クラシック音楽とうさぎの日常

久々に。秋が深まるのでしばらくブラームスで。

全体表示

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

イメージ 1

ブルックナー
交響曲第7番ホ長調(ノヴァーク版)

リンツ・ブルックナー管弦楽団
指揮:デニス・ラッセル=デイヴィス 
REC:2007(ARTE NOVA 8869731990 2)

 第6交響曲ではかなりすっきりとしたサウンドを聴かせてくれやや物足りなさも覚えたコンビの演奏であるがこの第7交響曲では呼吸の深いスケールの大きな演奏を聴かせてくれる。サウンドはすっきりとしているが非常に美しく深みが感じられる。

 第2楽章における短いフレーズの終りの処理の仕方が印象的。細かな部分かもしれないが弱音にしてややテンポを緩める。それでいて決して連続性は断絶すること無く次のフレーズの出現に暗示をかけるような感じで意味深いものを感じた。ノヴァーク板を使用しているようであるが有名な177小節目の打楽器についてシンバルとトライアングルはカットされていてティンパニのみの使用となっている。

 第3楽章のスケルツォはもと鋭角的なサウンドを想像していたが腰の座ったしっかりとした重めのサウンドで濃密な音楽が展開されていく。

 第4楽章は第1主題の旋律は厳かに重く演奏されるのだが第2主題の牧歌的な旋律は足早にそっけないくらいに非常にあっさりとしたものでこの対比が印象的。

 さすがブルックナーの名前を冠したオーケストラだけはある。深みのあるサウンドがアメリカの指揮者によって整然と整理され的確で美しい音楽を展開していることに成功している。決して個性的とはいえないがあらゆる意味でブルックナーの第7交響曲におけるスタンダードな演奏のひとつといえよう。

イメージ 1

ブラームス
1.交響曲 第1番 ハ短調 作品68
2.悲劇的序曲 ニ短調 作品81

ロンドン交響楽団
指揮:ベルナルド・ハイティンク
REC:2003(LSO LIVE  LSO 0045[081223-420DUK])

 ロンドン響自主制作シリーズにおけるハイティンクとロンドン交響楽団とのブラームス・チクルスからの一枚。先日聴いた第3交響曲に続き今日は第1交響曲。ハイティンクにとって3度目のブラームスの録音(ライヴ録音)である。

 第1楽章は冒頭から非常に重厚なサウンドであるが音楽の推進力と言う点でやや重さを感じる。録音も横への広がりに乏しく、響きがふくよかでない。重い足取りで広がりのない硬いサウンドで淡々と進められて行く音楽に目新しさを感じない。数ある同曲の録音の中にあってこの演奏の存在意味を考えてしまう。

 第3楽章は集中力が切れているのか音楽は流れているのだがそこに魂が無いように思う。無味乾燥でただただ足早に粗雑に終わってしまう。

 終楽章ではさすがに巨匠ハイティンクの懐の深い味のある演奏を聴かせてくれる。ライヴならではの尻上がりに熱気を帯びていく演奏には恐れ入る。それでも、ふとしたときの気の抜けようはやはり首を傾げたくなる。旋律がぎこちなく機械的になってしまう。リズムも急に重くなり躍動感がなくなって停滞してしまい、音楽がどこへ向かうのか一瞬音楽が行方不明になってしまうのだ。

 さらに、やはり最後まで気になるのは録音のレンジの狭さである。全ての音があまりに直線的過ぎて横へ広がらない。スケールが小さくなんとも残念。第3交響曲のときにはここまで録音に関して感じなかったのだが。

 併録の悲劇的序曲は熱のこもった演奏になっているが、やはりフレージングがぎこちなくて滑らかでない。リズムの重さ旋律のぎこちなさがどうしても気になる。

 今回はちょっと辛口なコメントになってしまったが、録音の状態が私好みでないことが最大の要因かもしれない。

イメージ 1

ブルックナー
交響曲第7番ホ長調(ハース版)

ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
指揮:ゲオルグ・ティントナー
REC:1997(NAXOS 8.554269)

 ティントナーの指揮による第7交響曲は第5番同様演奏を担当しているのはロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団である。

 英国のオーケストラということもありサウンドが非常に透明でピュアである。アイヒホルンの演奏などに比べるとやや「薄い」かなともとれなくもないが美しい音色で第2楽章などは夢心地で聴ける。仕事人ティントナーの虚飾のない純粋な音楽がとうとうと流れていくさまはまさに自然そのものである。
 
 声高に鳴らない非常にスマートでストレートな第1楽章にはじまり、第2楽章の透明度の高い聡明な演奏は特質すべきものがある。音楽の輪郭がしっかりとしており楷書風。また虚飾を一切排した水墨画のような演奏でありその素朴でありながら確信を描く音楽の運びに宇宙を感じるようなそんな演奏である。
 
 第3楽章もすっきりとしたフォルムの中にしっかりと実が詰まっている演奏である。ストレートに飛んでくる金管楽器のサウンドに爽快感がある。
 
 第4楽章はもう少しまろやかさが欲しい。足早のテンポでぐいぐい進められて行く。各声部の有機的な絡みをもう少しじっくり演奏してもらいたかった。きびきびしすぎていてややエッジが鋭すぎるかなと感じた。録音のせいでもあるのだろうが強奏部での弦楽器の弱さが音楽の深みを妨げている。管楽器のエッジの効いたサウンドだけが強調されややうるさく感じてしまう。
 
 各所にティントナーの技を感じることができる演奏である。いまひとつオケがついて行けないもどかしさがあるが、集中力の高さと透明感のあるサウンドがティントナーの指揮を明確に体現していることに違いはなく、部分的に不満はあったにせよ、素晴らしい演奏となっている。

イメージ 1

ブルックナー
交響曲第7番ホ長調(ノヴァーク版)

リンツ・ブルックナー管弦楽団
指揮:クルト・アイヒホルン
REC:1990(CAMERATA CMSE-439)

 第5番、第6番を聴いてその語り口が朴訥で飾り気のない感じにとても好感をもったアイヒホルンのブルックナーであるが、この第7番に関して朴訥さはやや後退しむしろ雄弁と語っている演奏である。またアイヒホルンの音楽の語り口は変わらず素朴で純粋であるがここではそれが研ぎ澄まされていてむしろ神々しく感じられる、そのような第7交響曲である。
 
 第1楽章はシャープで切れ味がいい。田舎のぼんやりとしたオーケストラではない。凄まじいエネルギーとかっちりとしたリズムをもった演奏で引き込まれる。レントラー風に歌われる旋律の随所に優しさが満ちている。第5や第6番に聴いたときの素朴で純粋ではあるがやや不器用な語り口とは一線を画する。素朴で純粋なサウンドであるがしっかりとはっきり雄弁に音楽が語られていくのである。見事である。
 
 深淵な第2楽章はやや緊張感を欠く場面が散見(聴)される。サウンドが薄くなってしまい旋律と対旋律、伴奏などがかみ合わずばらばらに感じてしまう場面もある。第2楽章のクライマックスへの昂揚感は圧巻である。ノヴァーク版を採用しているため打楽器が挿入されている。直後表れるワーグナー・チューバによる葬送の音楽はもう少し悲壮感が欲しかった。
 
 切れ味のいい第3楽章を経て終楽章。テンポはやや速め。明朗なサウンドで溌剌としている。その一方で音楽の流れがスムーズではない部分がある。雄弁と語っているが細部における音楽のほころび、盛り上がるところでの音楽の整わない感じが散見される。
 
 第1楽章が特によかったので第2楽章や第4楽章におけるリズムの停滞やアンサンブルの乱れなどが残念である。
 
 とはいえ、素朴で純粋なサウンドには十分聴く価値があるし好感が持てる。

 画像は分売のもの。

イメージ 1

ブラームス
1.セレナード 第2番 イ長調 作品16
2.交響曲 第3番 ヘ長調 作品90

ロンドン交響楽団
指揮:ベルナルド・ハイティンク
REC:2003[1],2004[2](LSO LIVE  LSO 0045[081223-315DUK])

 ベルナルト・ハイティンクという指揮者に関して思うことは非常に純粋な演奏をする指揮者であるという印象が深い。いわゆる正統な指揮者と言われる系列にある巨匠である。

 しかしドイツ系の指揮者と異なりかなり淡白ですっきりとした演奏をする人だという印象があった。1990年代に録音したブルックナーの第8交響曲がすこぶるいい評判を得ていたようだが独襖音楽に精通した名指揮者である。

 ハイティンクはブラームスの交響曲と管弦楽曲などを3度録音している。

 最初は1970年〜1973年にかけてのアムステルダム・コンセルトヘボウ管との録音、2度目は1990年〜19994年にかけてのボストン交響楽団との録音である。

 今日聴いた第3交響曲は3度目の録音(ライヴ録音)となるロンドン交響楽団とのものである。このブラームス・チクルスは、2003年〜2004年にかけてライヴ録音された。

 サウンドはさらさらしていてさっぱりとした印象である。機能的でフレキシブルなロンドン響の颯爽とした雰囲気がまっすぐな虚飾のないハイティンクの指揮と相まってこれ以上にない純粋性を保っているように思う。熱くなりそうでいて冷静なサウンド。速くなりそうでしっかりとした足取り。
 
 実に大人の演奏である。物足りなさがあるように感じるがこの物足りなさこそがジェントルマンなのかもしれない。
 
 併録されているセレナード第2番はブラームスが26歳のときに作曲された。若々しく清清しい音楽である。モーツァルトやハイドンを髣髴とさせる全体像の中にいかにもブラームスらしい若干の憂いを帯びた旋律が顔をのぞかせるところなどはふと心をくすぐられる。
 
 ハイティンクとロンドン響のすっきりとした端整なサウンドはこの楽曲に誠にマッチしている。

.
ちぇり
ちぇり
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

ブログバナー

1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
検索 検索

よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事