クラシック音楽とうさぎの日常

久々に。秋が深まるのでしばらくブラームスで。

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ベートーヴェン
1.劇音楽「エグモント」作品84 〜 序曲
2.ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 作品37
3.交響曲 第5番 ハ短調 作品67「運命」

エミール・ギレリス(Pf)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ジョージ・セル
REC:1969(ORFEO C 484 981 B[081223-441DUK])

 1969年のザルツブルク音楽祭でのライブ録音。

 ジョージ・セルの鋼のような正確無比で直線的な指揮が実演に際して燃えに燃えてウィーン・フィルが咆えに咆えている、凄まじい演奏である。
 
 この録音は人気があるらしくすこぶる評判がいい。録音はステレオ録音であるが生々しい。所々で強奏になると音が潰れてしまっているが勢いの凄まじさがひしひしと伝わってくる。
 
 冒頭のエグモント序曲からして尋常でない熱気に満ちており、運命交響曲ではライブならではの白熱の爆演である。凄まじいの一言。本当にこれがあの上品なウィーン・フィルなのであろうか?と思ってしまう。

 冷徹でありながらここでは完全に吹っ切れているセルの指揮はよっぽどすごかったに違いない。これほど熱い「運命」交響曲はそうないであろう。
 
 旧ソ連のピアニスト、ギレリスをソリストに迎えてのピアノ・コンチェルト第3番も鋼鉄、豪腕な演奏である。
 
 この演奏はやはりすごい。鋼のように硬質な演奏でありながらその鋼が燃えながら凄まじい勢いで突っ走っていくのだ。このエネルギーは信じられないほどのものである。ライブならではであるだろうが、燃えまくる巨匠セルが名門ウィーン・フィルを乱れるほどに本気で熱くした歴史的なドキュメントといえる。

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ブルックナー
交響曲 第6番 イ長調(原典版)

ドレスデン国立歌劇場管弦楽団(シュターツカペレ・ドレスデン)
指揮:オイゲン・ヨッフム
REC:1978(EMI 5 73905 2)

 オイゲン・ヨッフム。チェリビダッケが独特の世界観をもっていたとするならばこの人は徹底したリアリストであったと思う。前回、第5交響曲を聴いたときも感じたのであるが「ヴァントやスクロヴァチェフスキの流れの源流」とも据えることのできそうな、愚直とも思える直線的で具体的な「純音楽」としてのイディオムが徹底して「とうとう」と流れ感じられるのだ。

 ある意味、トスカニーニなどに感じられる「即物主義的音楽」を髣髴とさせる。特に第2楽章を聴けば一目(耳?)瞭然であるだろう。そこには徹底した現実を積み重ねていく事によってのみ体現される、ある意味において非常に説得力のある音楽が存在していくのだ。この手法はチェリビダッケで感じられた神々しいほどの哲学的な演奏とは完全に一線を画する。

 感動というよりは感心させられ納得させられる。これこそヴァントやスクロヴァチェフスキと同じ系譜に立つと思う証左であると感ずる。

 どこまでも厳格で流されない鉄の意志を感ずる「剛演」である。

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ブルックナー
交響曲第6番イ長調(ハース版)

ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:セルジュ・チェリビダッケ
REC:1991(EMI TOCE-9805)

 独特の世界観をもってブルックナーに挑むチェリビダッケの哲学の全てを凝縮してまるで結晶となったかのような名演である。テンポは遅いのであるがそれほどの遅さを感じさえない。フレーズ一つ一つに意味を持たせ、サウンドが有機的に絡み合いまるで生きているかのように迫ってくる。
 
 ミュンヘン・フィルの傑出した技量にも驚かされる。全てが完璧に近いサウンドである。リズムも非常に厳しく決して緩まない。極度の緊張感の中にもはやこの世のものとは思えない世界が存在している。
 
 チェリビダッケという、どの指揮者とも相対的な評価など出来ない独特な世界観をもったその世界がミュンヘン・フィルという信じられないほどの技術を持った演奏家たちによって体現されたこのブルックナーの音楽における奇跡の前に言葉を失う。
 
 このチェリビダッケとミュンヘン・フィルによるブルックナーの第6交響曲、これは音楽を超越しているようにも思える。音楽を越えた何かである。
 
 好き嫌いがはっきりと分かれる演奏であることも前提として申し上げておきたい。ある人は私のように奇跡的な名演というかも知れなし、ある人は愚にもつかない変態な演奏とののしるに違いない。それほどの稀有な世界観をもった演奏といえる。
 
 前回聴いた同コンビによる2種類のブルックナーの第5交響曲同様、腰の抜けるような衝撃的な感動を覚える名演奏である。少なくとも私はそう思う。


 参考
 チェリビダッケ/ミュンヘン・フィルとのブルックナーの第5交響曲(1993年のEMIへの録音)
 http://blogs.yahoo.co.jp/qq473ms9/59224283.html

 チェリビダッケ、ミュンヘン・フィルによるブルックナーの第5交響曲(1986年サントリーホールライヴ録音)
 http://blogs.yahoo.co.jp/qq473ms9/59652505.html

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マーラー
交響曲 第5番 嬰ハ短調

モスクワ放送交響楽団
指揮:ウラディミール・フェドセーエフ
REC:2000(RELEF CR 991070[081223-662DUK])
 さて今日はブルックナーと同じく交響曲の大家、マーラーの第5交響曲を聴く。

 以前にたくさんの同曲を聴き比べたことがあったが今日はそこには含まれなかった一枚を聴く。
 
 このCDはジャケットのクールなデザインに惹かれ思わずジャケ買いをしたもの。私のコレクションの中でジャケットが最も美しかったのが「アンサンブル・オーケストラル・ドゥ・パリによるベートーヴェン交響曲全集」である。このマーラーのジャケットはそれに次ぐものである。

 無機的な壁に囲まれた向こう側から差し込む光が非常に印象的なジャケットである。共産主義一党独裁政治から解放されるような印象を受ける。
 
 演奏はモスクワ放送交響楽団、指揮はウラディミール・フェドセーエフである。旧ソ連のオーケストラだけあって厚ぼったく粗野な感じをイメージしていたがシャープで切れ味のいい演奏である。2000年のライブ録音ということであるが録音状態もよく旧ソ連の粗悪な録音とは一線を画する優秀な録音である(後述するが第4,5楽章のノイズはいただけない)。
 
 サウンドはやや硬めで一気に駆け抜けるような爽快感のある演奏である。第1楽章や第2楽章はこのようなスタイルでも許せる気がするが、第3楽章はややテンポが遅くなりリズムも停滞気味。牧歌的な雰囲気は不自然で無骨な感じがしてしまう。レントラー風の舞曲を壊れたロボットが滑稽に踊っているようで思わず笑ってしまうような感じだ。
 
 第4楽章のアダージェットでは録音に起因するであろう電気的なノイズが非常に気になる。演奏に関してもサウンドに深みがなく硬い。洗練されたシャープさが強調された感じを受けるが心に訴えかけるような何かが欲しい。
 
 終楽章でも引き続き所々で聞かれるノイズが気になる。演奏はテンポが鈍重で胃もたれがしてくる感じ。しかしフィナーレに近づくにつれてテンポも快速となりリズムも締まってきてぐっと心に迫るいい演奏を聴かせてくれる。

参考:
マーラー第5交響曲聴き比べ
http://blogs.yahoo.co.jp/qq473ms9/23302415.html
アンサンブル・オーケストラル・ドゥ・パリによるベートーヴェン交響曲全集
http://blogs.yahoo.co.jp/qq473ms9/48493032.html

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ブルックナー
交響曲第6番イ長調
ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ロベルト・パーテルノストロ
REC:2003(DOCUMENTS 232766E)

 廉価で販売されたヴュルテンベルク・フィルとオーストリアの指揮者ロベルト・パーテルノストロのコンビによるブルックナー全集からの一枚。

 その値段の安さから一部ではかなりの話題を呼んでいる。このコンビの録音における特質すべき点はその録音にある。大規模な教会におけるライヴ録音でその残響が非常に印象的であるのだ。この全集の売りが(廉価であるということのほかに)この豊かな残響にある。

 特にこの第6交響曲に関しては残響を意識しているためか、かなりまったりとしたテンポでゆるく進められて行く。第1楽章からしてリズムに締まりがなく、良しにつけ悪しきにつけ非常に牧歌的で平和な演奏である。第2楽章はまどろむ白昼夢である。それはまるでマーラーの第5交響曲のアダージェットを聴くかのようである。そこには荘厳さや厳粛さは感じられない。官能的というと言いすぎかもしれないし語弊があると思うが、まったりとした牧歌的な感覚が極まっており聴いていてやや眠くなる感じである。

 第3楽章はライブ録音のためかやや金管楽器に力みを感じる。勢いで一気に持っていく感じは好感が持てる。強奏のあとの残響は非常に印象的である。しかしやや雑然とした感が否めず細かなミスも散見される。

 終楽章はすっきりとした力みを感じさせないスムーズな雰囲気ではじまる。第4楽章はほどよい残響が美しくこの楽曲の中では一番いい。指揮者の声であろうか所々で「ヒュー」という声が聞こえてくるのも臨場感が合って私は好感が持てた。

 雑然とした雰囲気はやはり感じるが、おおらかなブルックナーである。

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