ブルックナー 交響曲第7番ホ長調(ノヴァーク版) リンツ・ブルックナー管弦楽団 指揮:クルト・アイヒホルン REC:1990(CAMERATA CMSE-439) 第5番、第6番を聴いてその語り口が朴訥で飾り気のない感じにとても好感をもったアイヒホルンのブルックナーであるが、この第7番に関して朴訥さはやや後退しむしろ雄弁と語っている演奏である。またアイヒホルンの音楽の語り口は変わらず素朴で純粋であるがここではそれが研ぎ澄まされていてむしろ神々しく感じられる、そのような第7交響曲である。 第1楽章はシャープで切れ味がいい。田舎のぼんやりとしたオーケストラではない。凄まじいエネルギーとかっちりとしたリズムをもった演奏で引き込まれる。レントラー風に歌われる旋律の随所に優しさが満ちている。第5や第6番に聴いたときの素朴で純粋ではあるがやや不器用な語り口とは一線を画する。素朴で純粋なサウンドであるがしっかりとはっきり雄弁に音楽が語られていくのである。見事である。 深淵な第2楽章はやや緊張感を欠く場面が散見(聴)される。サウンドが薄くなってしまい旋律と対旋律、伴奏などがかみ合わずばらばらに感じてしまう場面もある。第2楽章のクライマックスへの昂揚感は圧巻である。ノヴァーク版を採用しているため打楽器が挿入されている。直後表れるワーグナー・チューバによる葬送の音楽はもう少し悲壮感が欲しかった。 切れ味のいい第3楽章を経て終楽章。テンポはやや速め。明朗なサウンドで溌剌としている。その一方で音楽の流れがスムーズではない部分がある。雄弁と語っているが細部における音楽のほころび、盛り上がるところでの音楽の整わない感じが散見される。 第1楽章が特によかったので第2楽章や第4楽章におけるリズムの停滞やアンサンブルの乱れなどが残念である。 とはいえ、素朴で純粋なサウンドには十分聴く価値があるし好感が持てる。 画像は分売のもの。
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