クラシック音楽とうさぎの日常

久々に。秋が深まるのでしばらくブラームスで。

全体表示

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

イメージ 1

ベートーヴェン
1.交響曲 第2番 ニ長調 作品36
2.交響曲 第5番 ハ短調 作品67「運命」

バーミンガム市交響楽団
指揮:ヴァルター・ヴェラー
REC:1988(Chandos CHAN 8713)

 交響曲第2番は有名な「ハイリゲンシュタットの遺書」を書いた年に作曲されている。ベートーヴェンの交響曲の中でも非常にマイナーな楽曲であるが、この第2交響曲はベートーヴェンにとって大きな転機となる作品であるといえよう。失意の底からの転機となる楽曲、その意味においては大きな作品といえる。

 ヴェラーはこの第2交響曲において落ち着き払った音楽を展開していく。第3、第4楽章におけるスリリングさには物足りなさを感じる。しかしその丁寧な音楽つくりは第1楽章の冒頭や第2楽章の旋律の歌わせ方に顕著に表れていて、誠実さが伺われ好感が持てる。オーケストラも柔軟に対応していてフレキシブルな感じがさすがだなと思わせる。

 「運命」交響曲に関しても非常に丁寧な音楽運びである。第1楽章から突っ込んでいく感じは皆無でしっかりと地に足をつけ地道にすすむ感じである。

 「これだ!」というような主張に欠けていて、あまたある同曲の演奏の中にあってこのヴェラーの「運命」交響曲の存在意義についてその意味は薄いものにならざるを得ないことは事実である。

 それでも第2楽章をたっぷりと歌う雰囲気は非常に丁寧な感じがプラスに作用している。しかし第3楽章や終楽章はパワー不足。平凡といったらそれまでかもしれない。緩みきったリズムの感覚に最後までついていけなかった。

イメージ 1

ベートーヴェン
1.交響曲 第1番 ハ長調 作品21
2.交響曲 第3番 変ホ長調 作品55「英雄」

バーミンガム市交響楽団
指揮:ヴァルター・ヴェラー
REC:1988(Chandos CHAN 8712)

 交響曲第1番は第1楽章冒頭の序奏は非常に濃厚なサウンドである。主部のアレグロは快活で切れ味がいい。第2楽章もマイルドなサウンドで雰囲気がいい。全体的にサウンドはしっかりとした重厚なもので、颯爽とした雰囲気と粘着力のあるしっかりとしたサウンドが見事に融合して聴き応えがある。

 「英雄」交響曲はゆったりとした雰囲気をたたえており、第1楽章冒頭からややリズムに弛みとたるみが感じられまったりとした感じで残念。第2楽章の葬送行進曲は素晴らしい。音楽がどこまでも深く掘り下げられていてさすがは名ヴァイオリニスト出身の指揮者である。有名なフーガの部分における弦楽器の織りなすかけ合い交じり合いが見事である。有機的に音楽が絡み合う様子に鳥肌が立つ。最初から最後まで集中力に漲っていて手に汗を握ってしまう。
 
 第3楽章はリズムに陰りが見られるが正攻法な音楽の流れに説得力をもつ。終楽章も丁寧に練り上げられて紡ぎだされる音の一つ一つに生命力があり瑞々しく非常に好感を持つ。

 奇をてらう事のない正攻法なベートーヴェンのシンフォニーである。リズムに野暮ったさを感じるがそれ以上に丁寧な音楽を感じる事が出来る。とにかく弦楽器の鳴らせ方は素晴らしいものがある。

 画像はヴェラーのHPから拝借。ヴェラーの指揮姿。

イメージ 1

 ヴァルター・ヴェラー(ウェラー)はウィーン・フィルのコンサートマスターを務めたウィーン生粋のヴァイオリニストである。1959年から10年にわたって自らの名を冠した弦楽四重奏団(ヴェラー四重奏団)を組織し活躍する。

 1969年に指揮者に転向(この年ヴェラー四重奏団は解散)、ウィーンの国立歌劇場の指揮者として活躍する。1977年にイギリスに渡りロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団(77〜80年)、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(80〜84年)、スコティッシュ・ナショナル管弦楽団(現ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団)(92〜97年)のイギリス各地のオーケストラの首席指揮者を歴任する。

 ウィーン・フィルのコンサートマスターから指揮者に転身したヴェラーであるが比較的地味な存在である。私もかつてモーツァルトのヴァイオリン協奏曲の伴奏やブラームスのハンガリー舞曲の全曲などで聴いて知っていた。ヴェラーの指揮するものの中ではプロコフィエフの交響曲全集が非常に評価が高く有名である。

 そんなヴェラーによるベートーヴェンの交響曲全集。今をときめくサイモン・ラトルが手塩にかけたバーミンガム市交響楽団が演奏を担当する。どんなものか非常に興味がわく。

 (Chandos CHAN 8712-14)[080605-500BOMN])
 (Chandos CHAN 8715-17)[080610-500BOMN])

イメージ 1

ウェーバー
歌劇「アブ・ハッサン」

ペーター・シュライアー(T:アブ・ハッサン)
インゲボルク・ハルシュタイン(S:ファーティーメ)
テーオ・アーダム(Bs:オーマール)

ジークフリート・ゲーラー(語り:サルタン)
クルト・カハリッキ(語り:アブ・ハッサン)
ゲルト・ビーヴァー(語り:オーマール)
アウグスト・ヒュッテン(語り:メスルール
ドロテーア・ガーリン(語り:ツェールムート)

ドレスデン国立歌劇場合唱団
合唱指揮:ゲルハルト・ヴェストナー
ドレスデン国立歌劇場管弦楽団(シュターツカペレ・ドレスデン)
指揮:ハインツ・レーグナー
REC:1971(DENON  COCO7568[080605-500BOMN])

 ドイツ・オペラの父とも言われるウェーバーの作曲による珍しいオペラ作品を聴く。ウェーバーの5作目に当たる、一幕もののジングシュピールである。
 
 このCDには全曲が収められているがその半数が台詞の場面である。歌劇というより劇音楽といったほうがいいかもしれない。題名からも推して知ることが出来るかもしれないがこの「アブ・ハッサン」というオペラは「アラビアン・ナイト」にその題材を求めており当時ヨーロッパで流行していた「トルコ物」と呼ばれるジャンルのものである。そのためか、全体的にも部分的にもモーツァルトの「後宮からの誘拐」に似通っている感じもある。
 
 ウェーバーの作品とは思えないくらい楽しく軽めのオペラなので内容云々をあまり考えなくとも十分楽しめる。
 
 ペーター・シュライアーやインゲボルク・ハルシュタインの歌唱は素晴らしい。明るい歌声と落ち着きのある雰囲気に非常に癒される。わくわくとするような感じはないけれどしっとりとした感じがたまらなくいい。
 
 シュターツカペレ・ドレスデンや同合唱団も艶やかな音色と歌声でレーグナーの指揮にも安定感がある。溌剌とした感の性格を持ったこのオペラを落ち着いてきっちりとそれでいて美しく艶かしく演奏されていて、最高の演奏であると思う。

イメージ 1

アサー・サリヴァン
交響曲「アイリッシュ」
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:サー・チャールズ・グローヴス
REC:1968(HMV HMVD 5 73678 2[080605-500BOMN])

 この交響曲「アイリッシュ」は先日聴いた歌劇「ペイシェンス」の余白に収められていた。1866年にサリヴァン自らの指揮によって初演されている。20歳代の若書きの作品であり非常に若々しく瑞々しい意欲的な作品であるといえよう。ちなみに「アイリッシュ」というサブ・タイトルは作曲者の死後につけられたものであるらしい。

 サリヴァンは1842年生まれであるからちょうどチャイコフスキー(1840年生まれ)やドヴォルザーク(1841年生まれ)グリーグ(1843年生まれ)リムスキー・コルサコフ(1844年生まれ)など民族主義的な思想に立脚して数多くの名曲を残した大家と同世代である事がわかる。
 
 この交響曲「アイリッシュ」もそういった系譜に数える事のできる名曲である。サリヴァンのオペラだけ聴いていたのでは全く想像できないきっちりとした純粋な音楽作品となっている。所々でチャイコフスキーやドヴォルザーク、シューベルトを思わせるような雰囲気を感じるが、要所で奏でられる旋律はいかにもサリヴァンらしい純朴ながらもウィットに富んだ非常に耳に馴染みがいいものである。
 
 特に第4楽章で度々聴かれる旋律が有名なリパブリック賛歌を思わせなんとも仄かな郷愁を抱かせるし、第3楽章冒頭のオーボエのエキゾチックな旋律も非常に新鮮な旋律である。
 
 サリヴァンの意外な横顔を発見できる佳曲である。

 演奏はグローヴスの指揮によるロイヤル・リヴァプール・フィル。しなやかでマイルドなサウンドと歌心にあふれた演奏には好感が持てる。録音は1968年という事であるがそれほど古さは感じない。もしも機会があれば別の演奏でも聴いてみたいと思う。


 参考
 ギルバート&サリヴァン:歌劇「ペイシェンス」全曲
 http://blogs.yahoo.co.jp/qq473ms9/57674556.html

 サージェントによるギルバート&サリヴァンのコミック・オペラ序曲集
 http://blogs.yahoo.co.jp/qq473ms9/57559761.html

.
ちぇり
ちぇり
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

ブログバナー

1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
検索 検索

よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事