クラシック音楽とうさぎの日常

久々に。秋が深まるのでしばらくブラームスで。

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ブルックナー
交響曲第5番変ロ長調(原典版)
ベルリン放送交響楽団
指揮:ハインツ・レークナー
REC:1983〜84(Berlin Classics BC 3011-2)

 先日のスウィトナーとともに旧東独の代表的な指揮者であったハインツ・レークナーのブルックナーを聴く(レーグナーともいうようだ)。レークナーは1929年生まれでスウィトナーよりも7歳年下であるがすでに2001年に亡くなっている。
 
 おそらくレークナーもスウィトナー同様ブルックナーの交響曲を全集という形では残していないはず。選集という形(おそらく4〜9番)で録音しているようだ。
 
 ここで聴く第5交響曲はテンポがやや前のめりの感じで忙しく演奏される。終楽章の忙しさに目の回るような演奏はブルックナーの世界観とは少し異なる感じがした。
 
 この演奏に関してブックレットに寄稿しているのがカリスマ評論家の宇野功芳さんなのであるが、宇野さんによるこのレークナーのブルックナーの忙しい演奏を端的に述べている記述があったのでここに挙げてみたい。
 
 「レークナーの造形は完全な短距離型である。・・・フレーズ自体、音楽の起伏自体が短いのである。」
 
 なるほどずばりこの演奏を言い当てている。個人的にこの第5交響曲には神々しさや深遠さを求めたいのであるがこの演奏は「短距離型」の演奏であるのでこのような雰囲気を求める事は出来ない。リズムの切れや颯爽とした雰囲気、俊敏さはあるがやや破天荒な感じもありあまりいただけなかったと言うのが本音である。

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ブルックナー
交響曲第5番変ロ長調(原典版)

シュターツカペレ・ベルリン
指揮:オトマール・スウィトナー
REC:1990(DS TKCC-15013)

 旧東独の巨匠オトマール・スウィトナーのブルックナーの第5番である。スウィトナーは1,4,5,8,7,8番を録音しているようであるが全曲の録音には至っていないらしい。この第5交響曲が異常なほどに素晴らしいので全曲録音がないのは非常に残念である。

 以前マーラーの第5交響曲を聴いてやはり素晴らしいと感じた事があったが同じような感動である。録音場所がベルリンのイエス・キリスト教会であることなども手伝ってかサウンドが実に伸びやかである。残響が多すぎて野暮ったさなどもなく実にシャープで引き締まった音色にまず驚かされる。

 驚きは第2楽章の出だしのテンポである。とにかく速い。全く別の音楽を聴いているようだ。どのような意図でこのようなテンポなのだろうか。続く第2主題の決然とした弦楽器の旋律には強さと深みと憂いが交じり合った最高の音楽になっている。第2楽章は聴けば聴くほど説得力がある。

 フィナーレも彫りの深い格調高い音楽になっていて、シュターツカペレ・ベルリンの燻し銀の確固たるサウンドが前面に押し出されていてとにかくすごい。熱のこもった演奏で壮大なブルックナーの音楽が克明に感じられ圧倒される。

 ヴァントやチェリビダッケ、スクロヴァチェフスキのようなトップダウン的な厳格なブルックナーとは一線を画する自然な流れの中に確固たる構造美を導き出すことに成功した稀有な演奏といっていい。録音も優秀。これぞ本当の名演である。

 スィトナーと言う指揮者は日本ではそれなりに評判が高いがもっと世界的に評価されるべきであると思う。


 参考
 スウィトナー/シュターツカペレ・ベルリンによるのマーラーの交響曲第5番
 http://blogs.yahoo.co.jp/qq473ms9/20366940.html

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ドビュッシー
1.交響詩「海」
2.牧神の午後への前奏曲
3.舞踏音楽「遊戯」

ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
指揮:ピエール・ブーレーズ
REC:1966年(CBS/SONY FDCA 549[080916-250BOMN])

 ブーレーズによるドビュッシーを聴く。今日は非常に暑くて文字通り海にでも行きたい気分になった。

 この録音は1966年のもので輪郭のはっきりしないそれこそ文字通り「印象派」と言われるドビュッシーの音楽に一石を投じることになった記念碑的なドビュッシーである。

 なんとなく曖昧に雰囲気で感じる事の多いドビュッシーが色彩感豊かに楽曲の細部に至るまで精緻に演奏されるこのスタイルは衝撃的であった。ブーレーズは90年代にクリーヴランド管を指揮して同曲(「海」と「牧神」)を再録音しているがこのニュー・フィルハーモニア管の録音の魅力は色あせる事がない。精緻でありながら音楽が艶かしく色彩感にあふれリズムがしなやかで非常に印象的である。音楽に勢いもあって非常に楽しめる。

 「海」などは波のしぶきすらも音楽になっているようだ。現実的でありながらそれを究極まで突き詰めたときにこのスコアから幻想的で艶かしい極上のサウンドが展開される。

 「牧神」も音の線が非常にはっきりしていて、それでいて非常に美しい。すべての旋律が他との旋律と完全にコラボしていて有機的な音楽の厚みを感じさせてくれる。

 そこには人工的なものや機械的なものとは完全に一線を画する人間の織りなす「音楽」に満ち溢れ音楽の音楽たる所以を感じさせてくれる演奏になっている。

 ドビュッシーの最後の管弦楽「遊戯」はセルゲイ・ディアギレフの率いるロシア・バレエ団の委嘱によって作曲された楽曲。あまり印象に残らない大作であるが演奏は素晴らしい。

 暑さも吹き飛ぶ冷静かつあふれ出る音楽の豊かさに心だけは温まる最高の音楽である。

 画像はおそらくLP盤のものであるかもしれない。

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ブルックナー
1.交響曲第5番変ロ長調(シャルク改訂版)
ワーグナー
2.楽劇「神々の黄昏」〜夜明けとジークフリードのラインの旅 

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ハンス・クナッパ ーツブッシュ
REC:1956(DECCA 448 581-2)

 伝説の指揮者ハンス・クナッパーツブッシュによるブルックナーの第5交響曲。現代において全く演奏されることのない「シャルク改訂版」における演奏。ここで展開されている音楽は随所に見受けられるカットなどなんだか意味を感じない音楽になっている。それはブルックナーの音楽と全く異なる音楽といって差しさわりがない。ワーグナーとブラームスが交じり合った雰囲気である。

 しかし、この演奏は重厚でなんともいえない説得力のあるきりりとした演奏である。明らかにブルックナーではないのにブルックナーのテイストがするブラームスないしはワーグナーを聴いている感じである。フィナーレの意味不明な打楽器にもすごい違和感をもってしまうのだが・・・。

 やっぱりはっきりいって「シャルク改訂版」はブルックナーではない。クナッパーツブッシュには本当のブルックナーを振ってもらいたかった。
 
 併録のワーグナーは本当に素晴らしい。この深い精神性こそ音楽のすべてである。クナッパーツブッシュはその意味ですごい指揮者なのであると思う。音楽に深みにあふれながら音楽そのものがとうとうと流れているのだから。恣意的でなく自然な形で。クナッパーツブッシュのブラームスは好きではないがこのワーグナーは本当に素晴らしい。ブルックナーも原典版であったらどれほど素晴らしい演奏になっていただろうか。
 
 それにしてもこのワーグナーは極めつけの名演である。

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ブルックナー
交響曲 第5番 変ロ長調

ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団
指揮:アイヴォー・ボルトン
REC:2004(OEHMS OC364)

 ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団といえばモーツァルトをはじめとする古典派作品の分野においてそのレパートリーを主に知るところであったが、最近廉価でブルックナーの交響曲がOEHMSレーベルから出ている。
 
 ここで指揮を振っているのは2004年よりザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の首席指揮者を務めているアイヴォー・ボルトン。ボルトンは1958年、イギリスのランカシャー州ブラックロッド生まれ。オペラの分野でも活躍している中堅の指揮者である。
 
 さてここで聴くブルックナーは非常にこじんまりとしたある意味、現代トレンドを象徴するような「エコ」なブルックナーである。オーケストラのサイズも然り、演奏時間やその音楽から与えられるプレッシャーも然り、非常にあっさりとしたさっぱりとしたベジタリアンな演奏である。ダンプカーや戦車のような重量級のブルックナーを期待すると肩透かしにあうこと間違いがない。このブルックナーはまさに軽自動車かエコカーである。
 
 チェリビダッケ/ミュンヘン・フィルの真逆にある、本当に薄味のブルックナーである。そよ風のブルックナー、蒸し暑い日に聴くには最適な演奏である。

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