。 サウンドも重心の低いしっかりとした音でさすがはブルックナーを冠するオーケストラといえる。隅々まで音色の深みが染み渡っていて味わい深い。 フィナーレ楽章ではやや緊張感が散漫となってリズムに単調さをきたす部分がある。フィナーレにおける急激なテンポのブレーキにも個人的にはやや疑問を感じてしまう。 細かい点においてはいろいろあるとはいえ、全体的におおらかで力みや虚飾のない枯淡の極みともいえるアイヒホルンの解釈と深く味わいのあるリンツ・ブルックナー管の音色が絶妙のバランスを醸し出しており、なんともいえないブルックナーとなっている。第4楽章後半の金管楽器によるコラールの荘厳さ、神々しさは他に類を見ない。 テンポは全体的にゆったりとした感じでとうとうと流れる大河のように悠然と大きなスケールですすんでいく。 ギュンター・ヴァントやオイゲン・ヨッフムらと並び称されるアイヒホルンの到達したブルックナーの真髄をここに聴くことが出来る。
ちなみにアイヒホルンは同曲をこの録音より前の1990年にバイエルン放送交響楽団を指揮した聖フローリアン教会におけるライヴ録音も残している。私は未聴であるが評判がいい。 |

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